全員集合!っぽい杏仁豆腐
謎の女剣士の助けによって、反乱軍の秘密地下杏仁豆腐工場から無事脱出出来た俺達四人。
☆岡崎朋也/剣士
通り名/リガールドの赤い牙
HP(体力)B/Atk(攻撃力)B/Def(防御力)B
Int(知力)D/Dex(器用さ)A/Spd(素早さ)B
武器・ショートスピア(短めの槍。片手でも扱いやすい)C
防具・工事用ヘルメット&作業服一式(動きやすく作業時の安全性も高い)D
・鉄の盾(鉄製の丸い盾)C
アクセ 木彫りの海星(手作りのヒトデ。風子が呼び出せる)
特殊能力
・電気工技能(電気工としての知識を活かし、トラップ作成や簡単な修理が出来る)
・フーコマスター(妖魔風子を召喚する。たまに勝手に出る)
・???(最後の奥の手的な物。バレバレだが秘密)
※1、能力及び装備は作者の勝手な主観による物です。基本高A~E低の五段階。
※2、原作ゲームと多少ステータス項目における意味合いが違います。
※3、剣士と言う職業柄?か、若干朋也の口調が粗野になっていますが仕様です。
☆春原陽平/盗賊
通り名/リガールドの黄色いサル
HPA/AtkC/DefB/IntZ/DexB/SpdB
武器・トライデントガム(三叉のガム。シュガーレス)E
・ダガーっぽい杏仁豆腐(ダガーの形をした杏仁豆腐。一応短剣代わりになる)E
防具・これ鎧!?一式(本当に鎧なの!?と疑問の残る装備一式)E
アクセ・Hな本(敵と男が釘付けになる。たまに女もなる)
特殊能力
・金髪(なんかムカつくので敵の標的になりやすい。味方からもなりやすい)
・オートリジェネ(どんなダメージも次のターンには勝手に回復する)
・妹思い(妹がピンチになると、駆けつけかばう)
☆古河渚/魔法使い
HPE/AtkE/DefE/IntC/DexD/SpdE
武器・魔法使いのスタッフ(賢くなりそうな杖。あまり直接攻撃には向かない)E
防具・魔法使いのローブ(賢くなりそうなローブ。防御魔法がかけられている)B
特殊能力
・演劇部(味方の一人になりきる。あくまでなりきるだけなので、能力はそのまま)
・お母さんのパン(お母さんが焼いたパン。食べると震えが止まらなくなる)
・???(奥の手。まだ内緒)
☆藤林杏/忍者
HPB/AtkB/DefC/IntC/DexA/SpdA
武器・手裏剣(全方位に投げれる投擲武器)C
・辞書(全方位に投げれる投擲武器)B
防具・鎖帷子&忍装束(軽さを重視したいかにも忍者らしい服)C
特殊能力
・無限書庫(杏リミテッド・ブック・シェルフ。何処からか無限に本が取り出せる)
・獣使い(忍猪のボタンを使役する。七変化するらしい)
・藤林流忍術(小雪忍……いや、藤林流忍術が色々使える)
その後も一週間程探索を続けたが、これと言って有力な情報は得られなかった。
そんな折、連絡役の杏の配下からある報告を受ける。
一族の巫女である杏の双子の妹が依頼主の召集に応じ、城に来るらしい。
何でも、彼女に鷹文054番の居場所を占わせようとしているとか。
そこで、戦果の報告も兼ね俺達も一度依頼主の元に戻る事にした。
杏の奴、妹の事がやたら心配みたいだしな。
まあ、俺も少なからず興味は有る。
……半分怖い物見たさだが……。
双子らしいから容姿は似てるだろうが、頼むから性格まで似ないでくれよ。
「椋!」
「お姉ちゃん!」
杏と共に城の外で妹の到着を待っていた俺達三人は、杏に手を借りながら馬車から降りてきた少女を見て目が点となる。
忍者の里の巫女だと聞いていたから、俺はてっきり和服だと思っていた。
いや、どう考えても着物だろう。
杏だって忍装束なんだし、普通、いかにも巫女らしい衣装のはずだ。
だが、出てきたそいつの服装は……どう見ても淡いピンクのナース服だった。
下も赤い袴とかでは無く、タイトなミニスカートに白いストッキング。
頭にはナースキャップまで乗っかっている。
「あれ……?岡崎、あの格好って、巫女さんじゃなくない?」
「ああ……お前と同じ感想なのは癪だが、俺も今そう思った」
「癪って何だよ!?」
「わあ……とっても可愛い看護士さんです」
どうやら古河はあまり疑問に思っていないらしい。
ひょっとして……最近の巫女はナースなのか?
