1.76 いじめられっ子のご登場
トヨ兄ってこの業界では割と珍しいまとも枠……の予定ではあったんです……気が付いたらこんな事になってたんです……
コッコッコッ
「……」
トットットッ
「……」
十三時十分。
無言で歩き続ける僕と男性。一度も振り返ることのなかったその背中を、僕はじっと見つめていた。周囲の喧騒は全く減らず、未だお昼の時間なんだなという感覚を強いられる。
「……」
「……ん」
軈て男性は大きな建物の前で止まり、僕の方へと顔を向けた。恐らく目的地に着いたのだろうか。
少し透明感のある白色をしたその建物は大きく、高さは窓の配置から七階まではあるだろう。幅も広く、八十メートル程はある。目の前に広がる扉は透明で、室内で慌ただしく動く人やソファに腰かけている人といった様子が見られる。そして中央には、恐らく僕の身長より少し小さい、大きな桶のようなものがある。
……あれ……でもここって……
「え……」
ガチャッ
「……」
「え、ちょ!」
しかし男性は困惑する僕を無視し、そのまま建物へと入っていった。
ここって……モクリサさんが務めるヘイルの……会社名「何受」の本社屋……だよね? 何でこの人がこの場所に連れて……え……まさかモクリサさんに会わせる……いや、でも、そんな、わけ……
「……」
「っ……」
唸っている僕を後目に、男性はスタスタと歩いていった。僕は考えるのを一旦やめ、男性の後ろを再び追いかける。
いやでも……僕に用事があって尚且つ何受ってなれば……モクリサさん以外に思い当たる節が無いんだよね……
「……ん? おん、おかえり」
「……」
中央に配置されている大きな桶のような物を避けつつ、前方にあるカウンターへと歩いていった男性だったが、カウンターの奥にいる緑色の髪をした男性に声をかけられた。
え……おかえり……?
「と、今日はそっちか……ん? そっちの子は?」
「んぇ……ぇ……えっと……」
すると今度は僕に目を向けた。
えっと、と、多分男性の近親者、かな……? でもこの髪色は昔見た気が……あれ待って、つまり今の僕って友達の家に遊びに行く男子高校生って事!? ちょっと嬉しいんだけど!
「……あ、もしかしてレン君か!」
「ぇ……」
「いや、なっつかしいな! 昔はよく遊びに来てくれたよな!」
唐突に名を呼ばれ戸惑っている僕を気にせず、男性の近親者さん(多分)は目の前のカウンターから身を乗り出し、僕の顔をジロジロと見回した。
あ……多分昔からここで働いてた人、なのかな。昔はモクリサさんに着いて行った事が何度かあったから、それで覚えてくれてたんだろうか。いや、よく僕だって分かったね。そんなに僕って成長してないの?
「えっと……お、お久しぶり、です……?」
「いや、無理しなくていいよ……十年以上前だし、多分覚えてないだろ」
ごめんなさい。そこそこ覚えてました。名前と顔はともかく、その髪の毛だけは覚えていたので。
「つまり……二人目か?」
「っ! っ、っ、っ!」
二人目……? もしかして、僕みたいに連れてこられた人が他にもいるのかな? いやでも男性の近親者さん(多分)は嬉しそうに言ってるし、男性も焦ってる感じだから、そんな深刻な状態ではない……のかな……?
