64話
「そういえば、カナは権能?とか言ってたけど、どうやって取り戻すの?」
「ルイ君は知らなかったね。前提を話そう。僕が持ってた権能は欠損してる状態なんだけどこれを再生するためにエネルギーを使うんだよ。そのエネルギーを殺したら手に入る経験値で再生しようって話。経験値を変換するのは」
「待って。話についていけない。欠損?権能ってスキルの上位互換?って言うんでしょ?それを欠損って…」
「大変なこと。まあ、それは置いておいて、変換したエネルギーで再生して肉体に馴染ませたらやっと使えるようになるの。馴染ませずに使うと権能が暴走し肉体が崩壊して残ったエネルギーが爆発して文明全てを破壊するの」
「最後!最後が一番ダメでしょ」
「文明を壊すだけだよ。全部。この世界をリセットするのと同じ」
「違うから!暴走って言ってたし」
「ははっ。面白いでしょ?僕を倒したせいで全部壊れる。くくっ、くくくっ、あははっ!全て僕を倒した奴が悪くなる。ここでやってみる?」
「やらないよ」
(ちぇ、つまんないの。このクソゲーシステムを使わない手はないよね)
「まあ、そう言うよね。これはクソみたいなゲームと一緒」
「ゲーム?」
(おや、ボードゲームとかあると思ったけど別の国か。しらけるね)
「いずれ分かるよ」
ヘラヘラと笑いどこかに歩いていった。その背中を見てルイは困惑した。急にどこかに行かれるから困惑するのは当たり前。カナリアはある町に来ていた
(ふ〜ん。ボロボロすぎるね)
「掃き溜めじゃん。な〜んだ暇つぶしにもならないじゃん」
「テ、テメエ!何しやがった」
「秘密〜。そ、れ、と、なんで抗うの?弱者は弱者らしくしなよ。ほら、そこに背屈場って地面とキスしなよ」
脚で頭を踏まれ地面とキスするモブ。脚を離すしてもその目には怒りがこもっていた。
「ねぇ、人の話聞いてなかった?弱者は弱者らしくしろって言ったよね?」
「殺す」
「黙れ。できもしないこと言うな、虫が」
「ガハァ」
「いい顔するね。その顔のまま死んでくれないかな?」
「誰が」
「[空虚な矛]」
空から大量の矛が降ってきた。街は壊滅し破壊の痕跡が残った。これで20個目?もういいや。数えるのが馬鹿らしい。
「はぁ、愉しめなかった。日に日につまらなくなってる。[愉悦]が機能してないのかな?まあ、いっか。[愉悦]はこの肉体では必需品だから何とかしないと」
([愉悦]の発動条件は自分が愉悦と感じるだけ。うん、簡単だ。人間で遊べば戻るでしょ。今は[虚無]が表に出てきてるだけだし)




