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第5話 ミーシャ/恋海

 

 無事、魔術士ギルドに行きカードを2ランクアップできた俺。


 とりあえず自宅で天使見習いのBAGに入れて魔法世界に持ち込んでいたお弁当屋さん『あっつあっつ亭』のカツ丼を街の広場で食べたあと、はじまった街を1人歩き、レベル上げをしに街の外へと出ることにした。


 街中を歩いて感じたことは、屋台が多いことと木造建築と石でできた建物の割合が同じくらいということ。

 


「こんにちは。」



 屋台で購入したみかん果実ジュースを飲んでいると魔術士ギルドまで案内してくれた女の子に話しかけられた。


 にしても、みかん果実ジュースの容器は自分で持参しないと容器代で500円大銅貨5枚もとられる。

 さすが異世界笑。




 俺に挨拶をしてきた女の子は、真っ赤な口紅のようにきれいな赤色のショートカット。

 クリッとした大きな瞳はこちらも赤色でルビーのように輝いている。

 ルビー見たことないけど。


 かなりの可愛い子ある。

 将来は美人さんになることであろう。


 この魔法世界にきて、日本よりも顔面偏差値は高いと感じていたが、この女の子は別格の美しさがある。


「こんにちは!」


 俺の顔を覗き込むようにじっくりと見る女性。


「お兄さん、お願いがあるの」



 俺の顔色を伺うようなちょっと不安そうな顔の女の子。

 正直可愛い。



「どうしたの?」


 みかん果実ジュースを飲みながら質問する。

 今は別のおこづかい稼ぎしてるのかな?

 野球場で見る売り子のようなスタイルで女の子は立っていた。


「これ買って欲しいなーって思って。お金稼がないといけないからお金儲け大忙しなの。お兄さん、孤児院に行って、たくさん寄付してたから可愛い迷える子羊のお願い聞いてくれるかなーって思って声かけたの」




 なるほど。

 ちゃっかり教会に行って、女神様と天使様にお祈りして、お布施を多めに支払って、教会の隣にある孤児院にお金を寄付していたのが見られていたのか。

 

 AngelStudyでは主人公が行なう当たり前の行動だったから真似てみたんだけど成功したようだ?


 何かあったら、天使様に泣きつこうと思ってる。

 俺の手に会えない時は、泣いてお願いしようと。


 完全にAngelStudyの世界とは違うから、反応してくれるか分かんないけど、教会にて大事なお願いしたら聞いてくれそう。



「良いよ」


 ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶ女の子。


「ありがとう。おにいさん、いまさらだけどわたしの名前はミーシャだよ。よろしくね」


 女の子の名前はミーシャちゃんというようだ。


「ミーシャちゃん。こちらこそよろしくね。全部買っちゃうね。じゃあ、これに移し替えてもらえるかな?」


 俺は、天使見習いのBAGからお金を取り出す。

 

 ミーシャちゃんが売っているのは抹茶ゼリー。

 スライムグリーンの本体。

 スライムグリーンを水洗いして汚れをとってそれをお湯で温め蒸すとゼリーの出来上がり、AngelStudyでも定番の食べ物。


 天使見習いのBAGに手を突っ込み、主婦の味方であるタッパーを取り出す。


 魔術士ギルドでスライムグリーンのスライムグリーンゼリーを渡したところ、買い取り額10円だった。

 スライムグリーンゼリーは苦味があり、抹茶味が魔法世界の者には好まれない味らしい。


 AngelStudyだと、買い取り額30円くらいなんだけどね。


 微妙にゲームと相違点がある。



☆☆☆☆☆☆☆



 ミーシャちゃんとバイバイしたあと、街の外へと出た。



▽スライムグリーンが現れた。


「エンジェルスパーク」


 スライムグリーンが白光色のキラキラもふもふに触れダメージを負う。燃えるような痛みを味わう。とゲームでも記載がある。


 魔法世界に来て、昨日の今日だがスライムグリーン程度であれば問題なくたおせるようになった。


 俺は街に出た瞬間、天使見習いのお散歩を発動、熟練度を上げる努力をしている。

 熟練度が上がるとスピードが出せるようになり疲れにくくなるのだ。

 少し宙に浮き移動している。。



「にしても、天使見習いのステッキ有能だよなー。ゴースト系統にダメージ与えられるって便利だ。基本的にゴースト系統には物理ダメージ聞かないから、剣士とか槍士とか無能になっちゃうし、魔法士も魔力なくなったらダメージ与えられないお荷物になるから」


・天使見習いのステッキ(回復魔法に少し良い補助効果あり。打撃として使用する際光属性となる)


 俺は、空中に浮かびながらひとりごとをつぶやく。


ゲームだと夜は外に出たら危ない。

モンスターが強くなっちゃうからだ

 まぁ、そのぶん、経験値が良いんだけどね。

 最短でゲームクリアを目指すなら夜するべき。



「よっし、素振りしながら進むかな。弱いモンスターだったら天使見習いのステッキでそれ以外でたたいてステッキ術の熟練度をあげて、強そうな敵ならエンジェルスパークで倒してしまおう」