「紹介するわ。この子が妹の椋よ。椋、こっちの子が今回一緒に組んでる古河渚。で、残りの二人が例の朋也と陽平ね」
「あ、あの……初めまして、藤林椋です。あ、姉がいつもお世話になっています」
杏の紹介を受けて、緊張しているのか少し赤くなりながら俺達にお辞儀する妹。
「初めまして、古河渚です。いえ、私の方こそ杏ちゃんにはお世話になりっぱなしで……本当に申し訳無いです……」
それに対し、やはり恐縮しながら深々と頭を下げる古河。
なんか、どちらかと言えば内面は古河の方に似ている気がする。
杏が二人にならなくて良かったとは思うが、正直イマイチ頼りなさ気だ。
「何言ってんの渚……手がかかるのは、この二人も一緒よ」
「お姉ちゃん、フォローになってないよ」
「そうだぜ杏。古河はともかく春原と一緒にだけはしないでくれ。俺まで人類じゃないみたいじゃねえか」
「僕だって人類だよ!」
「まあ、それはともかく、杏からは巫女さんだと聞いてたんだが……?」
先程からの疑問を問いながら、視線を上下に動かして改めて全身を確かめる。
やっぱりナースだよな……。
すると、俺の視線に気付いた椋は真っ赤になり、両手で胸を隠しながら身を固くして半歩後ずさった。
やべっ!誤解されちまったか?
と、思った瞬間、強烈な殺気を感じて反射的に身をよじる。
ブオン!!
突風が頬をかすめ、俺の顔があった場所を突き抜けて行った。
危ねえ……まともに食らったら死んでたぞ!
ドッと吹き出てくる嫌な汗を感じながら恐る恐る殺気の主に目を向けると、そこには長い髪を逆立て両手に分厚い辞書を持つ赤眼の鬼が居た。
「あんた……堂々と私の目の前で妹を変な目で見るなんて、いい度胸じゃない……!」
「ち、違う!!誤解だ!!ただ、格好が巫女っぽくないなって思っただけで、やましい気持ちはまったくない!!」
「……本当に?」
「マジだ!!マジ!!」
「……」
必死の弁解で何とか杏は辞書を仕舞ってはくれたが、尚も疑惑の念のこもった半眼で俺をガン見してくる。
まさに蛇に睨まれた何とやら、俺は身動ぎ一つ取れず唾を飲み込む事しか出来ない。
「……まあ、いいわ。椋はねえ、一族の巫女でもあるけど、普段はプリーストとして、医療班をやってるのよ」
☆藤林椋/プリースト
HPD/AtkD/DefD/IntB/DexE/SpdD
武器・ラッキーモーニングスター(ラッキー?な棘付きの鉄球を鎖で繋いだ武器)C
防具・白衣の天使っぽいピンクのシルバーローブ(思わず看護されたくなる清潔感溢れる服)C
アクセ・トランプ(占いにも暇つぶしにも使える万能ツール)
特殊能力
・医療知識(傷の手当てが出来る。回復薬の効果2倍)
・お弁当(真心のこもったお弁当。食べると感激のあまり失神する)
・占い(的中率0%という脅威の的中率を誇る占い)
「……ああ、なるほど。それでか」
確かにプリーストは回復魔法に長けたジョブだが、それとナースはまた別物だろ?とつっこみたくはあったが、杏を刺激したくないのでここは納得しておこう。
「へ~、そっか、椋ちゃんプリーストなんだ~。僕も椋ちゃんに優しく看護されたいな~なんて」
すかさず春原が、よせばいいのに鼻の下を伸ばしながら軽口をたたく。
今さっき俺がどんな目にあったかまったく学習していないようだ。
「えっ?あの……」
「そお……なら、私が手伝ってあげようか?もう二度と立てないくらいギッタンギッタンに!」
再び辞書を何処からか取り出しながら、杏が凄む。
「うっ……!遠慮しておきます……」
「俺も手伝うぜ杏!でも、こいつ再生能力強いから、半殺しでも足らなそうだぞ?」
