51話
「おや、起きましたか。では、行きましょうか」
「待て」
「何ですか?復讐は早いに越したことはありませんが」
「何故私を巻き込んだ」
「何を言っているのか。私が巻き込む?そんなわけ無いじゃないですか。確かに爆風に巻き込んでしまいましたが死んではいませんよね?なら大丈夫でしょう」
「私が聴きたいのは巻き込もうとしたのかだ。答えろ」
「そうだよ。巻き込もうとした。それで?これを聴いて何になるの?」
「何故巻き込んだ」
「長ったらしい復讐劇なんて見たくないから。くだらなくない?結局弱いのはお前じゃん。いくら頑張ろうと結局運と才能と根性でしか変えられないものがあるんだよ。家族に裏切られ、売られた。何でか分かる?お前が弱いからだよ。だからあそこで死んでくれればすぐにでも壊滅させるだけで済むしお前のペースに合わせる必要が無くなるしね」
悪びれもせずに笑いながら話していた。それを知った少女は頭の中に怒りが溢れていた。
「ほら、次に行くんでしょ?準備しなよ」
「もういい。私一人で行く」
「あっそ。好きにしなよ失敗しても知らないけどね」
「言っておけ」
馬鹿だな〜なんでそこまで固執するのやら。復讐なんてすぐに成功してしまう。その後をどうするか?僕はそこを考えられないから出来ないんだけどね。そこまでの執着無いし
「さて、こっちはこっちで進めるか。はぁ、若いって良いよね〜あんな風に行動ができる。まあ、年相応ではあるか」
・・・・・
・・・
・・
「お、お前は」
「何の騒ぎ…」
「見つけた。これまでの恨みをここで晴らさせてもらう」
「だ、誰か!こいつをギャァァァアアッ」
「私はあいつが居なくても」
「こ、この悪魔!」
「ガハッ」
「あははっ、無様だね?私が居なくても出来るんでしょ?ほら、やってみなよ。私は邪魔しないから。まさかとは思うけど手を貸せとは言わないよね?」
「お、お前は何者」
「う〜ん、何者、ね。私は何者なんだろうね?悪魔かもしれないしその逆かもしれない。結局人間は自分達に都合の良い解釈しかし無いからどうでもいいけど」
誰も動けない空気が出来ていた。急に現れたカナリアに対してこれまでに無い恐怖を抱き呼吸がまともにできなく成る程に。
「安心しなよ、死ぬ時は一瞬なんだから。で、も私が手を出したら面白くないでしょ?だ、か、ら〜このボタンを1人ずつに渡してあげる。これのどれかがこの爆弾が爆発するボタンだから頑張ってね」
う〜ん、[愉悦]が乗るとテンションが上がる。酔いが回ってる気分。酒飲んだこと無いけど
「俺が押す」カチッ
ドカァァァン
「綺麗だね〜爆発はいつ見ても良い。というか何で爆発するボタンが1つだけと思っていたのやら。浅はかだったな〜物語が全部ハッピーエンドではないのと同じなのに。僕の仕事は終わり。あいつが生きていても死んでいてももう知らな〜い」




