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愉悦と虚無の神  作者: ka
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105話

ルイの視点です。


「はあっ!」


「動きに無駄が多いぞ!そんなんじゃ、あいつに勝てねぇぞ!!世界を救うんだろ!?なら、俺に勝てねぇとできるわけねえぞ!」


殴り合う。カナリアに勝つ為に。だが、それは無意味だ。

カナリアの前では結果が過程になってしまう。行き着く先が180°変えるのがカナリアなのだから。


「そんな事分かってるよ!!」


ひたすら殴り合う。時間を忘れ、がむしゃらに。これに意味があるのか、と聞かれればこう答えよう。小さいがある。筋力の増加や耐久力、持久力の上昇、がある。何度も何度も繰り返せば世界最強も視野に入るぐらいに。

ほろ、よくあるでしょ?壊せば強くなるって、それと同じ。魔力だって無くせば増える。チリツモってやつさ。

8時間後


「はぁはぁ、はぁはぁ・・・・やっぱり強いね。僕なんてまだまだ、だって事か。世界は広いんだね」


「いや、お前こそ強いだろ。俺はスキルを使っているのに、全然ぶっ倒れねえじゃん」


「カナの補正が乗ってるからね」


「なんだそりゃ」


「前にねカナが言ってたんだよ。補正が乗っているからルイ君は強くなるよって。あれ?違ったかも」


「補正が乗ってるからと言っても、それはお前の力には変わらない。そうだろ?」


そう言うがルイは自分の力で強くなりたいと思っている。それは傲慢な考えだ。たかが人間にそんな事できるわけ無いのだ。ステータスは神によって創られたシステムであり、それに縛られる。ステータスから逸脱すれば、カナリアに勝てるようになる。


「そうだけど…自分の力で勝ってこそじゃない?僕は少なくともそう思うよ」


「考え方の違いじゃないか?俺から見ればお前の力だ。あいつの力だとしても、だ。道具は使い方次第だろ?」


「そうなんだけど、ね。なかなか割り切れないんだよ。サイクスはさ、悪魔に無償で力をくれるなら貰う?」


「貰うな。力はあるに越したことはない」


「この場合はさ、任意でしょ?」


「そうだな」


「僕の場合は強制なんだよ。勝手に力を入れられて死ぬまでそれに付き合う。捨てることなんてできないし、この現状、カナからもらったって言えば人からは非難され、迫害される。家族も友人も、だ。これで割り切ることなんてできな」


空が赤くなる。破滅の始まりか、新たなゲームの始まりか。それとも、カナリアのお遊びか。言える事は作者のシナリオからはハズレている。人形に自我が芽生え、思い通りの展開から外れていく。そんな展開を楽しんでいる作者なのだった。


「カナ・・・・か。今度は何するつもりなんだろう」


「何だって良いだろ。こっちに来たら殺す。それだけだ」

やる気の目をしていた。

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