★第3話 日本での生活 家政婦の苺谷さん
日本の自宅に帰れるなら魔法世界で宿屋泊まる必要なくない?ってことで、
「ただいま我が家」
ひきニート女神様の加護により日本の自宅に帰宅。
帰ってくるときの合言葉は『ただいま我が家』
「お帰り、俺」
1人ごとをつぶやく俺。
玄関に到着である。
因みに天使ココエルさまから頂いた取り扱い説明書によると魔法世界の品を地球に持っていくことはできないとのこと。逆は基本的にOK。
「時間は説明書通りみたいだ」
玄関に置いてある時計となんとなくの魔法世界での時間感覚とを一緒に感じる。
取り扱い説明書にも魔法世界と地球の時間の流れは極めて一緒だと記載があった。
『ガチャ』
「あら優羽さん。こんにちは。お出かけでしたか?珍しいですね」
時間は15時。
玄関のドアを開けて珍しいですねと声をかけてきたのは、家政婦の苺谷さん。
週5で主に買い物と洗濯お風呂洗い、掃除食器洗いなどのいわゆる家事全般をしてもらっている。
苺谷さんはシングルマザーで7歳の娘さんがいる。
夫にお金を持ち逃げされて音信不通になり家賃滞納にて住む場所もなくなって困っているところを俺が助けた。
俺は、自身の土地での不労所得を増やそうと管理会社に連絡して自身の土地にアパートを建築していたためそこに苺谷さんを住まわせ、家政婦さんとして雇用している。
「はいっ。ちょっと気晴らしに出掛けてました。あっ、持ちます。いつもありがとうございます」
買い物に行っていたのであろう両手にマイバッグを持つ苺谷さん。
「ありがとうございます。どこに行ってらっしゃったんですか?」
俺が夜じゃない時間帯に外に出るのがそんなに珍しいのだろうか?笑
「散歩ですよ」
苺谷さんからマイバッグを受け取り玄関の階段を登りながら答える。
☆☆☆☆☆☆☆
「たっだいまー」
キッチンまで荷物を運んだ後、苺谷さんに淹れてもらったアメリカンコーヒーを飲んでくつろいでいると元気な声が家に響いた。
「お帰り。小春ちゃん」
苺谷さんの娘さんが帰ってきたようだ。
小春ちゃんは水色のランドセルを背負っている小学1年生。
俺がランドセル買ってあげたんだけど、めちゃ高いんだねランドセルって10万円したよ。
値段も驚いたけど、今、色も豊富だし、すごいよね。
俺の時代なんて赤か黒しかなかった。
「おー、ゆうにいちゃん。めずらしいね」
親子揃って、俺が起きて動いてることに珍しがる。
「手を洗ってきなさいね」
「はぁーい。わかったよ。まま」
お母さんである苺谷さんの言葉を聞いて、ランドセルをイスに乗せた後、手洗い場へと向かう小春ちゃん。
今、俺が座っている部屋にはテレビやテーブルソファが置いてあるいわゆるLDK、リビングダイニングキッチン。
苺谷さんが家政婦さんとしてお仕事している間、小春ちゃんはリビングテーブルで宿題したりテレビを見たりしていることが多い。
『♩♬♬お風呂のお湯が溜まりました』
軽快な音と共に声が流れる。
どうやらお風呂が溜まったようだ。
「お風呂入ってきますー。小春ちゃんお勉強ファイトだよ」
苺谷さんにそう告げ、脱衣所へ向かう。
小春ちゃんはさっそくテーブルでひらがなのお勉強をしていた。
小学1年生の勉強懐かしい。
あの頃に戻りたいよ笑
脱衣所へ向かって、洋服を脱いでいく。
脱いだ服を洗濯籠に入れて、お風呂場に入る。
身体を洗い、いざ浴槽へ。
設定温度は43℃。
ちょっと熱いがそれがまた良き。
「ふぁー。あったまるー。良きかな良きかな」
どんなに疲れていようがお風呂には入っていたブラック企業社畜時代。
今日は全力疾走したりモンスター退治をしからだろう、いつもよりお風呂が心地よい。
☆☆☆☆☆☆☆
お風呂場で今後の魔法世界での生活や日本での生活を火照た身体で考えること20分。
おいしそうな良い香りが風呂場まで漂ってきた。
今日の夕ご飯はすき焼きみたいだ。
お読みいただきありがとうございます。