心の小さな傷
僕が中学生の頃、同じクラスになった男子生徒の中に、おとなしい一人の男の子がいました。
その男の子は気が弱く、心臓が悪い為に顔色が悪く体育の授業に参加出来ず、休み時間に校庭で遊ぶ事も出来ずにいつも一人ぼっちでした。
僕は、誰とでも話すタイプで男女問わずに隣の席になった生徒とはいつもお喋りするのが好きでしたので、その子が隣の席になった時から結構話すように成りました。
その頃に心臓が悪いって事を聞きましたが、まだまだ僕も子供でしたので、身体が普通よりは弱いんだなって感覚で受けとりましたが、元々あまり個人的な事情は気にしないので、普通の友達として接していました。
ある日、理科の実験で普段どうりその子としゃべっていたら、同じ班の女の子が僕にその子をいじめるな、と強い口調で話してきました。(普段は僕は大阪弁を話しますので、口調は荒いと思います。)
僕はその女の子がそういうなら、仕方がないと考えてそれからはその子と話すのを止めて観察していました。
その後その女の子はその子を気にした様子もなく、話しかけもしなくて、その子はひとりぼっちに戻りました。
学年が変わりクラスも変わって、しばらくした時にその子が亡くなったと、噂で聞きました。