110話
そういえば、5人の僕ってどうなったっけ?ま、気にしても意味はないか。爆破したところは覚えてるんだけどね。
さ、切り替えていこう。このゲームを終わらせる為に
「随分、派手な事してるね」
「気に入ってくれた?なんか飽きてきてね。終わらせる準備してるのさ」
ソファーに寝転がって話す。側には倶利伽羅が控えており、いつ、戦闘が起きても良いようになっている事が分かる。
殺風景な空間にまた、客が来る。
「おやおや、今日は来訪者が多いようだ。何かお望みかい?欲しいものがあるならあげるけど・・・・代価無しってわけでは無いからね」
「はっ、何言ってんだ。このゲームを終わらせる為に来たんだ」
「その終わらせるは僕を殺して?」
「愚問だな」
「そっか〜」
少し考える。どうせ終わるのに何故ここに来るのか、不思議だな〜、と。
犬死になのに、僕を殺す?空想論じゃないか、まあ、望んでいるなら叶えてしんぜよう。
「じゃあ、僕の敵ってわけだ。さよなら」
[虚構の鎖]に拘束され、倶利伽羅に身体を貫かれ、腹に銃弾を喰らわされて、「虚無」で殺された。
空間に来れたのは良かったが、時期を待てば良かったものの、カナリアに挑むという馬鹿な事をしなければ、もう少し生きていたのに。アホの子ってやつ
「ふぅ、魔王、お茶」
「私は君の召使いじゃないよ」
「え〜良いじゃん少しぐらい。ほら、子供のおねだりと思ってさ。ね、ほんの少しだから」
「そんなこと言ってもやりません〜。自分のことは自分でやってください〜」
「断られるのは知ってるし、期待してなかったけど、そんなに嫌なの?僕にお茶出すの」
「そんなこと置いておいてさ、何で終わらすの?結構、お気に入りそうに見えたけど」
「クソゲーなんだしお気に入りではないよ。そもそも、ゲームに目的はないからさ、戦争になれば良いな〜ってぐらい。享楽でやってるんだよ」
「快楽ね。君、人間が嫌いなのによくそれが言えるね」
「人間が嫌いなわけないじゃん。ただ、愚劣で無価値な存在なだけだよ。そこに居ても何も生まないのに、はぁ、つくづく嫌になるね。ま、遊び道具としては優秀だから」
「それを嫌いって言うんだよ」
あ〜あ、この関係も終わるんだよな〜。僕が齎す終焉によって。
ま、歴史が変わるだけだし、問題はないか。
「この話しはおしまい。僕はやる事があるから、もう行くね」
ソファーを[虚数空間]に収納し、空間から去る。倶利伽羅もそれについて行き、一人になる魔王。
殺風景な場所で何か呟いていた。