56話
(季節は夏。ということは無く、僕は今森に来ております。経緯を話そう。そう、あれは516万…いや、10分前だったかも。どっちでも良いか、なんか魔物を狩る練習という事で森に行くことになったんだよ。それで、この美少女でもある僕が周りへの警戒とかを担当しながら森を歩いてる現状)
「暇〜退屈〜この森壊したい〜なんなら全部壊して新しく創りたい〜その後にこの世界を壊したい〜破壊衝動が収まらない〜」
「冗談としては怖すぎるよ」
「出来てしまうのが良い味出してるでしょ?」
「反省をしなさい。ほら、ライが怯えちゃってるじゃん」
「そうよ。あんたの発言は危なすぎるのよ。殴り合い、破壊、殺人、こんなこと言われて怯えない奴は居ないわ」
「あはは、面白いこと言うね。僕の発言が危ない?本心でしか喋ってないさ」
「余計に危ないわよ!」
「サイクス〜、そんなこと言わずにのんびりと考えようよ〜」
一同は雑談しながら森を歩いていた。そこら辺の魔物はライとカナリアを視界に入れるだけで逃げていっていた。意志がある者は“何故あんな化け物がここに来てる!早く逃げなければ!”等など違う奴も居たけど大体の者はこれだった。
「お!早速良いものが来たよ。ほら、見てよ竜だよ。ライの同族。こいつ長く生きてる竜だから強いと思うよ」
「逃げるべきだと思うんだけど」
「やらないの?なら、僕がやるよ。覚悟しなよ?」
「ちょ、ちょっとお待ちくだされ」
「敵の言うことは信じないのが鉄則。殺す」
「ちょっ!」
殴りかかろうとした瞬間
「ギャアッ!」
ライが止めに入った
「そこをどいてよ、そいつを殺せないじゃん。ほら早く」
「ギャウッ」
「え?話しを聞くだけでも良いんじゃない?って?甘ったるいこと言わないでよ。敵は殲滅するのが当たり前であって慈悲をかけることは禁忌そのものじゃん」
(これは僕が飽きるまでだけどね)
「そ、その話しても良いか?」
「無理。お前は殺すって決めたから殺す。こっちは退屈してたんだからちょっとは楽しませてよ?」
「ギャウギャウ」
「煩いな〜はぁ、話しぐらいなら聞いてあげるよ」
「ほ、本当か!」
「喜んでいないで早く言いなよ」
「わしはもうすぐ死ぬ。だからわしの力をお主に渡そうと思って」
「力ね〜」
(いずれルイ君と離れるからこれはありか。でもな〜他者の力なんて使いたく無いな〜。駄々をこねても意味無いし貰えるものは貰っておいても良いよね)
「良いよ。その提案受け入れてあげる」
「良かった。では、今すぐ」
竜の身体から光が出てきてカナリアの中に入っていった。左眼の瞳孔が縦長になり竜の力が肉体に馴染み自分の物に出来たことを確認した。ルイ達はその光景を見ていなかった。それを見ていれば脅威が増えた事を認知することができたというのに




