43話
「うわ〜、見事に荒らされてるね。あはは、人間の醜さがよくわかるね。これから一緒に滅ぼしに行かない?」
ルイが使っている机に落書き、ゴミ、焼かれた跡、等々、酷い有様だった。
「極論すぎるでしょ。と言うかカナのせいだからね?」
「そうだぞ。お前があんなことして無ければルイは困ってなかったぞ」
その通りである。死と絶望をルイの身体で撒き散らした事でこうなった。ちなみに、やったのはクラスメイトではない。つまり、ルイに嫉妬した馬鹿で愚劣な奴がやったんだ!そいつを殺せば万事解決。
「え〜、僕が悪いのかな?」
「悪いでしょ」
「悪いな」
「悪いわよ」
「全会一致マ?話を変えるけどルイ君はどうして欲しい?やった奴に報復?それともここに居る学生全員の死?僕に求めればやってあげるよ」
「周りに聞こえてるよ。ほら、怯えてるじゃん、それに僕は学生全員を殺してほしいわけではないしカナならやりかねないから求めないよ」
「ちぇ、面白くないな〜。それを後悔しないでね」
ふわふわと浮かびながら話す。そして天井に到達したが、なお浮かぼうとしてる事に誰も触れなかった。
「と言うかお前はなんで死んでないんだ?」
「死なんて僕にとっては状態の変化でしかないから。こうやって違う肉体になっている現状が答えだし、僕の中だと、死は終わりじゃなくて始まりだしね」
「よくわからん。もっとわかりやすく言ってくれ」
「幽霊みたいな物だよ。肉体に縛られない僕だからこそってやつ」
「自慢してないでこれを片付けるのを手伝ってよ」
「え〜嫌だな〜僕今そんな気分じゃないしな〜」
「早くやりなさいよ!」
「嫌だよ〜」
「届かねぇ」
「腕が短いんじゃないの?ほら、頑張って捕まえてみなよ。僕の気が変わってここが吹き飛ぶかもよ?」
「シャレにならねえ事を言うな」
「ははっ、ルイ君これ全部ゴミでしょ?僕が燃やしてあげるよ。ついでにサイクスも」
試しに口から炎を上に向かって出す。たまに火の粉が出る。なんで?
「それならお願いしようかな。サイクスは燃やさないでね」
「トカゲのくせに生意気な事言うなよ。あんなチビにできるわけないだろ」
ボソッと誰かが呟く。根暗なのか恐怖でそんな事しか呟けないのか。やっぱり人間は・・・・
「お?僕に喧嘩を売るのかい?そこの冴えない寝たふりをしている人間」
「何も言ってないし。勘違いすんなよ」
「ふ〜ん、そんなこと言うんだ。ゴミは高温消毒しないと、ね?」
(立場を分からせないと。これだから人間は嫌いなんだよ。)
「ここでやらないでよ。周りに迷惑でしょ?ほら、片付けないと」
「次言ったら朽ち果てるまで頭の中に叫び声を流し続けるからな」
「できるわけないだろ」
「言ったな?この際どうでもいいけど」
(ヤケクソでやってやるんだ。
お呪いをかけましょう。はい、終わり。これであいつは寝れなくなりいずれ死にま〜す。お疲れ様でした来世に期待してください。ま、僕はそんなに甘くないので記憶を保持したまま虫に転生させたかった)
「カナってたまに変な行動をとるよね」
「気分屋だから仕方ないね〜」
「やっと捕まえたぞ」
「それは偽物だよ〜。考えが浅はかなんじゃない?」
「こいつ」
「早く燃やしてよ」
「火力最大!万物全てを焼き」
「そんなこと言わなくてもできるでしょ」
「はいはい分かりましたよ」
そう言い、ゴミを焼き始めたのだった。




