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月からの使者  作者: よみ はじめ
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月の謎

煌々と輝く月にボンヤリと視線を向けながら佇んでいた。

今宵はやけに月が綺麗だ。夜の帳が降りて辺りが暗くなる頃だが、今日はやけにあたりが明るい、上空にまん丸い金色に輝く月があるせいだ。7月の中を過ぎて夜でもパンツ一丁でベランダに出ていてもまるで寒くは無い。たった今風呂から上がったばかりということもあるが、穏やかに吹く風がとても心地よく感じる。

今日の夜空は透き通り、星の数も無数に見えるがそれでもこの満月には霞んでしまう。

月はとても不思議な天体であり、その特殊な環境から色々なトンデモ説が流れていたりもする。

日食や月食が、おこるには月の直径が丁度地球の4分の1で、太陽の400分の1であるからだ、さらに有史以来表しか見せず一度もその裏側を見せることはない、一説によると月の大きさは地球の大きさに対してとても大き過ぎるらしい、惑星と衛星の比率でいくとこんなに大きな衛星を抱えているのは地球だけなのだとか、、、

 

そんなことをぼんやりと考えていると、ベランダに繋がるドアが開いた、

「何をぼんやりと黄昏てるの?」

振り向くとそこにはバスローブを纏った明里がいた。

「うん、別になんも考えて無かったかな。ただ月があんまり綺麗だったからね。」

俺は風呂から上がったばかりでしっとりと上気した顔を向けている明里をみて答えた。


ここはとある田舎の一軒家、さほど大きくは無いが2階建ての5LDK、俺達がいるベランダはその家の2階にある。

幅も奥行きも広く作られたそのベランダは南南西に面していて5mの幅に出出しが3mという広いものだ。真ん中に小さなテーブルと椅子があり休日はよくここで外の景色を見ながらコーヒーを飲む、明るい時なら目の前はぐんと開けて、遠くに山並みを望む。ベランダ側には庭を挟んで小さな川が流れ、その向こうは落葉樹の林が続きその向こうに大山がある。本当にいい所だ、俺はここが大のお気に入りだった。


「ねえ月雄、ところで明日はどっか行かない。最近二人とも仕事であんまり遊んで無いじゃない、たまにはゆっくりドライブでもいいと思うんだけど、」

風呂上がりでまだ濡れた長い髪をバスタオルで拭きながら明里がいう。

「ああ、、確かになあ、そうだな思い切ってロングドライブと洒落込むか」

俺はそう言って近づくと湯上がりのいい香りがする明里を抱き寄せた。清潔感の漂う石鹸の香りは俺の鼻腔をくすぐる。俺たちが付き合いはじめてもう一年になる。その間お互いが仕事におわれていたこともあり、最近は週1で会うのがやっとという有様だ、明日からお互い一週間の有給を取り合っている。

久しぶりに羽目を外して楽しく過ごそう。

「うれしい、、、」

明里の美しいが可愛い顔付きの唇がおれの唇を塞ぐ、自然にお互いがお互いを求め合った。

眩い月明かりの下で二人寄り添う、


甘く密度の高い時間が過ぎ去りベランダのそばに出入り口を兼ねた透明な二枚ドアを挟んでいる部屋の中、ベッドの隣に明里が気持ち良さそうに眠っていた。いつしか微睡みの中で深い眠りについていたようだ。西の山並みに隠れようとしている月があたりをまだうっすらと照らしている。

