ターミネーター観たことある?あんなのが来たら絶対無理!!!
雷獣は突然の銃撃に襲われた。
反射的に身をかがめて、頭上を飛び交う銃弾から逃れようとする。
銃声と金属の衝突音が耳をつんざく。
後鬼は素早く床に倒れている死体を数体を盾に、自分の身を守るために使った。
銃弾の雨が雷獣たちの周りの床を打ち抜き、暗闇の中で火花を散らす。
後鬼の盾になった死体はすでに死んでいるというのに、さらにひどく引き裂かれていく。
血と肉片が飛び散る。
もう、盾としての役目はしない。
花火の光のおかげで雷獣は周囲を見渡せる時がある。
一瞬だが、雷獣の視界にやや大きな穴が見えた。
それは床に開けられた穴だった。
そこに入れば、一時的にでも安全になれるかもしれない。
「あそこだ!穴がある。そこに入れ!」
雷獣は稲妻のような速さで後鬼にタックルして穴に飛び込んだ。
イズナは視界に入らなかった。
その直後、穴の縁に無数の銃弾が命中。
穴の中は血の匂いと煙で満ちている。
雷獣は後鬼の顔を見た。
後鬼はまだ生きている。
後鬼は苦しそうに息を吐く。
雷獣たちが穴に堕ちる様子を、ロボットたちは冷酷な観察者として静かに見つめている。
これまでの闘争のデータは、彼らのセンサーとプロセッサーで高速かつ冷静に解析されていた。
雷獣たちの超人的な反応速度、後鬼の圧倒的な力、そして彼らの状況判断能力、すべてが冷酷な計測の対象となる。
彼らはこれらの情報から学び取る速さは、まさに恐ろしいものだ。
そして、わずか30秒でその分析が終了した。
穴の中に潜む雷獣たちを排除するため、冷酷な計算と非情な効率性をもって、行動を開始する。
雷獣たちは穴の底に向かって落下した。
雷獣は死を覚悟した。
その時、「こっちだ!」という声が聞こえる。
イズナの声だ。
「イズナ!生きていたのか!」雷獣は驚いて叫ぶ。
「話している暇はない!さあ、早く来るんだ!」イズナは走り出しながら言った。
とにかく雷獣と後鬼はイズナの後を追う。
穴は潜水艦の真下まで伸びていようだ。
穴と思っていたものは潜水艦の下に通じる通路になっている。
おかげで穴の底で銃弾を浴びることは免れた。
しかし、それも時間の問題かもしれない。
ロボットたちはすぐに気づいて追ってくるだろう。
後鬼は前鬼からの念を感じた。
それは恐怖と苦痛に満ちた念だった。
「くそっ!こいつら何者だよ。」前鬼の声が後鬼の頭に響く。
それは絶望的な叫びだった。
「大丈夫!?こっちはからくり人形どもに襲われてるのよ。助けて!」後鬼は念で返す。
後鬼は必死になって前鬼に呼びかけた。
「無理だ!こっちは天狗みたいな奴らだ。でも・・・だめだ、攻撃が激しすぎる。術が一つも効かないんだ!まずいぞ・・・やめろ!やめてくれああああ・・・」前鬼からの念が途切れる。
それは氷のように冷たい念だった。
「前鬼!!」後鬼が叫んだ。
後鬼は前鬼が死んだことを確信した。
前鬼は殺されたのではなかった。
彼は消されたのだ。
彼は一片のかけらも残らず、ちりじりに粉砕されてこの世から消え去った。
その瞬間を忘れられない。
その恐怖を。
後鬼は恐怖と怒りに震える。
背後からドン・ドンと重い物体が落ちてくる音がした。
来た!