108話
「あ〜、愉しかった。あの中でこれも手に入ったし」
何故か「怠惰」を手に入れていたカナリア。作者も不思議で仕方ない。ゼウスが創ったステータスシステムでイレギュラーが起きたのか、カナリアが手を加えたのか。何も分からずじまいである。
へ?私ですか?いえ、別に何もやっていませんけど。無罪ですから!そんなやめっ。
作者、永遠に。さ、あと・・・何個だ?ま、いっか。
「さ〜て、ゲームの進行を早めようか。流石に飽きてきた」
カナリアの手から大量の糸が出現し、人間たちに刺さる。プレイヤーを避け、人型全員へと拡大する。倶利伽羅もそれを察知し動く準備を始める。一柱の神が齎すのは破滅への道だった。その道からの派生は存在するのか、楽しみに待つカナリアだった。
視点を変え、ルイへ
「お、おいこれはヤバくねぇか?俺たちじゃ」
「やるしかないでしょ。ここで止まっても相手は止まらないよ。それよりも、アンは?」
「怖くて逃げたんじゃねぇのか?」
さて、ルイたちは空が赤く染まり、自分たちが暮らしている国に大量の魔物が攻めて来ている。5人のカナリアはここでは爆発しなかった。
ま、カナリアからのプレゼントですね。いい趣味してるよ、本当に。
ゲームが始まってから一ヶ月ぐらいしか経っていない。そんな中でこれは初めての出来事だった。時たま、人間が自分たちを殺しにくるだけだったのだ。
魔物が来たせいでヒトカス達は大慌て、備えなんて無く蹂躙されるだけだった。
「3人じゃ、キツイね。この数でどこまで耐えれるかな?」
「全て殺せば解決だろ」
「ハァハァ、誰が逃げたって?」
ここまで来ると、アンの一人称が分からないんですよ。やっぱり歳ですかね。15歳なんですけど、え?自称だから無意味?まあ、認識は人次第なので。
そこには息切れしているアンがいた。汗をかいており、全力で走ってきたのが伺えた。
「生きてたのか。てっきり、「わ、私は怖いから逃げるわ!後は任せるわよ!!」って逃げたのかと、な」
その発言を聞きアンはサイクスの胸ぐらを掴み
「バカにするんじゃないわよ!!私だってやる時はやるのよ!?」
「それってやらない時が多い時に言うセリフなんじゃ・・・」
「何か言ったかしら」
アンがゴミを見るような目をしてルイに問いかける。ルイは自分の失言を謝罪し、目の前に集中する。
目の前には先ほどより数が増えたように見え、ゲンナリするルイ。数で負けている現状に嫌気が差しているようだ。
「はぁ、やる気が失せるよ」
「やるしかないだろ。いくぞ!」
初っ端から[空間歪曲]を使い、5万から4万に減る。近くに人間が居なかったのが幸いしたが居たら、うわっ、そこに居たら汚れるから嫌だね。
カナリアの干渉はなく、順調に数が減っていく。このペースなら1時間で終わるが、容易に終わらせるほど甘くなく。
「ね、ねえ。気のせいだったら良いんだけど、数が増えてない?それにだんだん硬くなっているような」
「は?そんな事」
「いや、それは・・・・」
否定出来ないのだ。とっくに三十分経っているのに一向に減った気がせず、不安が募っていく。
この現象は世界各地で起こっており、龍族、狐族、ドワーフ、エルフ、そこら辺の村、魔族、地獄などで起こっており、ここで消耗させ?のがカナリアの目的だった。
そんな事を知るはずもなく、必死に足掻くのだった。
あははっ!無意味なのによくやるよね。僕を止めれなかったのにさ