なんだか酷く喉が乾いたなあ、そう思いながら明里を起こさないように気を使いながら、俺はベッドをするりと抜け出した。


「何しているの?」

明里がそう言った。

「すまない、起こしちゃったかな?」


どうやら明里も目を覚ましてしまったようだ。

「月がまだ西の空に見えるよ、、今何時かな?」

「うーん、、、   3時過ぎみたいだね」

俺の質問に明里が眠そうな声で答えた。


「喉が乾かないか?」

「うん、なんかカラカラ、、」


結構汗をかいたからな。俺は昨日というかさっきというか、二人のひと時を思い出しながら、ニンマリとしていた。

「なんか、エッチなことを考えてない?」

「え、、そ、そんなことないよ、」

俺は明里の言葉を、あたふたとしながら訂正した。

まあ、昨日は久しぶりに燃えまくったからなあ、、、

やっぱり頬が緩む。

「やっぱり、、本当にエッチなんだから、、」

はにかみながら、布団から顔だけ出してあかりが呟いた。


それにしても、喉が乾いた。俺は部屋の隅にある小さな冷蔵庫から、コーラを出すと、栓を開けた。

「コーラでいいか?」

「うん、、」

明里の了承を得ると、ガラスのコップを二つ取り出し、コーラをなみなみと注いだ。


「そんなに飲めないでしょ」

そう言いながらいつの間にか明里が俺のそばまで寄ってくる。

なんだ、まだ裸じゃないか、

明里の姿は月明かりに照らされ、やけに妖艶に見えた。

俺は目のやり場に困りながらもコップを差し出す。

「ありがと」

そう言いながら、俺の差し出したコップを明里は受け取った。

二人で外の景色を見ながらコーラを飲む、

寝間着がわりのバスローブを羽織ると、透明な二枚引き戸を開けて二人は夜のベランダに歩み出た。手摺の向こうに暗く月明かりの風景が広がる。

辺りはまだ暗く薄っすらと見える山並みの上にキラキラと星が輝いていた。

周りの山並みから一際高く抜け出した山がある、俺たちの目線からいくと右斜めに見えるのが大山だ。

その大山のすぐ上に煌々と満月が瞬いている。

明日、いや今日はとても天気がいいだろう。多分雲ひとつない、いい天気になる、

さてさて、今日は何処に行こうか、、、、

そう思った時だった、大山の上にある月から強烈な光が発せられた。その光はほんの一瞬だがあたりを真昼のように照らし、そしてまた元の夜、静寂に戻った。


何があった?

「何!あれ!」

明里が叫んだ。

「今、月が、月がえらく、とんでもなく光ったよな!」

俺も明かりにそう言った。


二人が見たあの光は一体なんだったのか、しかしその後辺りに何一つ変化はなく、そして徐々に月は大山の中に沈み込んで言った。 

俺と明里は興奮冷めやらぬと言った感じで、結局あれはなんだったのかと、二人で何やらあられもない創造を話し合いながら、朝までずっと眠れなかった。


結局、朝になり、テレビをつけて見たが昨日の満月に起こったことは何ひとつ報道されることもなく、俺とあかりの中でも、結局何かの見間違いか、勘違いだったのではないかと、言うことになり、そして、


朝食を済ませた俺たち二人は今日の予定を昨日の月が光ったその下である大山に向かうことにした。やはりどう考えても、あれがただの見間違いとは思えない、それに一瞬だが俺には月の下の方から大山の方に光の矢が走り、大山の麓に突き刺さった様に見えたのだ。そしてそれは俺と同じく明里にも見えていたようだ。


「ねえ、絶対何かあるよね!あんな凄い光が、、誰も見ていないなんて、それにあれ、何か大山の麓に落ちなかった?」


「ああ、、俺も見ていたさ、月から何か発射されたみたいな」

明里が興奮気味に言うのを、俺は少し冷静を装った調子で受け答えた。

15年式のグレーのミニクーパーのハンドルを操りながら山陰道を西に走らせる。

もうすぐ米子東インターを左折すると米子大山線へと抜ける。俺はウインカーを左に上げるとインターを降りていった。インターから降りてすぐまた左にウインカーを出し淀江岸本線に乗る、少し走って左に曲がると米子大山線でそのまま走ると大山寺へと直行する。


「とりあえず、大山寺まで行ってみるか」


「うん、いいと思うよ、久しぶりだし、それに大山寺なら何か知ってる人とかいるんじゃないかしら」


「そうだな、でも本当に不思議だよな、まさかあの光を見たのが俺たちだけだったなんてことはあるはずもないしな」

大山道はだんだんと坂の勾配をきつくしていく。1600CCのミニクーパーSはスーパーチャージャーがついてるため、大気の少ない登りも物ともせずに駆け上がって行く。それでもだんだんと速度が落ちていく、6速ミッションのミニSのシフトを5速に落とす、回転を与えられて少しばかり元気になったエンジンも槇原を過ぎたあたりからさらに4速に落とさねばならなかった。


大山寺は西の名峰大山の一番の観光名所だ。7月ともなれば此処に涼を求めて遊びに来る観光客も多い。大山寺の入り口手前にある広い駐車場にクーパーを止めると、俺たちは大山寺の表参道沿いの古びた商店街へ向かった。昔はとても賑やかだった表通りはすっかりしなびてしまい、今はどちらかというと大山寺に向かう中道、御幸参道の左右にある小さなショップのような店の方が元気だ。


俺がキョロキョロとしながら歩いていると参道の右手に行く道がある辺りに一際目を引く美しい女性がこちらを見ていた。艶々とした肩のあたりまで伸びた髪、濃い青系のスーツを着こなす抜群のプロポーション、身長は160CMくらいか。 

気のせいだろう、見たこともないそんな綺麗な人が俺のことなど気にする訳も無い。俺はあまり目を向けないようにしながらもどうしても目を吸いつけられてしまっていた。俺の左側を歩いていた明里がそんな俺に気がついたようで、思いっきり左手をつねられた。


「いてっ!」


「何見てんの!」


「いやあ、、、その、気のせいだよ、、あ、あは」

俺と明里がそんなやりとりをしていると、なぜかその美しい女性はこちらに近ずいて来た。


「あ、あの もしかして月雄様ですか?」


「へ?」


何があった?どうしてこの女性は、俺のことを知っている?

