69話
「なんでカナは虚しいって言いながら生きてるの？」
「そうだな〜。惰性で生きてるって言うのかな〜虚しいだけだと僕は自殺する。でも、僕は自殺しても死なない身体になった。だから、[愉悦]の神格を手に入れた。まあ、殲滅しやすくなるからってのもあるんだけど。知ってる？[虚無]という本当に何も無い、そこにあるのは漠然とした無。何も湧かない湧く気力も無くなる。苦しさも辛さも感じることなんて無いんだよ。人間がそれを認識したら発狂とかもせずに燃え尽きるよ」
「待って。なんで何も無いって言ってるのに認識できてるの？」
「[虚無]の神格と権能を持ってるんだよ？認識するなんて容易だよ」
「それ昔の話しでしょ？」
「この話しはお終い。で？僕と話したいことって何？最近は街を滅ぼしたりしてないけど」
「この四角い紙？みたいなのってどうやって使うの？」
「おや？まさかとは思うけど使おうとするの？」
ダミーのカードを指に挟みルイの目の前にちらつかせる
「念の為だよ。これの使い方を教えて」
「魔力を流すだけ。でも、代償は覚えてるよね？せっかく僕が使い難いようにしてあげてるんだよ。感謝してよね」
「出来ないね」
「好きにしなよ。後、面白いものを追加しているんだよ。試しに」
カナリアを中心に謎の波紋が出たと思ったら時間が止まった。
「面白いでしょ？停まった時間を認識し動く事ができるのは」
「不思議な感覚」
「ここで人を凍らせ砕くと」
「ダメだよ？」
「まあ、それはおまけだから」
「これどういう原理？」
「神様パワー」
「それで解決するのズルくない？」
「元からこれで解決できるよ」
（ご都合主義もあるけど、そんな事いちいち気にしても意味無いか。あはは）
「そっか〜。早くこれを解いてよ」
「はい。これで解いたよ」
「なんで武器を構えてるの？」
「こういう事！」
「ちょっ！何急に」
「え？どんな反応するのか知りたくて」
ルイが武器を手に取りながら
「怒るよ？」
「僕とやるの？脆弱な人間のくせに？」
「脅しだよ。反省するかもしれないって思ったけど相変わらずだね」
「反省？そんなのするとでも？」
「はぁ、なんとも言えない」
ルイが呆れながらそう呟く。それを見て
「あははっ、呆れてるの？」
「そうだよ。こっちは苦労してるっていうのに好き放題するもん」
「やめて欲しい？」
「うん」
「無理だよ♪期待してた？なら、残念だったね」
「はぁ」
（やっぱり人で遊ぶのは愉しいな〜）
ニヤニヤしながら次はどうするのかのを考えるカナリアであった。