 



 Fランク 弱いモンスター

 Eランク ちょっと強いモンスター

 Dランク 強いモンスター


『シュッシュッ』


 毎回同じ位置でステッキを止める。

 適当にステッキを素振りしても熟練度は上がらない。


 AngelStudyだとこの所作でステッキ術の熟練度があがる。

 ゲームではタイミングよく、円の中心で○ボタン押してた。


『シュッシュッシュッシュッシュッ』


「つっ、疲れた〜」


 うん。分かってたけど体力ないみたいだ笑


「えっと、とりあえず水辺にて休憩するかな。抹茶ゼリーとホットコーヒー食そう」


 

  天使見習いのBAGからキャンプセットを取り出しテーブルとイスを出す。

 それと、チョコソース。

 とりあえず、家にあった調味料持ってきていた。

 月曜日、調味料の買い出しを苺谷さんにお願いしなきゃだ。


「なっなんだ。こりゃ、あんまいおいしくない」


 食べれないわけではないが好んで食べようと思う味ではなかった。


「よしっ、これなら食べられるな」

 チョコソースをかけた抹茶ゼリー。

 美味である。 

  

 結局、ミーシャちゃんから買った抹茶ゼリーを全部食べきった。

 

☆☆☆☆☆☆☆


「コーヒー飲み終わったらそろそろモンスター退治しましょうかね〜」



 天使見習いのお散歩で空を飛び、モンスター退治を進めてレベルアップと熟練度上げを行なう俺。



▽ジャスミンバード(善)が現れた

 

「あっ、ケガしてるみたいだ。エンジェルヒール」


 モンスターからはバニラ色のオーラが出ている良い心のモンスターのようだ。


 空飛ぶ飛行系モンスター。

 くだものが大好物。


『チュゥーンチュン』


『バサッバサッ』


『☆回復技:エンジェルヒール』


□説明


・天使見習いの初歩の回復技


・手を対象に向けると発動する。



 エンジェルヒール使用してジャスミンバードを助けた。

 清き心のモンスターは倒さない。



☆☆☆☆☆☆☆

 


 街に到着したのは18時過ぎ。

 腕時計で確認したが17時頃からゴースト系統の、モンスターが出始めた。

 ゴースト系統の出現時間はゲームとおんなじである。

 天使見習いのステッキの大活躍である。

 まぁ、俺の支援魔法のおかげでもあるが。


 定期的に小休憩を挟んだが結構良い感じに熟練度も上がったと思う。


「おっ、ミーシャちゃん。まだお仕事してるんだね?すごいね」


 ミーシャちゃんに出会った。

 遭遇率高め。

  

 夜遅くなるからだろう屋台は店仕舞いをしているところが多く見受けられる。


「屋台で余った食べ物とか飲み物、酒場に運ぶお手伝いしてるのー。これが終わったら帰るよー」


 せっせと小さい身体で運んでいくミーシャちゃん。

 身長は145cmくらいだ。12歳くらいだろうか?


「あっ、ミーシャちゃん。お土産あるんだー!スライムブルーとスライムグリーンとスライムレッドのゼリー、教会に行くついでに孤児院の方へ届けておくね」


 抹茶味:スライムグリーンゼリー

 ソーダ味:スライムブルーゼリー 

 りんご味:スライムレッドゼリー


「ありがとう!!えっ!?良いの?嬉しいゆうお兄さん1日お疲れ様です」


 喜ぶミーシャちゃん。



☆☆☆☆☆☆☆


 孤児院でお土産を院長先生に渡したあと教会にてお祈り。

 また森の中に潜って軽くレベル上げをしたあと、自宅へと帰ってきた。

 一度街に戻ってきた理由は、夜遅くに教会を訪れてもゲームみたいにシスターさんが立っているわけではないからだ。



 自宅でお風呂に入ったあと、自身の土地の上でお店をしているお寿司屋さんへと向かった。

 お弁当屋 あっつあっつ亭

 お寿司屋 すしむすめ



「こんばんは。お刺身定食とお刺身の盛り合わせお願いします。あと茶碗蒸しも1つお願いします」



「こんばんは。いつものですね。かしこまりました」


 夜23時、お店には俺しかいない。

 お寿司屋さんのお姉さん恋海さんの落ち着いた声が響く。


「お願いします」


「お先に温かいお茶とおしぼりでございます」


 着物姿の恋海さんがいつも通り、持ってきてくれる。


「ありがとうございます」



 


 温かいお茶で落ち着いた気持ちになりながら、料理を待つ。

 水槽の中では魚が、スイスイと泳いでいる。






「ごちそうさまでした。今日も、美味しかったです。だし巻きたまご、いつもよりふっくらしてて絶品でした。また来ます。あっ、恋海さん、最近夜冷えますのでお身体ご自愛ください」


 恋海さんに感謝の気持ちを伝えて、俺は、自宅へと帰って行った。

お読みいただきありがとうございます!

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