隣で、明里の視線が強烈に突き刺さった。


「誰!この人」

明里が般若の形相で俺に聞く!


「そ、そんなにすごい顔をしなくても、、全然知らない人だよ。」

俺は明里に自分の無実を告げようとした。


「あ、あの、すみません、隣のあなたは明里様ですよね」


「へ?」

その女性に問いかけられた明里は俺と同じように間の抜けた返事をした。


「申し訳ありません突然驚かれたでしょう、私は御城ユリカと申します。お二人をお待ちしておりました」


何か全く理解もできないまま、俺たち二人はしばらくぼーっと立ち尽くしていた。

突然二人の前に現れた絶世の美女、明里もどちらかといえば人目をひくかなりの美人だと思うが、この御城ユリカという女性はその次元を超えているように見えた。そしてその美しい女性が俺たちの名前まで知っていて俺たちのことを待っていたと、、一体どういうことなのだろうか?


「あ、あの一体どういうことでしょうか?」


「そうですね、驚かれるのも無理はありません、とりあえずここではなんですのでこちらへきていただけますか?」

そう言って御城ユリカと名乗る女性は俺たちを人通りの少ない方へと連れて行った。参道を外れると静かな誰も通っていない道があった。


「ここらあたりでいいでしょう、では、月雄様、明里様少し目を閉じていただけますか?」

彼女のいう通りに目を閉じる、すると


「インセプト!」

という声が聞こえたと思ったら、急に強烈なキーンという耳鳴りに襲われた。


「・?」

「・?」

俺も明里も耳を抑えていた。

耳鳴りは5秒ほど続き突然収まった。


「もう目を開けて下さって結構です」

彼女の声に俺たちは耳を抑えたまま目を開けた。

俺たちの目の前には、落葉樹の林が広がり、その中に丸いカプセル型の大きな物体があった。大きさは直径が4Mくらいだろうか。


「ここは?」


「ここは大山の中腹で一番人目に付かない場所です」


「どうぞお乗りください。」

彼女がそういうとカプセルの一部が縦長の長方形に開いた。どう見ても入り口だろう。

最初に彼女が中に入り、俺たちはその後に続いた。


「これは?」


「これはアストロクイーン、月までの往復用の小型宇宙艇です」


「宇宙艇って?」


「かつてはカグヤという女性が地球に降り立ったのと同じものです。別にどうということはありませんので、そこの椅子におすわりください」


「どうということは無いって、、、、、、、、、」

それ以上言葉が出なかったので、俺たちは、とりあえず彼女のいうままにそばの椅子に腰掛けた。

宇宙艇という乗り物の中は、ほとんど何も無く壁は淡い薄緑にほんのりと輝いていた。

「それでは、出発しますね」

彼女はそう言うと、『月まで、座標は164-228』といったようだった。

ブンン、、、、、、、、、、、ン

微かな唸りは、本当は音では無かったかもしれない。ただ俺たちには、それは音のような感じがしたのだ。


「着きました。ここが目的地です」

時間にしてほんの30秒くらいだったと思う、

宇宙艇から外に出た俺たちの前にあったのは、あたり一面に広がった森だった。


「ここは?」

俺はとりあえず疑問としてここがどこなのか聞いた。というか、それしか言葉が出てこなかった。だってほんのさっきまで俺たちは大山寺の御幸参道の近くにいたんじゃなかったのか?

俺の目の前にあったのはただの森ではなかった。その森は俺がかつて見たこともない直径3メートルにも達する巨大な木がドカンドカンという感じでそびえ立ちその枝は左右に20Mはあろうかというくらいに広がっていたのだ。欅でもここまでは大きくならないはずだ、高さはどう見積もっても50Mは超えている。

それになんだか、空というものがなかった。というか、上空にまん丸いかすかに青く光る球体、そうまるで小さい太陽のようなものが浮いている。そして森は延々と向こうまで続いて見えるのだ、そしてその森の向こうには海なのだろうか?その海は俺の視線から上へ上へと続いている。そうまるで地平線らしきものはなくここは海も地面も上空へと繋がっているように見えた。


「一体ここは何なんですか?」


「驚かれましたか、ここは月です。そしてその内部です」


「、、、、、、、」

御城という女性の言葉は俺のさらに上をいく驚愕をもたらした。

ありえない、一体この人は何を言っているんだろう?月だって、しかもその内部って、、、、何を言ってるんだ、

俺の隣では明里が口をパクパクと開けては閉じを繰り返していた。明らかに思考がついて行っていない。そりゃそうだろう、どう考えたって月の内部って、、、まだ異世界に転移しましたって言われた方が納得できる。