「上がってもらうのか?」
「っ。っ!」
「OK。今扉開けるからな」
早くここから離れたいのだろう、男性は勢いよく頭を縦に振った。
ジェスチャー出来るじゃねえか。
すると男性の近親者さん(多分)は、カウンター脇に設置されている扉まで歩き、
カチャ
という音をたてたあと、
ガチャ
「ほんらよ」
その扉を開けた。
トットットッ
男性はその扉をそそくさと潜り、その奥にある階段を駆け上がって行った。
「え……」
「どした? レン君も行きなさいな。どうせ休学中で暇なんだろ?」
「は、はい……ありがとうございます」
展開について行けず固まっていた僕に、男性の近親者さん(多分)は声をかけてくれた。断っても逆に怪しいので、僕も扉を潜り、階段を駆け上がった。
休学中……?……あ、そういえば、今高校って半壊してるんだっけ。多分その影響で、かな。なら都合が良いや。暫くは動きやすくなる……んでもいつかは、退学になったことをモクリサにも言わなくちゃいけないよね……
恐らく三階だろうか。
「……」
「ん……」
透明な床を数十段登った後、男性は廊下へと歩を進め、両サイドにある扉を無視し、目の前に設置された扉の前に立った。
多分、この部屋に用事があるのかな。トヨ兄は知ってるらしいから、それに関わる誰かがいるのかな? それとも誰にも聞かせたくない話とか……
男性は右手の甲を扉の前に出し、
コンコンッ
「ぉ……サクか?」
そして少し控えめに、その扉を叩いた。それに反応するかのように、扉の奥から声が聞こえてきた。少し上擦っているようにも感じる。
サク……は、多分この男性の名前の事かな。良かった。後で聞こうとしてたけどすっかり忘れてた。ありがとう、中の人。
コッココンッコン
が、男性はそれには応答せず扉をリズム良く叩いた。
「……」
「……イケメンの方か……」
その音に、奥にいる人は喋らない男性が扉を叩いたと分かったのか、少し沈んだ声を出した。
イケメンの方……? あ、この男性はスキルで生み出された人で、その生み出した人の名前がサクさん、なのかな? というかイケメンの方って何? イケメンじゃない方ってどんななの?
「はぁ……いいや。じゃあ連れてきた人先に入れてくれ」
「……」
そしてため息を一つ着いた後、何故か僕から中に入れようとした。その言葉を聞き、男性は促すように、扉から離れ僕を見た。
に……んん……まぁいいや。なら僕が先に入っちゃおうかな。
「失礼、します」
ガチャ
一声かけてから扉を押し、中を覗こうとした瞬間、
バシャンッ
「にぇっ!?」
「帰ってくれ」
「っ!?」
全身に、冷たい何かをぶっかけられ、その直後に冷たい声も耳に届いた。扉の奥には一人の男性が、コップを左手に持ち目を瞑って佇んでいた。
うぇ!? ぇ、え、え、な、何!? 何を、え、水!? つめ、冷っ!?
「俺はお前に……」
「っ……」
「……」
「……」
「……」
「……ん?」
そして目を開け、僕を見た瞬間に固まった。
「んぉええぇっ!?」
「んごぁっ!?」
そして突如、大きな声を上げた。
扉の奥には黄色い椅子とテーブルが置いてあり、右側には黄色いベッド、左側にはテレビや本棚が置いてある部屋。偽王城の部屋にあったお風呂より少し狭いぐらいの印象だから、相当広い部屋だ。
そんな部屋のど真ん中で、僕は頭から被った冷たい水を白いタオルで拭いた後、肌色のセーターと足首まで覆う黒いレギンスに着替え、目の前で頭を地面に叩きつけている男性の方を見た。
「……い、いつまでそうしてるんですか……」
「まだ、まだ足りない!」
「謝罪じゃなくてただの自己満になってませんかねそれ!?」
呆れている僕の声に全く動じておらず、両脚と両手と頭を地面から離す気配を微塵も感じられない。
まだ謝り足りないって何? 謝られてる本人がもういいだろって思ってんだけど。
「何で……何で「トヨ君のこと、トヨ兄って呼ぶ可愛い別世界人がいる」とか言ったんだよ……」
「……え……」
「何で素直に元副会長って呼ばなかったんだよもう!」
「……」
頭を下げたまま、若干文句じみたその言葉に、サクさんは目を逸らした。
あ、僕がサクさんに「トヨ兄」について聞いたから……あの時静止してたのって、多分連絡とってたんだ。いや、スマホ持ってるなら、紙に文字を書くんじゃなくてスマホに文字を入力して会話してよ! あ待って……トヨ兄さんを知ってる可愛い別世界人……?
