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愉悦と虚無の神  作者: ka
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68話

(現世に戻って来た。現世と言っても亜空間に行ってたから精密には違うかもね。そこの所は気にする必要ない。さて、あのカードを渡してからルイ君は凄い気分を落ち込んでる。何故かって?そりゃあ、赤の他人の命か仲間の命。どっちを取るか人間としては難しい選択を強いるんだから当たり前。笑えるよね〜赤の他人なんて死んでも困らないっていうのに)

「で、なんでルイ君は魔族との共存ができるって言ったの?」


「同じ人型なんだしできるんじゃない?って」


「無理だよ。お互い分かり合えないんだよ。人間と魔族、竜族やその他の生物はね、他の種族が虫に見えたり蟻と一緒としか考えないんだよ。それで共存?無理難題すぎる。神が人を助けても人間は神に感謝とかしないんだよ。だから僕は人を助けずに遊ぶし駒としか見ない。相手は壊れやすく量産できる玩具にすぎない。これで分かった?僕が人と分かり合えないのと同じで」


「そうかもしれないけど」


「違う。違うよ。お互い殺し殺されを繰り返し互いが互いを憎みあってるのを知らないから言えるんだよ。本当にくだらないよね。ゴミがゴミ捨てようとする。くくっ、本当に愚かでくだらないよね」

(その愚かさを見ているのが愉しくて1周回って愛おしく感じる。まあ、ゴミなのは事実)


「時間が経てば分かりあえるようになるよ。[慈悲]の名にかけて」


「ははっ、僕とも分かりあえるとでも?」


「できるよ。カナは優しいからね」


「どこを見て言ってるのやら。まあ良い。僕と分かりあえたら良いね」


「さっきからしんみりした雰囲気して話してんだ。お前等は明るい方が良いぞ」


「そんな事言っても虚しいだけさ。死んだら終わり。そう全ては虚しく空虚なんだよ」


「それ神格のせい?」


「そうかも。完全に制御出来てないからかな」


「そうか。なら、俺と殴り合いしようぜ。最近新しく手に入れたスキルを試したいしな」


「良いよ。圧倒的な力の差ってやつをその身体に刻み込んであげるよ」


2人は睨み合いカナリアが闘技場に転移させ、殴り合う。鋼の様に硬くした拳と破滅的なエネルギーを纏った拳をぶつけ合った。

「なんで耐えれてるの?人間のくせに」


「さて、新しいスキル、使うか。[忍耐]」


「もっと硬くなるなんて、ね。はぁ、嫌になるよ」


冷たい風が吹いた。周りが凍りつき吹雪が吹き荒れサイクスが雪に触れた瞬間

「アッツ!」


「面白いでしょ?雪に見えたでしょ?これ炎なんだよ。最近思いついた。さて、どうする?ここで持久戦か」


「これは・・・・無理だな。降参だ」


「諦めるんだ」

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