59話
「ねぇ、これ何?」
ルイがカナリアに紙を見せる。
「これ?僕では無いよ」
「ウソだよね。こんな事できるのはカナ以外居ないと思うしカナならあり得る」
「魔王って説は?確か今は1人だけらしいけど」
「それはない。僕も気になって調べてみたけど綺麗に無くすのはそれこそ神でしか出来ない」
「もしかして怒ってる?」
「そうだよ」
「あはは、はぁ、その通り僕だよ。腕試しにやっただけだから」
「なんでやったの?」
「さっき言ったじゃん」
「あれは建前でしょ?」
「正解。本当は暇つぶし。どんな風に死んだか聞きたい?」
悪びれもせずに笑みを浮かべながら話していた。それを見てルイが
「人の命をなんだと思ってるの?そんなくだらない理由で!」
「優しいね〜。そんなに怒る必要ある?どうせ他人じゃん」
「他人でも!」
「気にするほどの価値ある?そこら辺で死んでいるのを聞いて何か思うの?くだらない価値観で話さないでよ」
「カナ、外に出よう」
「良いね。丁度発散したかったんだ」
・・・・・
・・・・
・・・
闘技場に来た
「ここで良かったの?被害が出るけど?」
「ここしか無いでしょ。カナには少し痛い目にあってもらうよ」
「あは・・・・・あははっ!君が僕に痛い目寝言は寝て言いなよ。神の力の一片を見せてあげる、この[愉悦]と[虚数]の神のね!」
互いに武器を構えて戦闘に入った。ルイは炎と風を使い、カナリアは氷と雷を使い牽制し合っていた。
「あはは!人間なのによくやるよ!僕についてくる事なんて、ね」
「それで弱体化してるの?」
「取り戻しつつあるさ。こんな風にね」
[虚無]で矛を創り[虚数空間]から射出した。ルイは避けようとしたが腹にかすった。ルイは追撃させまいと風を自分の周りに出し護ったが風が霧散され氷柱を上から落とされた。
「痛てて」
「硬いね〜[空虚な矛]は避けられちゃったか。氷柱では大きな傷はつけれないな〜」
(厄介。まだ、[愉悦]の効果は使えないね)
「今度はこっちの番。退魔破砕拳!」
ルイがそう言うとカナリアに向けて掌底を打ち込んだ。
「っっ、はは、油断していたよ」
(痛いね〜痛覚を麻痺させて入るけど流石に退魔系は痛みが伴うか。ここで大きく動くのも〜ありだね。やろうか)
カナリアが[虚数空間]の入り口を出し大量の魔法を入り口に向けて打ち込み、ルイの後ろに出口を出し魔法を直に当てた。
「油断してた?」
「そうだね」
見たこと無い事されて対策しろとか無理でしょ。常識を逸脱した存在と戦うのはキツイね。
(魔力を使いすぎたか?まあ、いいや。どうせ回復が間に合うんだし。さて、ここをどうするか、だ。ここで勝っても無意味・・・なら、楽しもうか)
「[虚構の鎖鎌]。さぁルイ君。僕を楽しませてね?」




