30話
「ギャア」
「これほんとにドラゴン?トカゲじゃなくて?」
そこにはドラゴンと言うよりトカゲと言った方が良いほどの生物が居た。周りは困惑しルイはじっくり鑑定をしてカナリアは笑っていた。
ドラゴンもといトカゲは純白で、神々しく見え、神秘に包まれていた。今のカナリアとは正反対である。あいつ、私に向かって攻撃を仕掛けるわで、大変なんだよ。あいつ邪悪そのものでしょ。あ〜あ、なんでこんな風に作ったんだろう。
〈あはははは!ひー、腹痛い。ふぅ、これはあれだえ〜と、可愛いちびキャラってやつだよ。幼体とかじゃなくてご都合主義の範疇のそれ。この子も戦闘になれば普通に強いし有能ではあるけどこれだとトカゲだよ〉
「ドラゴンなんだけど、なんでこんなに小さいのか分からない」
本当になんでだろ。まあいっか。
「まあ、今回は私の勝ちだから」
「は?俺のグリフォンの方が強いだろ!」
「何よ!こっちの方が強いわよ!」
ぎゃあぎゃあ叫んでくだらない理由で言い争っているのも無視しカナリアと会話していた
これ、ほんとにドラゴン?
〈そうだよ。僕もなんでこんなになっているのか分からないよ。というわけでこの子は僕が育てます〉
急に何言ってるの?僕の召喚獣だよ?育てるのは僕だよ
〈え〜、それだと常識に囚われる平凡な生物になっちゃうよ。僕は頭がイカれてる素晴らしい生物にしたいから僕が育てる〉
変な風になるから駄目。この話はお終い
「そこ静かにしてよ。どっちが勝ってもいいじゃん。気にする必要ないでしょ」
「駄目よ!」
「お前は黙ってろ!」
「酷いな〜」
「ギャア?」
「こっちで見ていようね〜」
もう喧嘩に発展してるよ。武器も取り出しちゃって全く
〈止めようよ〜そうすれば両方殴れるよ〜〉
それ求めてないから。なんでそんな考えにたどり着くのか・・・思考回路が可笑しいでしょ。
〈え〜、面白く無いな〜〉
何求めてるのさ
〈強いて言うなら、愉悦かな?〉
「そこまでにしろ」
凄いね、2人を片手で止めたよ。どうやってやったんだろ?
(ふ〜ん、あの動きは凄かったけど止め方がな〜。続けてくれても良かったのにあ〜あ白けたよ僕はふて寝でもしよ)
「お前のせいで怒られたじゃねぇか」
「私が悪いって言いたいのかしら?」
「そう言ってんだよ」
「フン!」
怒っているが、第三者目線だと拗ねているようにしか見えない。
「こいつ性格悪いぞ」
「なっ、あんた私をバカにするつもり!?」
「そうだぞ。お前はバカだ、それもヤバいぐらいにな」
「殺すわよ?」
〈喧嘩だ!いいぞ〜もっとやれ〜腹にデカい風穴を開けてやれ〜その後に首だけにして蹴れ〜!〉
物騒だな〜。と言うかふて寝するんじゃなかったの?
〈よくよく考えたら僕寝る必要がなくて寝てなかったら眠り方を忘れちゃった〉
それ大丈夫なの?
〈平気平気。それよりもおい!!なにしてんだ!もっといけるだろ〜!〉
静かにしてよ。頭の中から声が聞こえてるんだから頭が痛くて。
〈え〜〉
「言い争わないでよ。耳が痛いからやめて」
「すまん」
「怒ってはないから」
「ほ〜ら怒られたじゃない」
「アンもだよ」
「私は関係ないじゃない!」
「ふっかけたのはアンだから謝りなさい」
「申し訳ないと思ってるわ」
「これで解決。はい帰るよ」