「……もしかして、マユカさんと勘違いしたんですか……?」
「っ……!?」
恐らく目の前にいる男性こそが、そのトヨ兄なのだろう。トヨ兄さんの前世の事はよく知らないけども、心当たりがあるといえば、やはりマユカさんが……
「……しっ……てるのか……?」
「えぇ、まぁ……一応、今回の召喚でマユカさん来ましたし」
「……」
マユカさん、という名前を聞き、トヨ兄さんは顔を上げて僕を見つめた。
この反応からして、多分マユカさんが来るって思っちゃったのかな。マユカさんが来ると思ってたから……
「……君、名前は?」
「え、あ、レン、です」
「レン……レン君……」
トヨ兄さんは立ち上がり、名前を聞いてきた。
流石ハヤタさんのお兄さん。僕じゃすぐ忘れちゃう事を当たり前のようにやってのけてる。
名前を聞いて、まるで記憶を辿っているかのように僕の名前を連呼する。僕はその男性の顔をもう一度見る。
「前世で一度、会ったことがありますよね」
「……多分、あの時だよな……保健室裏の告白」
そして僕もトヨ兄さんも、初対面を思い出したのか、確認するようにそう声を出した。
確か告白を断った後、この人がカーテンをシャッって開けて出てきたっけ。懐かしい。
「君があのレン君だったのか……」
「あの、って事はマユカさんから聞いてたんですね」
「マジか……」
そして何故か僕から離れるように、何処かドン引きしているかのように、仰け反った。
マユカさん……一体僕の事どういう人だって言いふらしたんだ……? 嘘教えたでしょ! 誇張して話したでしょ!
「で、そちらのお二人は?」
そして僕は話を変えるように、トヨ兄さんの後ろで地べたに放り出されたかなように寝転がっている二人を見た。
さっきからちらちらと視線に入ってくる二人の少年……両手に手錠を付けてるけど……何した人なんだろう?
「校舎が半壊したことは知ってるか?」
「え。あ、はい。トヨ兄が関わってることも」
「何でトヨ兄って呼ぶの君……?」
「え、あ、トヨ兄って呼ばれたいのかなと」
「何でそう思ったの君?」
いや何となく。あ、別にそうじゃないならトヨさんって普通に呼ぼうかな。
「……で、その半壊事件を起こした二人」
「……え……?」
「犯人」
「ええぇ……!?」
何でこの人、淡々とそんなおっそろしいこと言うの!? 怖くないの!? 凶悪犯部屋に招き入れてんだよ!?
僕は想定外の回答に大袈裟に見えてしまうような驚き方をし、その二人から距離をとるかのように仰け反る。
「っ! トケジロク君に何かするつもりか!」
「はい!?」
何だこの人? トケジロク君? そっちの寝てる方? 知らんがな。いや、何で何かをしてきた人が何かされるのを警戒するんだよ。
「あ、トケジロク君ってのは、その背筋ピン男の隣で寝てる人」
「いや、別にトケジロク君に何かするつもりは無いんですけども」
「信用ならん!」
「何故……!?」
何故僕をそこまで警戒するのかは全く分からないけど、手錠をしているって事はトヨさんが鎮圧させたのかな。ペップ……には、突き出さない方が良いか。
僕はそんな危険人物二人を今度はじっくり見る。
寝転がってるから分からないけど……多分僕よりは小さい。うん。そうだよね。立ち上がった瞬間僕を見下ろすとかいう絶妙な身長にならないよね。うん!