「お前まで手伝おうとしないでくれますか!!」
「クス、二人とも、お姉ちゃんが話していたとおりの人達みたいですね」
「そ。本当に手がかかってしょうがないわよ」
椋が可笑しそうに笑ってくれたおかげか、呆れた様に溜息をつきながらも杏の機嫌も幾分直ったみたいで、俺の方もホッとする。
「それで、さっきからぼ~っと突っ立ってるけど、用件は何なの?ことみ」
いきなり杏が俺達の背後を見ながら呼びかけた。
は?と思いながら振り返ると、何時の間にかそこには見知った顔が立っていて、こちらに寄って来る。
確か依頼主の魔法使いの弟子である一之瀬ことみだ。
☆一之瀬ことみ/ウィザード
HPD/AtkE/DefD/IntA/DexD/SpdE
武器・ルシファースピア(柄の両端に三日月の様な刃と球型の鈍器が付いた星をも砕く槍)S
防具・聖なる黒いドレス(大人っぽいドレス。聖なる力で守られている)B
アクセ・バイオリン(使う人によっては、凶器にもなる楽器)
特殊能力
・博学(何でも知ってる。知ってることだけ知ってる)
・テレポート(師匠直伝の移動魔法。一度行った場所に皆を運べる)
・バイオリン演奏(そのあまりの素晴らしさに、聴く者には天国が見える)
若くして魔法使い系最上級職のウィザードになった天才少女で、俺達は依頼を受けた際に顔を合わせているが、相当の変わり者で人見知りらしく、人付き合いはかなり苦手だとか。
とても客の出迎え役には向いてなさそうだが、こいつが来たのには訳がある。
「あなたが、藤林の里の巫女さんなの?」
「あっ、はい。えっと……」
「ことみ」
「え?」
「ひらがな三つでこ・と・み。呼ぶ時はことみちゃん」
「ああ、あなたが……初めまして。藤林椋です。椋と呼んで下さい」
それが自己紹介なのか?と不安になったが、どうやら椋の方もことみを知っていた様で意思の疎通は出来たみたいだ。
「椋ちゃん、あなたを迎えに来たの。お師匠様がお待ちかねなの」
「あっ、はい。わかりました」
「それじゃあ飛ばすの」
「えっ?」
いきなり「飛ばす」と言われて椋が面食らったのも無理は無い。
ことみは世界に数人しか使える奴が居ない空間転移魔法テレポートの使い手なのだ。
「ことみ、私達も一緒に飛ばしてちょうだい。別に構わないでしょ?」
「わかったの」
杏の言葉にコクンと素直に頷くと、ことみはどこからか三日月と満月を模った様な奇妙な錫杖だか槍だかを取り出すと、それをクルクルクルと巧みに回転させてから自分の前で縦に構え、精神を集中させて呪文を唱える。
「ハルマゲドン!1000分の1!テレポートなの」
ことみが槍の丸い方で地面を叩くと、周囲に光の柱が立ち昇り、俺達は光の中に消えた。
一瞬の浮遊感を味わい周囲の光が消えると、そこはもう城内に在る謁見の間だった。
歩きなら数十分はかかる距離を一瞬で来れちまうんだから、本当に便利なモンだ。
「凄い……これがテレポート……!」
「ホント、ビックリだよね」
「お師匠さま、椋ちゃんを連れて来たの」
「うむ、来たか。待っておったぞ巫女殿」
「ええっ!?」
そしてそこでことみが師匠と呼んで傍らに立った人物を見て、椋はテレポート以上に驚いてキョトンとする。
そりゃあそうだろう。
ことみの師匠であり、俺達の依頼主の姿は……どう見ても5歳くらいの幼女だったからだ。
「うむ。このナリじゃ、驚くのも無理はあるまい。しかし正真正銘わしがこの城の主にして、世界一の大魔法使いであるともじゃ」
☆三島とも/魔法使い
HPE/AtkE/DefE/IntS/DexE/SpdE
武器・大魔法使いのスタッフ(とても賢くなりそうな杖)A
