表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

今の時代、電子機器が使えなくなったらどうなるのさ!目覚ましすら鳴らなくなるよ!

「ぐぬぬ、何だこの重さは!?」

「体が動かんぞ!」

グエンの部隊は大混乱に陥っている。

グエンはスーツのスイッチを何度も叩いたが、無駄だった。

スーツはまるで死んだように反応しない。

周囲を見回すと、部下たちも同じ目に遭っている。

ロボット兵たちも動きが止まっている。

ロボット達の仕業ではないらしい。


グエンは、この任務に出る前に、新型の戦闘スーツを研究開発チームから渡された。

このスーツはAIが操る最新鋭のもので、あらゆる機能を備えていた。

体の動きを補助、敵から姿を隠し、攻撃を支援、敵の動きを予測、攻撃を防御、周囲の状況を探知、視界を広げる、仲間と連絡を取るなど。

これらの機能があれば、どんな敵でも倒せると思っていた。

常に装備をアップデートすることで賞金稼ぎとしての実績も上がり、賞金稼ぎランキングも上位に食い込んだ。


しかし、今やそのスーツはただの重荷になってしまった。

対物電電磁波兵器。

これは、電子子機器をを破壊するための兵器である。

前回のG国で、この兵器を使ってかなり苦戦した。

だから今回のスーツは、その対策がされていると聞いていたが。

やはり、、研究開発チームのメンバーも作戦に参加させるべきだな。

グエンはそう思った。


現場は、研究開発室内では想像もできない事態が起こる。

それをデータでなく、実際に体感することは大切だ。

もちろん、部隊メンバーもも研究室に行くことが必要。

研究開発チームの苦労を知る必要がある。

研究開発の会議にもどんどん参加するべきでもある。

これがグエンの考える理想の組組織だ。


実際は、部隊メンバーと研究開発チームには大きな壁がある。

グエンはこの壁を壊すべく、率先してて研究開発室に出入りしていた。

また、会議にも積極的に顔を出している。

研究開発チームの話を少しでも理解するため、あれほどど嫌っていた数学や化学を独学で勉強し始めていた。

全ては生まれ変わるY国のため。。。。


「これは複合型対物電磁波兵器だ・・・」

グエンは冷静に分析した。

この兵器は電子機器にダメージを与える。

だからスーツもロボットも動かなくなったのだ。

この兵器を発射したのは誰だ?

敵の擁壁の向こうにいる者たちではない。

彼らは自分たちも被害を受けるはずだ。

では・・・目の前にある潜水艦か?

「誰が操っているんだ?」

グエンはその疑問を追ったが、答えは見つからなかった。

そして、次の攻撃に備えるべく、スーツを脱ぎ捨てて銃を手に取った。

グエンは聞いた。

潜水艦の魚雷発射口が開く音を。


潜水艦の中では、男が楽しげに鼻歌を歌っていた。

彼は素早く操縦席に座り、魚雷発射の最終確認を行う。

すると、潜水艦の下から金属音が響いてくる。

「攻撃って、どこを?」

イズナは男に不審げに訊ねた。

雷獣たちは、男の動きに違和感を覚えていた。

男は潜水艦の操縦席に座り、操作盤に手を伸ばしている。

何をしようとしているのだろうか?

「おそらく、大きな飛び道具を使うつもりだね。」

後鬼が言った。

後鬼は必死で操作盤と男の思念を読み取ろうとしていた。

しかし、男の思念は混沌としていて、はっきりとした意図が掴めない。

「飛び道具って・・・」

イズナが言いかけたところで、

「皆さん、しっかりとつかまってくださいね。」

男がにこやかに言う。

そして、赤いボタンを次々と押していく。

満面の笑みで。

魚雷発射ボタンを。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