子供のころから当たり前のように上空に浮かんでいる月、アポロ11号がその表面に降り立ったこともあり、本当に身近といえば身近だが一般人にとっては遥かなその存在は、どう考えてもこんな空気もあって、人が呼吸できて普通に住めるような、そんな場所であるはずがない。それに実際、人がいるかどうかはまだ知らないが、こうやって俺たちが来れるような場所ではないだろう。


「冗談ですよね。それで此処はどこなんです?」


「困りましたね、やはり中々信じていただけませんか?」

彼女はため息をつくようにそういうと、俺たちにわかりやすいよいうに説明してくれた。


「信じられないのは当然だと思います。それにいきなりあの場所から転移をした後、宇宙艇に乗ってほんの2分も経っておりませんからね、実感もわかないでしょう。ですがここは本当に月の内部なのです。月雄様の世界から見えている月は実はその内部に私たちが住んでいるのです。月は表面こそあのように凸凹とした劣悪な環境ですがその内部はこのようにとても穏やかで美しい世界となっております。上空に浮かぶ中心核が内部太陽でこの世界にエネルギーを与え、地球とほば同じ環境を保っているのです。

月雄様の住んでいる地球はその表面に人々が暮らしていますが、実は地球もこの月と同じように内部に空間があり、そこにも人が住み文明が栄えています。本来惑星というものは、その内部に大きい小さいの差はありますが、この月のように空洞が存在しているのです。今の地球ではまだこのことはほとんど知られていませんがいずれ全て明らかになる時が来るでしょう」


「いやいや、、、、何を言っているんですか、、てか,もしそれが事実だとして、あの一瞬で地球から月に来ることなんて常識的に考えられないでしょう」


「そうですね、やはり信じられないのも無理はありません。これは空間転移という科学的な方法です。私たちは、この空間転移によりほとんど一瞬でとても遠くまで移動ができます。そしてあのカプセル型の宇宙艇アストロクイーンは宇宙空間を一瞬で移動が出来るのです。

昨日の夜のお二人が見た光はこのアストロクイーンの空間転移によります。ただこの転移時の光は普通の人には見ることができません。お二人は特別なのですよ」


「特別?」

「特別って?」


「そう、特別です。それはおいおいに話していきますが、実はこの月はあと少しで未曾有の災害に巻き込まれるかもしれないのです。そして最悪この月が消滅することにもなりかねないのです。この月が消滅するということは、月雄様の住んでいる地球も恐らく多くの人々が犠牲に、、というより人類が滅びるという事になるでしょう」


なんて、壮大な、、、いや最悪な恐ろしいことをこのユリカという女性は言っているのだろう。えらい展開になってきた。いきなり月の危機、そして地球の危機ですか、あまりにも現実離れしているんですけど。


「ねえねえ、彼女はどこかおかしいのよね、何かの冗談を言っているんでしょ」

明里がそういうのも無理はなかった。本当にほんのさっきまで俺たちは久々の休日を楽しもうとしていただけなのだ。


「わかりました。とりあえずこれ以上何を言っても信じていただけないでしょうから、こちらへきていただけますか」

そして彼女は俺たちをある場所へと案内してくれた。


彼女が案内してくれた場所はアストロクイーンと呼ぶ宇宙艇の場所から100Mほど離れた場所にあった。目の前にある巨大な木の側を通り抜け少し歩くとそこにはドーム型の住居らしきものがあった。辺りにはあと3軒くらいの同じようなドームが建っている。


「どうぞお入りください」

そう言って彼女が玄関らしき場所のドアを開いた。ドアをくぐって中に入るとそこには中心に楕円形の大きなテーブルが置かれその周りに10脚くらいの椅子があり壁面には窓と何かスクリーンのようなものがあった。そしてテーブルの正面に椅子に腰掛けた2人の人物がいた。一人は白髪交じりの中年の男性が、そしてその隣には、ユリカと名乗る女性によく似たこれまた美しい女性がいた。


「お父様こちらが月雄様と明里様です」

彼女は部屋に入るなりそう言って俺たちを紹介してくれた。


「よくいらっしゃいました。突然のことでさぞかし驚かれたでしょう」

テーブルの正面にいた男性は俺たちを見るとおもむろに立ち上がり、深くお辞儀をした。


「さあ、どうぞお座りください。ここでは、何も遠慮することはございません。これ、、アスナ 何か飲み物と食べるものを持って来なさい。」

「わかりました、お父様」

どうやら隣にいたのはこの男性の娘のようだ。そしてここは彼女達の家なのだろう。


「失礼します」

「お邪魔します」

俺と明里はとりあえずそう言って椅子に座らせてもらった。赤みがかった細かく美しい木目のテーブルは表面がガラスのように真っ平らでピカピカしている。その長さが4M幅が2Mはあるテーブルは全く継ぎ目がなくどう見ても一枚板だ、厚みは20cmはある。角は銀杏面があしらわれておりいかにも重厚な趣を持っている。それに俺たちが座っている椅子も作りは質素だが完全無垢で作られており、テーブルと同じ木を使っているようだ、その造形はとても美しく何よりその座り心地は素晴らしいものだった。

