70話
「見てみて〜あそこに魔族が居る〜殺しに行かない?」(教室から見えてるの気付いてないじゃん。)
空中に居る魔族に指を刺し発言する。普通なら人カスを監視するとかはあり得ない。こんなゴミに時間を割くとか暇なんだろうな〜と考えながらルイの反応を待つ。
「なんで居るのかな?」
「視察じゃないのか?」
「なんでサイクスが居るの?僕呼んだ覚え無いんだけど」
「嫌な顔するなよ。それよりこいつの名前をどうするかだ」
視線を少女に向ける
「適当で良いでしょ」
「良くないよ。名前はね、死ぬまで付き合うものだよ」
「ここで死んだら名前の価値は無くなるくない?それぐらいの価値しか無いんだし適当で良いんだよ」
いちいち少女とか面倒くさいからやめて。こっちは呼称が無いと困るの。じゃあなんで今まで付けなかったのかって?そりゃあ、面倒くさかったからだよ。怠惰が1番。
「私は欲しい」
「じゃあ、1番でいい?呼びやすいでしょ?」
「カナは無視で良いよ。それでどんな名前にしようか。要望は〜無さそうだね」
「カーレンで良いじゃん」
「カナにしては良いんじゃない?それで良い?」
「お前に付けられるのは不服だがそれで良い」
「嫌われてるね〜。僕何にもしてないのに」
空中で寝転びぐるぐると回転しながら喋っていた。その光景は日常になっていて誰も気にしていなかった。ダラダラと雑談していたら空中に居た魔族が教室に入ってきた。
「動くな。動いた瞬間」
発言しようとした瞬間魔族の顔をカナリアが殴った。周りは固まった。理由は簡単、頑丈な魔族が殴られただけで死んだから。
「あらら、死んじゃった。あまり力を入れてないんだけど」
(おかしいな?ただ、[虚無]を全身に巡らせてみただけなのに。普通耐えられるでしょ?最近の魔族は脆いんだな〜)
「な、何をしたの?」
「知りたい?」
「知りたい」
「ステータスを超越した超常的な事」
「なるほど。神様パワーか」
その答えを聞いて指を鳴らしながら
「正解」
「納得できるの!?僕その答えだと納得出来ないんだけど」
「甘いね〜。ステータスの数値なんて重要では無い。重要なのは称号とスキル又は権能。僕が起こす人間離れした事や美徳系、大罪系保持者のイカれた力は数字では表せない。それが答え」
「なるほど?」
「噛み砕くと、数字そのものに意味は無いんだよ」
「そうなんだ。じゃあ、ステータスは何のためにあるの?」
「禁忌に近いけど知りたい?国ごとでは禁止されてる。それでも知りたい?」
「うん」
(はて、教えるのは良いけど・・・なんかな〜それは面白くないと言うかつまらないと言うか)
悩み続けた結果、教えるのをやめた。それを知ると貴族間にあるステータスの価値が変わりすぎるのを危惧したから。というのは建前でそう簡単に教えるのは面白くないだけ。




