38話
「これは網?こんなので僕が・・・・抜け出せないね。はて?なんでできないんだ?」
権能は使える。ま、こうすれば良いか。魔法で燃やして終わり
「逃げ出すのは知っていた。だが」
「お?」
なんで視界がブレてるんだ?そっか人間の身体だからだ。何か盛られていそうだけどあいつらの中で状態異常系は・・・・!
ルイの担任へ視線を向ける。生徒のスキルは把握していたが、担任は把握していなかった。慢心が仇となったのだ。
「気付いたようだな、そう、俺だ。何故俺がお前らにスキルを使っているところを見せなかったのか分かるよな?」
「こういう時のため、ね。やられたよ、まったくこんなことになるならしっかり調べておけばよかったよ」
ルイ君の担任は強いとは思っていたけどここまでとは。それにサイクスも居る、か〜、辛い人生だ。
「狂化剛拳」
「空気ぐらい読めよ」
攻撃を避けて顔面に一発、腹に回し蹴り、頭を掴み投げ飛ばし着地点に槍を置いたけど刺さらなかった
「助かったぜ」
「気にするな。それよりも痛むところはあるか?」
「無い。そっちは魔力は平気か?」
「自分の心配しろ」
「ねぇ?諦めてくれない?」
「無理だな、こっちはルイが目的だ。お前では無い」
「そうですか。僕の言葉は通じないわけね。はぁ、残念残念、こうなると殺すしか無くなっちゃうね。[遅延領域]」
[遅延領域]は周りの進む時間を遅らせる。この空間なら魔力消費を大幅に下げれるからこういう時にしか使い道は無い。原理はどうしたって?その場の時間を遅らせるだけさ。魔法っていうのはね、人知を超えてるから魔法なんだよ。これは違うけど
「ガハッ!」
「ウッ!」
「まだまだ〜!」
「チッ!」
「止まって!」
「そんなこと言っ」
動けなくなった。なんでだ?ルイ君は起きて無いはず。あ〜ね、そういうことか、忘れていたよ。ルイ君が少しだけ目を覚ましていたってことを。最悪、僕にはその効果を使わせないくせにこういう時には使う?人間のくせに?あ〜、あいつの言っていたことがよく分かるよ。こういう時は本能に任せよう。
カナリアの行動が変化する。加速したと思ったら急停止し、殴ったと思ったら吹き飛んでいたり。人の身体では出来ない行動を繰り返す。はたして、その行動に身体はついて行けるのか。
「がっ!」
(クソ!さっきより速くなって力も強くなっていやがる。こいつ!)
(そろそろヤバいか。俺たちでは手を打てなくなる。だがこのまま挑んでいても無理だな)
「撤退だ」
「それじゃあルイは!」
「今は生きることに集中しろ。流石にあんなになられた時点で撤退するべきだ。決断は早いほうが良い。転移」
行ったね。と言うか、転移を使えたんだ。ま、今回のでスキルは全部把握したから。
[過剰供給][確定状態異常][空間魔法]か!尖ってるね。
「ふぅ」
僕はその場に倒れ込んだ。いや〜、本能に任せたら骨を折るわ身体を無理に捻って内臓を傷つけるわで再生力を上げないと僕が負けるところだった。痛いな〜痛覚が無い頃は良かったね。はぁ、あいつらまた来るだろうし対策をしないとな。今は休んでおかないと治りきってないし