 

「どうぞ」

言葉少なにアスナという女性が俺たちの前にコーヒーらしきものと、小さめの皿に、何かお菓子のようなものを乗せて差し出してくれた。


「ありがとうございます」

「すいません」

小さくお礼を言う。


「さてどこから話せばよろしいかな、、、とりあえずは何もわからぬままこちらへ強引に連れて来てしまったことへの詫びをしなければいけませんな。本当にすまなんだ、私はこの娘たちの父親で名をアスタル・ド・ルナリオスと言います、とりあえずアスタルと呼んでくだされ」


「はあ、、、俺は南條月雄 そして彼女は安西明里といいます。まあ俺達は今だに事の次第がよくわからないんで、謝られてもなんと答えていいのかわからないんですが、、、」


「いやいや、そうでしょう。ユリカから少しは聞いたでしょうがなかなか理解など出来ぬのもよーくわかります。とりあえずここが月の世界であるということだけは無理矢理にでも理解してくださらんか。

この月には私たちの他にも、多くの人々が暮らしており、そして3つの国で成り立っております。ひとつはアルメディア、ひとつはギべリオン、

そして私たちの暮らすカナリアス、、、

私達の国カナリアスはかつての月から代々その血を受け継いだ種族で成り立っており、アルメディアは地球から血を受け継いだ種族が多く住みます。そしてギべリオンは宇宙中の星々から集まった、多くの宇宙人が集まった国なのです。


そして、内容を理解していただくためにもこちらをご覧くだされ、」

そう言って父親の指差す方向を見るとそこにはスクリーンらしきものがあり、そしてある映像が流され始めた。


 

今から50億年前に遡るらしい、この月は俺たちの住む惑星地球がまだ存在しておらず、太陽系が出来上がる前から存在していたらしい、映像には銀河系の星々の中をものすごいスピードで動く月の姿が映し出されていた。どうやったらこんな鮮明な映像が撮れるのかはわからないがとにかくそのリアル感と詳細さは筆舌に尽くし難いほどだ。そしてある時太陽系ができて20億年経った頃今から約22億年前月はついにこの地球に到達する。遥かなかなたから長い長い旅をしてきた月は遂にこの地球の衛星として地球の周りを回り始める。そしてその月にはその時からすでに人類と呼ぶべき存在が暮らしていた。実は月は元々あった小さな惑星を人工的に改造して作られた天体なのだとか、途方もない話である。

月が地球の周りを回り始めたのはかつての月の古代人が繊細な計算のもと地球の衛星軌道にのせたらしい。

その時地球の海は荒れ狂い、山々は形を変えた、それまでの地球はとても穏やかな世界で気候もとても安定していたが月という巨大な存在が地球の衛星となったことにより今の潮の満ち引きが始まったという。

それから映像には、美しく計画的に整備されたであろう、綺麗な都市の姿が映し出された。そこには多くの美しい姿の人々が楽しそうに暮らしていた。周りには森や川、そして海などがある。そう月の内部である。空には色んな形の飛行体が飛び交っておりその飛行体は月の内部だけではなく地球にも行き来をしていた。地球から他の惑星へ行き来する大型の宇宙船の姿もあり、それらは定期的に地球から火星、そして金星へと行き来する姿さへ映し出されていた。これは平和の時で2万年続いたそうである。


ところが、この映像は、いきなり展開を変えた、ある時強烈な光が地球に降り注ぐ、これはある神と呼ばれる存在が自らのエゴと傲慢により地球に住む神々に戦争を仕掛けたからだという。地球はもともと上空を薄い雲で覆われており、太陽の光が直接当たることはなく、一年を通してほとんど同じ気温で、北極や南極にも住むことができていたというが、その光により上空の雲は全て地上に降り注いで行った。これは後に洪水伝説となって言い伝えられている。そして地球は突然その文明を閉じる、わずかに生き残った地球人は月や金星そして火星へと移住して地球が人の住める段階へとなるとまた地球に移住し始めた。そしてまた地球に文明が栄え始める。しかしその頃になると、火星は星としての機能を果たさなくなり火星から続々と地球への移動が始まった。

月には基本的に選ばれた人間しか住むことが許されていなかったため、地球から月への移住者は1万人に抑えられたらしい。

そして月の人口はほぼ変わらない状態で推移していた。

それからおよそ10000年後地球は、自ら核兵器を開発し、それを使ってしまった、そしてまた一から文明を築き始める。そしてその時から彼らは、月に文明があること、火星に人が住んでいたこと、金星に文明があることを、本当に忘れ去ってしまったのだという。


そして映像は途切れた。


「どうですか?これはかなり時代を圧縮した映像なのであまり細かいことはわからないとは思いますが、とりあえず、人類は二度滅んで今の時代にたどり着いたということです。大体は理解いただけましたかな?

