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第4話 魔術士ギルド/エンジェルテンション/やすらかなるねむりを



 なんか魔法世界に行けるようになった翌朝。


『♩♬♬♬♬』


 スマートフォンのアラーム音で目を覚ます。


★スマートフォン★

 ・汎用的に使える小型のコンピュータ

 ・パソコンと似たような機能を持つ

 ・端末上で多種類のアプリケーションを動かすことができる多機能型携帯電話

 ・以前の携帯電話、いわゆるガラケーと呼ばれた端末も広義的にいえばコンピュータ

 ・以前の携帯電話は、汎用的に自由度の高い使い方ができるわけではなかった



「朝か」


 普段は昼夜逆転しているのだが、昨日は運動のせいか疲れて直ぐに寝れたため、朝すっきりと目が覚めた。


「コーヒー作るか」


 今日は、土曜日。

 苺谷さんは家政婦さんお休みである。



 マグカップを食器棚から取り出し、コーヒーの粉スティックを入れる。

 ウォーターサーバーのお湯を入れて、スプーンでかき混ぜたら完成だ。


「ふぅー。朝のひといき最高」


 コーヒーの香りが心を落ち着かせる。


☆☆☆☆☆☆☆


「よっし行くか」


 顔を洗い歯を磨きその他諸々出かける準備を済ませ、魔法世界に行く算段が着いた。


 ひきニート女神様の加護により日本の自宅に帰ってくるときの合言葉は『ただいま我が家』

 逆に魔法世界へ行く時は『さよなら我が家。悲しみ。ぴえんぱおん』である。


『さよなら我が家。悲しみ。ぴえんぱおん』


 なんか唱えるの恥ずかしい。




「はじまった街へようこそ」


 今日は昨日合言葉にて自宅へ帰った場所からのスタート。

 取り扱い説明書によると認識阻害により、行き来している瞬間は怪しまれないとのこと。

 あたかも、普通にいましたよ?的な感じになるようだ。


 行き交う人々はヨーロッパ風の身姿。

 ヨーロッパ行ったことないけど。


「お兄さん、街ご案内しましょうかー?10分で銅貨5枚(50円ほど)です」


 小学生高学年くらいの女の子に声をかけられた。


「そんなに安くて良いの?銅貨5枚じゃパンも買えないよ?」


 硬貨やパンの価格がAngel Study通りなら銅貨1枚10円。

 パンは1個100円だ。


「うん。上手く道案内できてたら多めにお金もらえると嬉しいかなーなんてっ思ってる」


 女の子はベロをぺろっとだしてそう言う。

 なるほどチップ制的な感じか。

 そこはゲームとは違うな。


「分かった。よろしくね」


 魔術士ギルドまでお願いすることに。



 はじまった街を歩く人々。

 日本だとあり得ないことだが、武器をぶら提げている人が比較的多い。


 そして、異世界小説でよく見かける奴隷っぽい姿の者。

 Angel Studyだと奴隷は出てこない。

 この魔法世界オリジナルということだろう。

 


「きたないなぁ」


 街の中では所々馬糞が落ちている。

 衛生状態最悪だよね。



 それを子どもが掃除している姿が見受けられる。

 案内してくれる女の子に聞いたところ、孤児院の子やスラム街の子がおこづかい稼ぎとして行なっているとのこと。


「お兄さん到着だよー」


 案内の女の子の指差す場所。

【まじゅつしぎるど】と書かれている看板が目に入る。


 大きなな三階建てであろう建物があった。



「ありがとう。これお金だよ」


 大銅貨5枚を手渡す。

 歩きだったのと俺が街の風景を楽しんで歩いていたため、時間がかかった。


 30分で、500円相当の硬貨を渡せば日本の最低賃金には乗るであろうという安直な考え。



「えっ!?ありがとうお兄さん。太っ腹だね」


 お金に満足したのであろう女の子は笑顔で俺にばいばーいと手を振りながら、去っていった。

 





