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電気ウサギは脳みその夢を見るか  作者: 三毛 路
0章:Monolog/プロローグ
2/5

1:ジェイル・マクドナードの独り言

すみません今回、説明回です。長い…長くない?って方は飛ばしてOKです。

次回の最初に三行で説明してあります。

 無限に広がる大宇宙…そこは最後の…なんて誰が言ったか、とにかく人類は宇宙に夢を見たがる。

 新たな資源の採取元、新しいマテリアルの生成場所、新たな知的生命体との出会い、そして増えすぎた人類の移民先。

 とにかくその当時、人類は滅亡に瀕していたと言って良い…らしかった。

 文明は発展し、高い技術を持って十分に栄えていた。いくつもの不可能を可能にし、あらゆる病魔を駆逐し、とくに情報分野は成熟して魂と呼べるものすらほぼ解析できていた。

 しかし、

 無駄に使いまくって底の見えた資源、効率のみを優先して発達した技術の自然への汚染、無計画に増えて増えまくった人口。

 発祥の地『地球』に縛られていた人類たちはもう惑星上に、宇宙に建設されたコロニーに溢れて、資源の枯渇や公害などで衰退、滅亡の道を辿るしかなかったそうだ。

 そんな中、生み出された一つの技術が彼らを救うことになる。

 ワープ航法。それは一回1000光年までの距離を一瞬で跳ぶ夢の超技術。

 SFの中にしかなかったその技術はまさに無限の広さを誇る宇宙へと人類を誘った。

 世はまさに大宇宙航海時代。ある程度予測、観測されていた資源のある惑星や居住可能な惑星に人類は次々と旅立っていた。

 当初予測されているよりも居住可能な星は多く、瞬く間に人類は新たな銀河へ広がっていた。

 新たな資源と新たな移住先を見つけた人々は息を吹き返し、ふたたび大きく発展していくと思っていた。ある意味ではそうとはなった。

 大きく広がった生活圏にはそれぞれ地球から直属の人員を送り、政府を作って統治をしていた。

 銃器類は禁止され、治安維持は地球直属政府が行っていたが、環境が広がって管理が届かなくなり、地球から武器を持ち込むか、現地で作り出して問題を起こす奴らが現れた。現地での原生生物の対処にも銃は必要となった。

 手口は多岐にわたり突発的で、対処に困った政府は仕方なく一般に武器の貸出を行ったが、それもあっという間に管理がしきれなくなったので資格制で武器の所持を認めることになった。製造は認可された民間が行った。

 さまざまな問題が出た。人類はそのひとつひとつに取り組み、決して完璧とは言えないが解決していった。

 過去の教訓から負担の少ない技術を開発し、資源を大切に扱い、さらなる発展を遂げた。人類は宇宙と言う新たな場を得て再びの繁栄を約束されたはずだった。

 あの日が来るまでは。

 問題はずっと。ずっと抱えてきた、根幹に関わるものだった。

 人類を救った夢の超技術ワープ航法は、偶然に生み出されたものだった。

 当時で言う外宇宙から飛来した巨大な謎の隕石、それがワープの燃料となる金属だったのだ。

 拡大する勢力圏、繰り返し行われるワープ、消費されていく希少な金属。地球政府はそれが完全になくなる前に、拡張した領域から見つかると信じていた。いや信じざるを得なかったのだ。それは愚かな希望的観測だったが、滅びかけた人々が縋りついたのを非難できるものはいないだろう。