そして、長い長い時間が過ぎてこの月には先程申しましたように、国ごとに分かれた多くの種族が存在しております。

最初の地球の滅びの時には地球から1万人の人類がこの月に移住しました。そして彼らはアルメディアという国を作り出し独立して統治をはじめました。

そして第二の滅びの後、様々な種族が集まりギべリオンという国が出来たのです。

それから私たちは、お互いの国には干渉せず、平和的にこの月世界の中で暮らしておりました。

ところが、、、」


「どういうことです?」

俺はまだ全体を飲みきれていなかった。

それでも疑問なので聞いていた。


「はい、、最近このギべリオンという国が妖しい動きをしているようなのです」


「怪しい動き?」


「はい、、どうやら彼らは、この月を自分たちだけのものにしようと企んでいるようなのです」


でた、なんか、だんだん定番にの展開になってきちゃったよ、悪い宇宙人の集まりがこの月世界を征服しよううと企んでいると。

本当にどうしようもない成り行きじゃないか、こんな展開の中で俺たちが一体何をできるというのか。

そしてなんで俺たちなんだ、、。


「なんとなく分かってきましたが、それで俺たちにどうしろというんですか? どう考えても俺たちにできることなど何もないように思えるんですけど」

俺は、正直な気持ちをそのまま口に出した。

当たり前である、例えアスタルの言うことが本当だったとしてソレに俺や明里が何ができるというのか!


「お父様、あの事を話してはどうでしょう」

アスナという妹が話に割り込んできた。俺は、そちらに顔を向ける。

この妹はユリカによく似ているが、かなり若く見える、多分15・6才といったところか、腰のあたりまで伸びた黒髪を後ろで束ねている。ポニーテールというらしい。赤い服を着て黄色いスカートを履いている、短めのスカートから出た足は、見事な曲線を描いてすらりと伸びている。本当に美しい兄弟だ。


「ここから先は、私が説明します」

今度はユリカだった。


「月雄様、これをご覧ください」

そういうと、彼女は一本の剣を差し出した。長さは全体で1Mくらい、そのうち25CMくらいが柄で鞘に収まった刀身がある。おそらく両刃の剣だろう。


「これは?」

いきなり出て来た剣に俺は?マークを浮かべながら尋ねた。


「これは、エンシェントソードというものです」


「エンシェントソード?」

ユリカが告げた剣の名前に俺は何故か、ふと懐かしさを感じて、その名を繰り返していた。


「どうやら、少しは記憶があるようですね。そうです、これはかつて貴方が愛用していた剣なのですから」


ユリカは何かとんでもない事を言っていないか?俺は彼女が言っている事がとんでもない事だと思いながらも、心の中では、何故かその意味がわかる気がした。

俺はそのエンシェントソードを彼女から受け取ると、その抜き身を引き抜く、銀色の刀身がギラリと鈍く光った。

その瞬間、俺の頭の中を、走馬灯のように映像が駆け抜ける。

鬼神の如く戦場を縦横無尽に駆け回る一人の剣士、口元を引きつらせながら喜悦の表情で、エンシェントソードを振り回す、鎧に身を固めた歴戦の勇者たちを次々と切り刻むその姿はまるで阿修羅だった。

そして、その阿修羅こそ、俺だった。

記憶が、雪崩のように流れ込んでくる。俺はあまりの情報の奔流に頭を抱え、そしてそのまま気を失っていた。


「月雄っ!」

記憶が薄れるその中で遠くから、明里の声が聞こえたような気がした。



気がつくと俺は、ベッドに寝かされていた。目を開けると、ドーム型の天井が見える、左右に目をやる、俺の右側に明里の姿があった。


「気がついた?」

心配そうに明里が覗き込んでいる。


「ああ、、、、気を失ってたのか?」


「そうよ、1時間くらいだと思うけど」

明里は俺がかれこれ1時間眠っていたと告げた。


明里、いや彼女の名前はアソズ そう、俺にはわかっていた。失われていた前世の記憶、かつて彼女を守る為に俺の全てをかけた女、そう、その生まれ変わりであると。


ーーーーーーーーー                         ーーーーーーーーーーーー


「お目覚めですか?月雄様、いえ、もう貴方は前世の記憶を取り戻されたはず、、、そうですよね月影様」

ユリカが俺に向かって、月影といった。

そう、その名はかつて俺が月の戦士として、過ごしていた頃の名前、前世の名前だった。


だが、一体何故、その事をこのルリアは知っているのだろう?

