53話
「ねぇ、楽しかった?」
「黙れ」
「そんな怒らないでよ〜。それにしても弱かったね。そんなので僕に勝とうとしたの?本当に楽観的な考えだね。そんなんだから僕に」
「黙れ!」
「怖い怖い。こんな可愛い女の子を虐めるの?本当に酷い性格してるね〜」
「そこまでにして。ここどこか分かってる?王城だよ?」
「僕のことでしょ?頭悪いね〜僕が人間のルールに縛れるわけ無いのにね。本当に人間って浅はかな考えしかしないよね」
「ほら、周りに聞こえてるからもうちょっと静かに」
「あはは、馬鹿なの?周りに聞こえるようにしてるんだよ」
「静粛に!」
「煩いな〜そんなので静になるならもっと早く静かになってるよ。というか僕の事を下に見すぎ」
鎖に繋いでいたはずなのにいつの間にか外れその辺を歩きながら喋っていた。周りの人間はその異様な光景に目を見開き脅威であると認識し警戒心を高めていた
「まあまあ、王様もさ、そんなに警戒しないでよ。僕だってここで人を殺したくはないんだよ?だからさその武器を降ろして対等に話そうね」
「ちょっとカナ!ダメだよ。王様にそんな口の聞き方は」
「知ったこと無いよ。さて、王様?僕に何の要件かな?答え次第では」
その発言をした時
「もう聞いてられん!王よ、そんな奴今すぐにでも殺してしまいましょう!あまりにも危険すぎです!!」
と馬鹿なことをいう奴が出てきた。いや、元々馬鹿だったか。
「ふふっ、僕を殺す?無理な事は言わないほうが良いよ。ただでさえ、この色々と使えなくする鎖を外してるんだから。ほら、これに対応できてないんだから」
「う、うーっ!うー」
「何?何か言いたいことがあるの?う〜ん、聞こえないからよく分からないな〜」
「そこまでにしてくれるか?」
「止まるとでも?」
「貴様っ!王の前だぞ!口の」
「ねぇ、煩い」
「っ!」
「外野は黙ってて。で?王様、僕にどんな戯言を言うき?それ次第では〜」
「その力を我が国で」
「ねぇ、外野は黙っててって言ったよね?さっきの発言した奴僕の前に出てきなよ。僕の力をこの国の為?遊び道具に本気になるやつがどこに居るの?ねぇ、答えてみてよ。そこの宰相みたいなやつ?お前でしょ?ほら、何か言ってみなよ」
「お前は我が国のブヘッ」
「カナやめなって!流石に殴るのは」
「あははははっ!僕が何だって?僕ね、嫌いなことがあるの。1つ、心の底から愉しむことができないこと、1つ、お前等みたいな人間が僕を下に見る言動、1つ、虫が目の前で飛び交うこと。これの中でお前が言ったことは全部に当てはまる。これをふまえてしっかり話そうか」