 だがそれは叶わなかった。それは消費されつくしてしまった。人類の手の届いた範囲から、それは一片の欠片も発見されなかった。

 そしてある日、地球政府は宇宙に散った人々に宣言する。

 これ以上の支援と干渉を打ち切る事。もはやワープ技術なしでは星々の行き来など不可能。通信すら同技術を応用したものだからだ。

 これからは各移民系で独立してもらうと言う事。一番近い居住惑星同士ですら100光年は離れてるのだ。互いに干渉など出来るはずもない。

 それは事実上の棄民、放逐であった。交渉や抗議と言う形で地球に押し寄せる人たちもいたが全く取り合われず、ごくわずかに残ったワープの回数を無駄に減らすだけだった。

 最後に地球に渡った彼らがどうなったかは明確にされていない。完全に断絶するまではテロなども行われていたようだ。




 さてここからは『俺』の知る『俺の星』の歴史だ。『他人』の住む『他人の星』の歴史なんて俺が知る由もない。

 星々は断絶され、人同士も、わずかな情報の行き来も無くなったのだから何があったのかなんてわかりようもない。

 最初のうちはわずかに星間通信をしてたところもあったらしいが…

 だからもっとうまくやった星もあったかもしれないし、逆に滅んでしまった星もあったかもしれない。

 とにかく『俺』の知る『俺の星』の歴史はこうなっている。

 地球から放棄されたそれからの日々は試練の連続となった。

 維持管理は引き続き地球直属の者たちが引き継いだ。彼らも捨てられたとはいえ組織としての規模と能力は星にあるいくつかのコミュニティ内でトップだったからだ。

 地球からの支援に頼ってたものは変更を余儀なくされ、代替物をもって再編成された。代わりがないものはとり捨てられていった。

 地球から持ってきていた技術は機械による量産や整備、使用が簡単なものが多く、専門的な知識が無くても比較的維持が楽に出来た。

 だがそもそもの専門的な技術者の数を抑えられていたために応用や改良も出来ず、重要で必要なはずの技術や守るべきか弱き人たちがやむなく切り捨てられ、多大な犠牲と代償、長い年月をもって大きく文明は縮小、後退していった。

 文明は歪になり、可能な事と不可能な事の差が大きく歪んでいった。

 ある分野では魔法のような技術が存在する中、ある分野ではまったく稚拙な、宇宙進出以前の物へと戻ってしまっていたり。

 激動の時代が過ぎ人々は新たな生活と呼べるものに慣れていき、わずかの余裕を取り戻したころ。

 困難を乗り越えた者たちの中から疑問が沸き上がった。

 なぜ自分たちはこんな苦難を受けたのかと。棄てられ独立したのなら地球政府の生き残りに支配されずに完全に抜け出すべきではないかと。

 あの地獄を乗り越えた自分達こそこの星の真の支配者にふさわしいのでないかと。

 自分達ならもっとよりよく混乱の時代を乗り越えられたのではないかと。

 新たな混迷の時代が幕を開けた。

 俺達こそと言う奴らが徒党を組んで武器を持ちだして、略奪と暴力による支配を行いだした。長い歴史の中で兵器の管理を民間に任せていたことが裏目に出てていた。

また、紛争には宇宙空間や開拓惑星で使用される汎用作業機械(イミテーター)が転用された。

 汎用作業機械(イミテーター)には武器類は搭載されていなかったが、人間用の物を大型化したり、もともとあった機能を強化して対応した。

 改造を施されたそれらは汎用機械兵器(アーティファクト)と呼ばれ、さらにその性能から大型人型兵器(ハイアーティファクト)中型機械兵器ミドルアーティファクトの二つに分類された。

 ミサイルなどの誘導兵器、空を飛ぶ航空機、その他の戦闘車両はこの星にほとんど無かったため、強力な兵器となる汎用機械兵器(アーティファクト)は戦場の主力となっていった。

 残っていた地球直属政府は影響力こそ強く、強権を持って統治していたものの実際の求心力や軍事能力などは低下していたために、武器を持って独立しようとする者たちを(とど)めておくことは出来なかった。

 いくつもの組織が生まれ、消え、統合し、あたかも進化する生物のように形を成していく。戦い、つぶし合い、殺し殺されてやがて統合されていく。気づけばこの惑星は2つの国にまとまっていた。

 2つの国はたがいに憎み、けん制し合い、手を取り、偽りの平穏を作り上げた。

 いくつかの小競り合いと停戦が繰り返され、使命と欲望と、長き戦争の恨みつらみは見せかけの平和を常に蝕む。

 この物語は不安定な情勢のなか、訪れたわずかの平静が再び大きな争いになりそうな気配を漂わせた。

 そんなところから始まるわけだ。

飛ばして良いよと言いつつ飛ぶ先が実装されない不具合。

ごめんね


2022/10/16改稿 追加した設定に準じて一部を変更。

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