74話
ルイが目を覚ます
「ここは?」
「どこだっけ?覚えてないや。それよりも、今回の騒動で大体〜300?死んだから」
平然と語る。今回の騒動は自分が原因なのに悪びれもせずに。なんなら、自慢げに。そう、無敵のカナリアだからこそ言えるんだ。倫理はどうなってるんだ、倫理は。
「態々僕に言わなくて良くない?僕にこれを使って欲しいの?」
少し苛立ちながら喋る。
「そう言いたいんじゃないよ。知りたそうにしていたから教えてあげたんだよ。いや〜優しいね〜僕は聖人だったってこと。僕は人じゃないけど」
「そこを退いて。確認しないと」
「そんなに僕の言葉が信じられない?酷いね〜」
(やっぱり行くよね〜。他人を救けるなんてくだらないのに。どうせ死んで終わりじゃん。じゃあ、救ける意味なくない?)
「普段の行いの結果だよ」
そう言い走り出す。カナリアはルイの後を追い、死体が置かれてる闘技場に着く。何故闘技場かという質問の答えは広いから。それとご都合主義。
「ルイ…」
「サイクスとアン、それにカーレン。生きていて良かった」
「俺が居たのにスマンな」
しんみりした空気が流れる。その空気を壊したのはカナリアだった。
「おお〜、改めて見ると凄いね。こんなに死んだんだ、マジ笑える。まあ、運が無かったのと弱いから死んだんだ、成長しなかった奴が悪いんだよ」
その言葉はルイと達を怒らせた。サイクスがカナリアの胸ぐらを掴み
「テメェ!沢山の人が死んだんだぞ!それなのに弱いから死んだだと?なら、ここで」
「サイクスここでやるのはダメ。カナは喋らないで」
「あんた・・・・そんなに非道だったの」
「離して。はぁ、なんで他人にそこまで本気になれるのか。まあ、そこは重要ではない。ルイ君、君にはここに居る死体を蘇らせることができる」
「それは本当か?」
カナリアの話しを聞きルイに問いかけるモブ。その言葉には死んだ友人が生き返るかもしれないと言う希望が含まれていた。
「出来ます。でも」
「本当か!なら、今すぐに」
「話しを聞いてください。生き返らせるのには別の誰かが犠牲にならないといけなくて」
「そうか。なら今すぐに!別の誰かが犠牲とか関係無い。早くやってくれ」
会話を聞いていた学生がほぼ同じ意見を出していた。自分と関係ないやつが死のうと自分の友人が生き返るなら犠牲にしても良いという考えの奴が沢山いたのだ。
「これが人間の醜い部分だよ。さて、ルイ君はどうする?こいつらの意見を通すのか僕みたいに死んだ奴は戻って来ないから生き返らせないか」
(どうするか楽し)
カナリアがその場から消えた。
「僕は…」
どうすれば良いんだ!誰かを犠牲にして生き返らせるなんて出来ない。サイクス達が死んでいたらやっていたかも。でも、誰かを…カナが居る!カナなら
「カナ・・・・どこに行ったんだ?」
「なぁ、早くやってくれ!じゃないと」
場所を変えて魔王城。カナリアは魔王に連れ去られていた。
「ねぇ、話しが違うんだけど?なんで魔族を殺したの?」
「話し?別に僕は攻撃しないとは言ってないけど?勘違いしたのはそっちじゃん。僕が悪いと言われるのは筋が違うんじゃない?」
「そうかもね。でもそれは殺す理由にならなくない?違う?」
「椅子が欲しいな〜これで良いか。さて、僕は退屈凌ぎで頼んだつもりだったんだけどな。まあ、謝罪はしないけど」
椅子を出し足を組みながら喋る。その態度を見て魔王は
「もう良い、力尽くで行こう」
「良いね!僕も戦ってみたかったんだ!」
脚攣った!普通に痛いんだが。やっぱり人生は苦しいし辛いんだな〜