 

「わかりませんか?私の事が」


俺は遠い記憶を辿った。記憶と言っても、前世の記憶だ、すぐに思い出せるはずもなかった。


「月影様、、、、」

ユリカは、じっと俺の顔を見ながら、遠い昔に想いを馳せているように見えた。

美しいユリカ、この女性を、俺は何処かで、、、、、



「お姉様、ちょっとよろしいですか?]


突然、アスナの声が俺の思考を遮った。


「どうかしたの、アスナ!」

ユリカが、アスナの方へ振り向き、何事かと聞いた。


「ラドール様がまいられました」

「ラドール様が?」

ユリカの顔が歪む。

「どうして、こんな時に!」



アスタルは、突然訪問してきた、巨漢の男と相対していた。

「何用じゃ!ラドール! ここはお前のくる場所ではないぞ!」

強い口調で、アスタルは、ラドールという男に向かって言った。


「これは、これは、ごあいさつですな、、  私も随分と嫌われたものだ」

年にして、四、五十才と言ったところか、無精髭を生やした白髪の男が、下非た笑いを浮かべながら言った。

黒いパーカーのような服を着て腰には、太刀のような反りのきつい刀をぶら下げている。

 

「今日こそは、返事をいただこうと思いましてなあ、 ユリカはどこなのですかな!」


「ユリカは、居らぬわ、すぐに帰るが良い!」

アスタルは、嫌悪の表情を剥き出しにしながらラドールに言った。


「それはしたり、しかし先程より、そなたの家の情報は聞き及んでおりますぞ、何やら何処からか客人を連れて来たとか、何処の馬の骨を連れて着たのかは、分からぬが、一体何を企んでおる!」


どうやら俺達のことはすでに知られているようだった。だが、まだ俺たちがどこから来たのかまではこの男もわかっていないようだった。


「彼らは、私の大事な客人だ、放っておいて貰おう」

アスタルは当たり障りのない程度に俺たちの事をボカして伝えた。


「ふん、どうせロクでもない事を考えているのだろうが、まあ、良いわ!

それより約束は忘れてはおらんだろうな! 約束が守れぬ場合はユリカは儂が貰う。

ぜキリウス様の要請は絶対なのだ、もしも申し出に応えられぬときは、わかっておろう!!」


「ラドール様! まだ約束の期日ではございませぬが、、!

それとも何か別のご用でもあるのでしょうか?」


俺たちのいた別棟から、本棟へ引き返したユリカが、ドアを開け様に、アスタルと言い合っているように見えるラドールに言った。


「ユリカ!なぜ来た!」

うろたえるようにアスタルが言う。


「ほほう、これは、これは、、やはり此処におったのだな、儂に嘘をつくとはいい度胸だなアスタル!」」

アスタルを一瞥すると、ユリカに向き直ったラドールは、気色の笑みを浮かべた。


「なぜそう怖い顔をする。今日はお前の顔を見に来ただけだ、それにしても相変わらず美しいのお、、」

どうやら、このラドールという男は、ユリカにゾッコンなのだろう。

別棟から漏れてくる、やり取りを聞いていた俺は、何と無く状況がつかめて来た。

まあ、同じ男として、わからないわけではないが、嫌がる相手を無理やり手に入れようなどと、下賤にもほどがある。












「左様です、ご存知のようにこの月にはこのように美しい内部世界を構築する技術がございます。この技術は太古の昔より我らの先達がその英知を結集して作り上げたもの、そしてそれは、今この月の内部、つまり中心にあるあの人工太陽に集約されています。あの人工太陽が数十億年の間ひと時も休むことなく稼働しているがゆえなのです。

ところが彼らはこの月世界を征服する為にあの人工太陽を利用しようとしています」

アスタルは、ギベリオンが、人工太陽を利用して、この世界を征服しようとしているのだと言った。


「人工太陽を利用???」

どういう事なのだろう、、、この展開、一体どうやったらこんな展開になる。しかもここは月だし、

全く、、、、それがどうしたら、月を救う展開に、そして地球の命運を左右することになるというのだ、、


「おい、明里どうしよう?」


「どうしようって、なんで私に聞くの!」


「いや、なんかこれって本当ならとんでもない展開だからさ」


「うーん、、、、そうねえ、、つまりはその人工太陽を停止させなければいいってことじゃないの?それにまだ人工太陽はちゃんと浮かんでたわよね、、 ていうか人工太陽の秘密を探るってのがいまいちよくわからないわねえ、、一体なんのためかしら?」