「……一応、別世界から来た人間を探して排除しようとしてたな」
「あ、そうでしたね……あ、僕の方も同じような考えの人と会って交戦しました」
「まぁじで?」
トヨさんは僕の発言を聞き、若干嫌悪感を顕にした表情をしながらベッドに腰かけた。
そういえばあの例の名前を聞き忘れたあの女性も僕の命狙ってたんだよね。なんか懐かしいな……
「えぇ……じゃあまだ俺ら狙ってる人達いるのか……?」
「か、可能性としては十分。少なくても、一人以上は」
まだ確定では無いけど、可能性はあるであろうソウヘイさん……状況的にも、この人が僕達の敵であることには間違いない。今現在、何処にいるのかが全く分からないのが怖いよ……
「と、それよりも……僕をここに呼んだのは何故なんですか? こっちの世界だと、まだお互い初対面でしたし」
「ん? あ、それはサクが……いや、いい加減生身で来いよ……」
「へ?」
「……」
トヨさんは呆れたように右手を額に置き、サクさん……正確には、サクさんが操っているであろうスキルで創られた男性を見た。
この反応……この件はあの人の独断なのかな。じゃあ尚更怖いんだけど!? 現地の人が別世界の人を招き入れるって、それこそ変なとこに突き付けられる……いや、トヨさんの様子を見るにそれは流石に無さそうかな。
当の本人……男性は、トヨさんの言葉に目を逸らしたままだ。右手で左肘を掴み、少し視線も下げている。
「恥ずかしいじゃねぇよ……顔ぐらいみ見せた方がいいだろ」
あ、それ恥ずかしがってる反応なんだ。
「……」
「それ以前に、自宅とはいえサクが勝手に連れて来たんだぞ。それに、レン君とはこれからもお世話になると思うし、さ」
何も分からずここに来たし、なんなら最初は「黙って着いて来い」って言われたもんね。確かに説明だけでもいいから欲しいよ。
黙りこくっていた男性だったが、やがてトヨさんの顔を見て両手を前に突き出した。
「……」
スンッ
「んぇ……!?」
直後、男性が消え、その場にレイトであろう青白い何かを一瞬だけ漂わせた後、そのレイトも音も無く姿を消した。
「……」
カチャッ
「んっ!?」
かと思えば、今度は部屋の扉がゆっくりと開かれた。
「そ……そ、その……」
そして扉の奥から、一人の少女が顔を半分以上扉で隠しながら現れた。扉はおよそ人が通れるとは思えぬ程しか開かれていないので、部屋に入る気は無さそうだ。
多分、あの人がサクさんなのかな? 恥ずかしがり屋……だとしても顔や体格が全く分からない……そんなに僕怖いの……?
「ト、トヨ君、にも、やっぱり、私以外の、人とも、交流してほしくて……」
「交流?」
そしてその体制のまま、途切れ途切れの言葉を繋げた。少し高い声だが、すごく小さい声。その声にトヨさんは首を傾げ、サクさんへと近づいた。
「っ! だ、って! あの事件が、起こる前、は、トヨ君、友達たくさん、いた……から……」
「同じ別世界から来た人となら、気兼ねなく友人関係になれるからってことか……?」
「っ……」
そして取っ手と同じ高さにある顔と目線を合わせるようにしゃがんだ。サクさんは顔を赤くしながら目を逸らした。
あの事件……今縛られてるこの二人がいなかったら、トヨさんは楽しい学校生活を送ってたってことだよね……
「本当は、こ、怖くて、今だって、言葉、詰まってて……」
「確かに。まぁでも、いつも通りの震え方だけどな」
トヨさんの言葉を聞いてからサクさんを見ると、扉がガタガタと音を立てそうな勢いで震えていた。
というかいつも通りって………僕とか関係無しに恥ずかしがり屋なのかな。ならちょっと嬉し……いや嬉しいはなんか違う気がする。
「本当は、に、逃げ、たい気持ち、ばっかりなんです!」
そんな震えを吹き飛ばすかのように、サクさんは声に力を込めた。トヨさんとは視線を合わせず、下を向いている。
