声
どうしても、変わらないことがある。
私が貴方を愛するということ。
どんな世界で、どんな立場で、どんな姿形をしていようと、私は貴方に出会った瞬間、貴方に惹かれてしまう。
不変で普遍。
どうしようもない事実。
ウィリアムはふてぶてしくも床に尻を着き、くつろぐようにして胡座をかいた。そして呆然と立ち尽くすユリアに一つの答えを差し出した。
「ユリア。お前はきっと昔、契約したんだ。」
「何を、」
「悪魔か女神か。どちらかと契約し、お前の魂は縛られている。どんな契約内容かは分かんねえが、別世界の声を聞いた時点でお前は俺と似たような内容を望んだんだろう。」
嫌な予感がした。
指先が震え、心臓の音がやけに聞こえてくる。
ウィリアムは未だに遺骨を眺めるシュガーに目を向ける。この悪魔は恐らく人間を好いた奇特な悪魔なのだろう。それか自分の食事を食べれなかったから、この遺骨に執着しているのだろうか。この骨の主である男は、それを受け入れていたのだろうか。契約とは何とも重い。
ユリアに再度目を向けて、自分のように愚かな選択をした者が目の前にいる女と遺骨となった男と二人もいたのだと少々驚く。
「私が、私が何を望んだって言うの、」
震えたユリアの声にウィリアムは片眉を上げる。
「おい、簡単に答えを求めてるんじゃねえよ。とゆうか、もう分かってんだろお前。」
ユリアの蒼い蒼い瞳が大きく見開いた。
「望みが変わるわけがねえんだよ。
たとえ、どんな世界で生きようと。」
声がする。
「違う、、」
声がした。
「違、う。」
声が聞こえる。
「違うッ!!!!!!」
「ユリア!!!!!」
はっと扉の方に顔を向ければ、多くの兵がなだれ込むように入ってきた。
そして全員が敵として認識できたウィリアムを捕縛しようと駆け込んで行く中、一人、ユリアを見るなりユリアに駆けつける姿。
ずっとお会いしたくて。ずっと話したくて堪らなくて。なのに、今素直に喜べなかった。
「ユリア!!」
「アーサー様、」
アーサーは勢いのままユリアを抱きしめる。焦がれていた太陽のような匂いがした気がした。アーサーの肩に顔を埋めて、ただただ辛くて、恥知らずな自分が堪らなかった。
違うんです、アーサー様……
そう言いたくて、堪らなかった。
"ユリア"
うるさい、、うるさいのよ。
"もう愛さないで" と『自分の声』がする。