防具・大魔法使いのローブ(一見幼稚園の制服と見間違えそうだが、立派なローブ)A
特殊能力
・ブースト(味方全員の能力を強化出来る魔法が使える)
・テレポート(最近一度行った場所になら、魔法で瞬間移動出来る)
・禁呪(本来使用を禁じられている様々な魔法を使用する)
「お師匠様は延齢の秘術のかけすぎで、見た目ロリになってしまったの」
「これ、ことみ。かけ過ぎではなく、わしの力があまりに強大過ぎて、加減を間違えてしまっただけじゃ。おかしな事を言う物ではないぞ」
「ごめんなさいなの」
いや、同じ事だろそれ……てか、もはやロリどころじゃないからな。
椋の方は話を聞いてもまだ半信半疑の様子で、杏に戸惑いの視線を向けていたが、それを察した姉に無言で頷かれ、そういう物なのだろうと割り切り前を向いた。
「うむ、納得したようじゃな。それでは本題に入るが、我々が行方不明になった鷹文054番を探している事は知っておるな?」
「はい」
「方々を探したのだが、依然として手掛かりすら掴めておらぬ状況じゃ。加えて、幾つかの探索隊が何者かに襲撃され、全滅したと言う報告も来ておる」
「えっ!?それって、初耳なんだけど?」
春原が驚きのあまり声を上げる。
他にも探索隊がいる事は知っていたが、俺もそれは初耳だ。
「やられたって事は、明確な敵が居るって事か?獣人とかじゃなくて?」
「わからぬ。じゃが、生還した者の話では、突然奇襲を受け成す術もなかったようじゃ」
ともの話を聞いて俺が真っ先に思い浮かべたのは、あの杏仁豆腐工場で出会った女剣士だった。
だが、それは無いかと直ぐにその考えを打ち消す。
あいつが敵なら、俺達もあの場で始末されていたハズだ。
とすると、他の隊を襲ったのは獣人か、反乱軍、もしくは他にも敵が居るか……か。
なるほど。これだけ探しても054番の手掛かりどころか、敵の正体すら掴めねえんじゃ、占いに頼りたくもなるわな。
「と、いう訳でじゃな。正直、現状は手詰まりの状態じゃ。そこでお主の手を借りたい。どうじゃ?やってくれるか?」
「わかりました。では、鷹文054番さんの居場所を、占ってみます」
それまでどこか頼りなさ気だった椋だったが、一変して毅然とした巫女の表情で頷くと、ともの前に進み出て、持参していたカバンからトランプを取り出す。
って、トランプで占うのかよ!?
「えっ!?トランプ!?」
「黙ってなさい!儀式の気が散るでしょ!別に媒体は何でもいいのよ!」
先に疑問を口にした春原が杏に小声で一喝される。
つっこまなくて良かったと思いながら、椋の儀式とやらを見ていたのだが、
「あっ!!」
シャッフルしている最中に、バラバラと落としていた……。
おいおい……やっぱり頼りねえな……。
と思っていたのだが、椋は落ちたカードを暫くジッと見つめた後、ゆっくりとともに向かってこう言った。
「出ました……鷹文054番さんは……少なくともこの城には居ません」
「何じゃと!?」
「……って、そんなの当たり前じゃねえか!!」
「……って、そんなの当たり前じゃん!!」
思わず春原と俺のつっこみがハモる。
そんな当前の事、占うまでもねえだろ馬鹿馬鹿しい。
だが、どういう訳かともとことみ、そして杏は尚も神妙な顔つきをしていた。
「違うのよ……椋の占いはねえ……絶対に当たらないのよ」
「はぁ?何それ?それじゃあ、やる意味無いじゃん」
「いや、待て!絶対当たらない占いで、この城には居ないって出たって事は……」
「うむ。つまり054番は、この城の中に居ると言う事じゃ」
な、なんだって~~~~~~!?