73話
「機嫌が良さそうだね」
「分かる?」
「何年一緒に居たと思うの?」
「年なんて関係無いよ」
(そろそろかな〜)
ドカアァァァァァンッ!
大爆発が起こったと思ったら悲鳴が聞こえ魔族が攻めてきた。雪崩のように。
「フハハッ!弱い弱い。こんな弱い生物に同胞が負けるとはな。さぁ、全員殺せ!報復など気にせず、好きな様に!」
(始まった。ゴミがどれだけ減るのか見ものだな〜。こっちに来たら殺すけど。当たり前でしょ?使えない物はすぐに捨てるのと同じように)
「ギャハハハハハハッ!良いぞぉ、もっと、もっとだ。オレに悲鳴を聞かせてくれぇっ!」
「ちょっとこれまずいんじゃ。早く助けに行かないと」
「ダ〜メ♪」
ルイを気絶させる。そしてルイを担ぎ空中を歩きながら眺める。下には追う者や逃げ惑う者、抗おうとする者、抗ったが敵わず倒れ伏す者。多種多様な行動を眺めながらルイを浮かせ下に降りる。
「誰だっ!」
「やぁ、サイクス」
「なんだお前か。それよりもルイは?」
「どこかで戦ってるんじゃない?それよりも手伝おうか?」
首を傾げさせ聞く。
「答えは必要か?」
「ははっ、それもそうか。虚月出番だよ。さぁ、楽しませてよね」
地面を蹴り勢いをつけゴミ共を捻り潰していく。ご都合主義のパワーで汚れることは無く存分に殺しまくる。周りはその光景を見て立ち止まる。動いたら殺されると錯覚したからだ。
何故、自分で頼んだのに止めようとするのか。答えは簡単、ただ暇だから。そう、暇すぎると言う理由だけで魔族も人族も巻き込まれたのだ。
「お、お前はどっちの味方なんだ!」
「強いて言うなら[愉悦]の味方」
さっきまで喋っていた魔族を殺し人間もろとも[虚数空間]に落とし殺す。
「おい!人を巻き込むな!!」
「煩いな。僕のやり方があるんだから黙って見ててよ。[蹂躙する愚者]、魔族を蹂躙してきて。人を巻き込んでも良いから」
カナリアの影から形状し難い何かが現れた。そして、人、竜、狼等、形をとり各々役目を果たしに行った。
「俺も巻き込むのかよ!?」
「避ければ良いんだよ。と、いうわけだ愉しまなくちゃ…はぁ、時間切れ」
ルイが降りてきた。第一声が
「もう嫌だ。カナ、僕の言いたい事分かるよね?」
「乗ってあげよう」
カナリアが光の粒子になりルイの中に入る。そして
「停滞領域」
学園だけが停まった。カナリアはルイと別々になった訳ではなく創った肉体に憑依してる状態だった。ルイの中に戻ることでルイとカナリア、両方の力を使えるようになった。
《今回は特別サービスだよ》
「カナってばどうしてこんな事をするのか。終わらそう。全てを無に帰し塵すらも残さずに消えろ[風星虚構斬]」
剣を振り下ろした瞬間、十字の斬撃が飛び目の前に居た魔族が消え、近くに居た魔族も消え、学園の中に居た魔族も消えた。人間最強とイカれた生物、両方の力を使った結果、ルイは意識を失った