 魔術士ギルド【取り扱い説明書】

□説明

 魔法使いしか所属できないギルド。

 魔術士達は魔術士ギルドを経由して依頼を請け、お金を稼ぐ。

 ギルド加入の利点は、仕事を斡旋してもらえること、魔術関係の品々が買いやすい。魔術士同士の交流があるため、熟練度が上がりやすい。

 魔術士ギルドの他には冒険者ハンターギルド、ポーションギルドなどなど様々ある。

 魔術士はソロとかでない限り誰かとパーティーを組むため、基本的にハンターギルドに集まることが多い。



「こんにちはー。おじゃましまーす」


 なんだかんだで家を出たのが10時30分。

 腕につけた腕時計は11時を指している。


 魔術士ギルドの建物内は、喫茶店が入っているようだ。

 壁には魔女であろう魔法使いの絵姿が描かれている。

 掲示板に張られてる依頼書の前では、マジックハットを被った者やローブを着ている者がわちゃわちゃしている。



「こんにちはー魔術士ギルドへ。ようこそ」


 紫色のマントを着ている女性が受付窓口で声をかけてくれた。

 

「こんにちはー!魔術士カードのランクアップお願いできますか?」


 取り扱い説明書通りだと、モンスター10匹と目の前で魔法を見せればFランクからEランクにカードをランクアップできる。

 

「はいっ。かしこまりました。魔術士カードのご提示をお願いしまーす」


 俺の提出した魔術士カードを見る受付の女性。


「30歳Fランク……。」


 なんか残念な子を見る目で見られてしまった。

 いや、仕方ないよね?

 俺昨日、魔法使いになったばっかだし笑



「風魔法が得意です。実演します。エアシップ」



 雷魔法は存在しない旨、取り扱い説明書に記載があった。

 とりあえず、面倒ごとは避けたいため、風魔法というていでエアシップを発動。


 基い、天使見習いのお散歩をぼそっとつぶやいて発動。


『☆魔法⋮エアシップ」


□説明


・風魔法の飛行技。

・空を飛ぶのに適する魔法。使用時常に魔力を消費する。高さとスピードを上げれば上げるほど魔力消費量は増える。

 

「はいっ!実演ありがとうございます。上手に飛べていますね。では次に、魔物モンスターの確認に移ります。倉庫にて、モンスターを提出してきてもらえますか?」


 淡々と受付女性は事務作業を進めていく。


「はい。お手数おかけします。ありがとうございます」



☆☆☆☆☆☆☆


 モンスターを提出換金してもらい、無事魔術師ギルドにて魔術士としてEランクにランクアップできた。


 魔術士ギルドで、マジックハットとマジックローブを購入して着替えた。


 着替えたことにより、旅人の服からレベルアップだ笑

 魔法使い感が増す。

 

 次は、Dランクを目指す。

 実技試験監督と対戦形式の実技試験だ。



「では、ランクアップ実技試験行ってらっしゃーい。頑張ってね♪」


 一気にDランクまでランクアップすることに。



「ありがとうございます。頑張ります」


 俺はそう受付窓口女性に伝えて、案内されるままに剣道場みたいな場所へ向かった。修練場というらしい。

 

 魔術士たちが各々武器を振り回したり1on1にて打ち合いをしたりと修練に励んでいた。


「じゃあ、試験監は俺が担当させてもらう」


 俺を受付から案内してくれたおじさんが、修練場に入るとそう言って、樽の中に入ってある大剣を手に持ちはじめた。



 Angel Studyでは2種類の魔術士が大きく分別される。

 ステッキを主な武器とする魔法特化型魔術士

 ステッキ以外を主な武器とする武闘派魔術士。

 まぁ、両者とも魔法を扱えるため魔術士だ。



「武器は好きなの選んで良いぞ。木でできているから安全だ」



 試験監のおじさんはそう言うと大剣を軽く降り始めた。

 ウォーミングアップだろうか。


 大樽の中をとりあえず漁る。

 木でできた太い棒を発見。

 