「でも、ト、トヨ、トヨ君は!」
「……」
「わた、私、を、助けてくれて、恩人で、唯一、の、ゆ、ゆう、友人、で……逃げた、逃げたくても、逃げたくないんです!」
「ん……」
「み、みす、見捨て、たくは、ないんです……」
途切れ途切れでも、確実に伝えたいのだろう。目を瞑って震えていても尚、力強い言葉が僕の耳に届けられる。
自分から苦手な、怖いと感じる事象へと飛び込む……この人、怯えてるように見えて強固な精神力も持ってるに違いないよ。それと……恩人……?……いや、こういったことは気になっても自分から聞きに行くのはやめた方がいいよね。
「それは……その……」
「んひっ……」
「う……嬉しい、けど……よ……」
自分の為だと知ったからか、トヨさんは右腕で顔を覆いながらサクさんから顔を背けた。
赤らめてるよ顔。隠しきれてないよ耳。多分サクさんにもバレてるよ。
「一つ聞いてもいいですか?」
「え? な、何だ?」
「……」
そこでふと気になった。絶対こんなこと言う場面では無いと分かっている。が、気になってしまった。僕はトヨさんに近づき、サクさんの顔を見た。
「こんな良い子が、将来ハヤタさんの義理の姉になるんですか……!?」
「どういう心配だそれ!?」
そして耳打ちするような形で、トヨさんにそう問いかけた。
だってこんな、誰かのために自分の苦手と真正面から立ち向かうって、今時そんなに、え、存在するのそんないい子が!?
「だって、だってあのハヤタさんですよ! 心配しかないじゃないてすか!」
「気持ちは分かるが俺の弟はそこまでの変人じゃねぇよ! ただの非常に残念なイケメンだ!」
「理由としては十分過ぎます!」
そんないい子が、ハヤタさんの義理の姉になるんだよ? ダメでしょ? 勿体ないでしょ! 待って、トヨさんも気持ち分かるの?
「ぇ……ひぇ、え、あの……」
「ん?」
「っ……その……」
そんな僕達の会話を聞いていたサクさんは、何故か唐突にしゃがみ込んだ。先程よりも更に赤い、沸騰してるようにも見えてしまうほど暑そうな顔をしている。
「み、未来の義理の姉……って、ど、どと、と、とと、ど、どういう、どう、どう!?」
「……」
「……」
「……」
……
「レン君」
「……はい」
「嵌めたな?」
「ごめんなさい、まさかまだとは思ってなかったもので」
無言になってしまった僕に、トヨさんは笑顔で僕を見つめる。その笑顔を見つめていると何故か震えてしまいそうだ。
だってさ、そんなお互い顔真っ赤にして会話してさ、普通そういう関係になってるって思っちゃうじゃんさ。
「あぁ、その……」
「っ……」
「……その件はあいつらがいなくなった時、また……」
「んひぃ!?」
ガゴッ
「ごっ!?」
「んに!?」
トヨさんはサクさんの顔に近づき、その耳元で囁いた。サクさんは扉の奥で音を立てた後、そのまま倒れるようにしゃがみこんだ。恐らく、脚を扉にぶつけたのだろう。前のめりになって悶えている。
あいつら……は、僕と凶悪犯二人の事かな。というかサクさん大丈夫? 重たい音が響いたんだけど?
「前世はなんじゃろなのやつー」
「最高」
「雑タイトルコールで賛美の声あげないで」
「ゲストはトヨさんとサクさん」
「よ、よよ、よ、ろろ、よろ、ですっ」
「私とこの二人。本編よりも早く出会ったね」
「本当に何でだよ」
「じゃあ選手権始めますよ」
「前々から思ってたけど本当何だこのクソ寒コーナー」
「思ってても言っちゃダメです」
「作者が絶賛黒歴史生成中とか言わない」
「で、今回はハヤタとマユカちゃんの前世らしいです」
「どうせ変わらんだろ。前世から美カップルなんだから」
「前世から美カップル」
「何ですかその造語は」
「後サク。もうちょい喋ってくれ」