俺も明里もまだ、しっかり問題についていけていない、


「お父様、とりあえず今日のところはその辺にして、今日は少し休んでいただいて、おいおいに詳しく説明させていただくってことでどうかしら?」

ルリアが父親にそう進言する。


「ああ、そうだなとりあえずは、お部屋の方にご案内して差し上げなさい。

いやいや、すみませんでしたなあ、何もかも突然のことなのに、こんな一方的な申し出をしてしまい、とりあえず今日のところは、ゆっくりとしてくだされ、娘に部屋まで案内させますゆえ、、」

父親はルリアに言われて、あまりの一方的な要求をしている事に気がついたようで、とりあえず、俺たちにゆっくりと考える時間を与える事にしたようだった。



「明里、アスタルやユリカの言ってる事、理解できたか?」

俺たちは、別棟になった少し小さめのドームに作られた部屋に通されていた。小さめと言っても部屋の広さは20畳くらいあり、別にバス、トイレ、そして小さなキッチンも備えられている、部屋の隅には、大きなベッドがあった。俺は、とりあえず、上着を脱いでTシャツ一枚になるとあかりに問いかけた。


「そんな、理解なんてできるわけないでしょ、全くサッパリよ」


「だよなあ、ていうか、ここって本当に月なのか?」


「うーん、よくわからないよ、なんたって、月の中だっていうんだから、外に出たって星一つ見えないから確認だってできないでしょ」


「本当に一瞬でこっちに来ちゃったからなあ、所でユリカが言ってたアストロクイーンをカグヤが使ってたって、あれって、もしかしてかぐや姫のことだったりするのかなあ」


「どうなのかなあ、、、なんか、妙にそれっぽかったよね」


二人でそんなことを話していると、ドアをノックする音がした。


「すみません、ユリカです。あの、お話があるのですけど」

ドアの向こうで、ユリカさんが言うので、「どうぞお入りください」と言ってドアを開けた。


「すみません。あの、お邪魔ではなかったでしょうか?」


「ええ、なんの問題もないですよ」

俺はそう言ってユリカさんに中に入ってもらった。それにしても美しい、明里には悪いがこうして面と向き合うと心臓がドキドキしてしまう。ユリカさんも俺の目を見てじっとしていたので、しばらく無言で見つめあってしまった。

 「う、こ、こほん、、うー!  な、何してるのかな、かな?」

後ろから、何だか、また明里の怖ーい視線を感じた。 ま、マズイ、、


「あ、どうぞ、それで何か?」

俺は正気に戻って、ユリカさんに、テーブルの横にある椅子に腰掛けてもらった。そしてテーブル越しにユリカさんと向かい合って座り、その隣に明里が座った。


「実は、月雄様達に見ていただきたいものがありまして、、」


そう言ってルリアさんはある物を俺たちの前に差し出した。


「これは?」


「これは、ルナタイトという鉱石です。この月にしか存在しません」

そう言ってユリカさんがテーブルの上に置いたものは、直径5センチくらいの丸っこくて、紫色に輝く美しい鉱石だった。


「綺麗な石ですね」

明里はそのあまりの美しさに見惚れているようだった。


ユリカさんはそのルナタイトという石の上に手をかざした。

「この石には、ある隠された力があります」

そう言って間なし、その石は何か怪しい光を放ちはじめた。紫だった石の色が、冴えた青に変わりそして、その光を増していく。そしてその光はやがてまばゆいばかりとなっていった。部屋を青く明るい光が照らす。


「す、すごい、なんなんですか?この光は」

明里は、その光に圧倒されながらも、問いかけた。


「これは、聖なる光です」

そう言って、ユリカさんがかざしていた手を離すと、その光はやがてスーと消えていき、元の紫に輝く石へと変わっていた。


「驚かれたと思いますが、今のはこの石のほんの一面です。このルナタイトという石は、今では月の原生地帯にしか存在しないもので、その量もほんのわずかしかありません。かつてこの月にはこのルナタイトが大量に存在していました。。そしてそれを私たちの祖先がそのほとんどを掘り出しそして結晶化させました。


「もしかして、、、」

俺はある考えが浮かび、そう呟いた。


「流石はお察しがいいですね。  そうですこのルナタイトこそ私たちの月の力の根源であり、この月の内部世界を今の環境に変えた力であり、今も月世界を維持しているあの人口太陽そのものなのです。私たちは、それをルナシオンとよんでいます」


「ルナシオン、、」

あの人口太陽には名前があったらしい、その名はルナシオン、そしてこの月世界に今の環境を与えた存在、そしてそれはかつての古の月世界人がその英知を結集して作り上げ、月の空洞の内部に浮かべたのだと、








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