 

 とりあえず振ってみる。

 天使見習いのステッキに比べたら扱いにくいが仕方ないよね。



「魔法の使用は良いですよね?」 

 

 魔術士ギルドだからダメということはないだろうけど、一応聞いておく。

 これでダメと言われたら困っちゃう笑



「あー。だが、修練場が壊れてしまう威力は勘弁してくれよ」


 試験監のおじさんは笑いながら木の大剣を手に持ち構えていた。



「では難易度Eランク、ランクアップ実技試験を始める。双方準備は良いか?」


 審判が俺と試験監のちょうど真ん中に立ち言葉を発する。


「よーい!!始め!」



 審判の掛け声の後、試験監は俺との距離を詰めてくる。


「行きます」


 俺は、そう告げ、空中に浮かぶ。


 天使見習いのお散歩だ。


「エンジェルテンション」


 Angel Studyで最近実装されることになった主人公専用のスキル。


『主人公専用⋮エンジェルテンション』

□説明

・名発動後、ステータスが1段階上昇する。

・段階を上げれば上げるほどステータスがそれに伴い上昇する。

・ステータスが上がると戦闘面では通常攻撃や呪文攻撃にダメージが増える。その他、回復魔法なども同様に効果が上がる。

・段階は全部で5段階で1段階でステータスが1.5倍。発動失敗率10%

・2段階でステータスが3倍。発動失敗率30%

・3段階でステータスが5倍。発動失敗率50%

・4段階でステータスが7倍。発動失敗率70%

・5段階でステータスが20倍。発動失敗率90%

・発動実施中ダメージを受けると段階0からやり直しになる。

・発動失敗すると段階プラス10秒身動きがとれなくなる。

・発動実施中。感情が高ぶり、瞳は吊り上がり、髪の毛はトゲトゲと立ち上がり発言が無意識に荒々しくなる


 AngelStudyでは強い敵と戦う時はエンジェルテンションを使用することが推奨されている。


「あらよっとエンジェルテンション」


 とりあえず試験監の攻撃を避けながら、テンションの段階を増やしていく作戦に出る。


 味方が居ない状態だし、発動失敗率の3段階目でやめておこう。





「エンジェルテンション」



「ほらほら逃げてばかりだと合格できないぞ?」


 木でできた大剣を器用に動かして攻撃してくる試験監のおじさん。

 修練場はそこまで高くないので、飛んでいても長い大剣が俺の飛んでいる距離まで届く。



「シャーッ。そろそろ行かせてもらうぜ。覚悟しろよ」


 なんか気持ちが高揚する。

 イケイケどんどん。

 ふゅーふぃー。



「んぁ?」


 一瞬驚いたような顔をした試験監


「永遠の眠りに導いてやるぜ」


「なっ、何する気だ?」


 身構える試験監。



「やすらかなるねむりを(にこっ)」


『主人公専用⋮天使見習いの睡眠技』


□説明

・対象を睡眠状態にする初歩技

・目の合っている対象に対して有効な技

・やすらかなるねむりを、と唱えた後、にこっとほほえむことで発動する。




『ZZZ』


「スピィースピィー。はらいっぱいだ。もうくえねぇ」


「ままぁ」


「ぼくちんスピィー」


「ドラゴンステーキ。じゅるり」


「違うって。浮気なんかしてないって。ほんとだって。信じてくれよ」



 試験監のおじさん、そして審判、周りにいた魔術士たちが眠りについた。


 俺が発動させたやすらかなるねむりをは1回だけ。


 俺が、準備したエンジェルテンションの段階によりやすらかなるねむりをは3段階上の天使見習いの睡眠技になったのだ笑笑


 


 結果、無事合格できました。

 やったね!!

お読みいただきありがとうございます

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