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挟み撃ちて有名だけど、誰の発案か聞いたことないよ!

銃声が轟き、闇の深淵を走る雷獣の心臓は激しく打つ。

イズナの姿を追い、絶望の中を必死に突き進むしかない。

後ろから迫るロボットの足音は、亡者の咆哮のように地獄から追い立てる音楽だ。


その足音の轟音から察するに、少なくとも十体以上のロボットが迫り来ていることが明らか。

通路の果てがどこにあるのか、雷獣には手探りの闇しかない。

今や雷獣は、イズナの影を追い、未知の運命に身を任せるしかなかった。

不安が頭をよぎった瞬間、後方からの銃声が轟き渡る。

ロボットたちが一斉に射撃を開始した。


雷獣は不思議に感じた。

ロボットたちの銃弾は、雷獣たちの足元や壁に当たっていた。

先ほどのような正確さを欠いている...

まるで、あえて彼らを追い詰める戦術をとっているかのような。

彼らを撃つのではなく、むしろ彼らを誘導している意図があるかのようだ。


「このまま進んで大丈夫か?」雷獣は、イズナの背後から不安げに質問した。

イズナは息を切らせつつも、自信に満ちた声で応える。

「心配するな、任せろ!」その声には、確固たる決意と自信が宿っていた。


次の瞬間、雷獣は息を呑んだ。

白いロボットたちが潜水艦の前方に姿を現した。

彼らは雷獣たちを挟み撃ちにしようとしている。

これは人間の狩り人たちが好む戦術。

「くそっ!挟み撃ちだ!」雷獣は叫んぶ。

雷獣の声には狩られる焦りと恐怖が交錯している。

敵の追跡は過酷だ。

そのとき、イズナは静かに言った。

「ここだ。」


イズナは雷獣の腕を引き、数メートル上の場所を指し示した。

そこは潜水艦下部にある魚雷発射管。

作業中のためか、わずかに隙間がある。

イズナと雷獣なら通り抜けられるかもしれない。

しかし、後鬼はどうだろうか?

「大丈夫よ!」後鬼は、その心配を感じ取ったのか、すぐに答えた。

後鬼は、イズナと雷獣に笑顔を見せた。

その笑顔には絶望の兆候はない。

「心配無用!」後鬼は言い終えると、印を組み、呪文を唱えた。

すると、後鬼の2メートルを超える巨大な体が蛇のように細くなり、しなやかに伸びていく。

「さすがだね。」イズナがつぶやいた。

「さあ、急いであそこへ行こう!」後鬼は、隙間のある魚雷発射管に向かって進んだ。

雷獣とイズナも、即座に後鬼に続く。


後方のロボットたちが一斉に銃を撃ち始めた。

今度は、的確に狙いを定めてきている。

飛び交う弾丸の音が耳に突き刺さる。

あの隙間まで、あと少し...

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