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あいに溢るる  作者: 手石
共愛を求め狭隘な心を持った狂愛な少年
16/107

1.16 生徒会長は不思議な性格をしている人ばかりだなと勝手に思っています

生徒会長って個性の塊になるパターンが多いよね。

たまに教師以上の権力を奮ってくる事無い?

 昔、マユカさんが言ってた。


「私のクラス、ハヤタ君以外良い人があんまりいないんだよね」


 ある日、生徒会室で二人っきりの時に急に始まった。マユカさんの愚痴が。


「特にあの人は嫌いかな。えっと……名前なんだっけ? まぁいいや。ハヤタ君以外の人は興味ないし。あ、でも最近は友達も出来たっけ」


 誰だか知らないけど、ドンマイその人。


「その人私に執拗に話しかけてくるし、一番ハヤタ君に嫌がらせしてるんだよね」


 多分嫉妬かな。嫌がらせは気持ち悪いかな。正々堂々というものを知らない男だな。


 マユカさんは生徒会長だ。でも、だからと言って完璧人間じゃない。たまには、愚痴の一つや二つ言っておかないと、いつか爆発しちゃうかもしれないよね。









 召喚した部屋を出て、中庭擬きに向かってまっすぐ進む。中庭擬きに入ると、皆驚愕や感嘆の声を上げていた。


「なっ! なんだここは!」


「すごい。地面がくり抜かれている」


「大丈夫かな? 落ちたりしないよね?」


 誰もおらず、静かだった中庭擬きが騒がしくなる。昼間は誰もいないんだっけ。

 確かに驚くよね。特にガラス張りだから、怖いって感じる人は多いだろうし。


 男子は僕とハヤタさんの部屋がある方の螺旋階段。女子はミチルちゃんとフルキさんの部屋がある方の螺旋階段をそれぞれ使う。

 まぁ、皆にとっては性別で分けられるのはおかしくないのかもだけど……こっちに慣れすぎたからかな、ちょっと違和感。


「あ……」


 と、僕は全員が中庭擬きに入ったあたりで気がついた。

 よく良く考えれば、女子の部屋の前まで男子が行くのもあんまり良くないよね……?


「どうかしたのですか?」


 立ち止まった僕を心配したのか、ドウルさんが少し前屈みになりながら聞いてきた。


「あ、いえ……僕が女子の部屋まで行くのはまずいかな、と思いまして」


「……は?」


「え、そこまで変なことでしたか!?」


 若干半ギレ気味な声色だったんだけど。凄い低い声が響いた気がするんだけど。いやまぁ、確かにドウルさんからすれば「何言ってんの?」って感じかもしれないけど……召喚者達は気にする世界なんだもん。


「はぁ……それでしたら女子の方は私が案内しておきますよ」


「へ……! い、良いんですか?」


「ええ。構いませんよ」


 半ば呆れ気味、といったふうだが、ドウルさんがそう提案してくれた。


「それなら是非お願いします!」


「何故そんなに食い気味なんですかね……と、私にも仕事はございますので。朝のお迎えの方はレンさんが担当をしてください」


「……え……」


「何故そんなに嫌がるのですか……?」









 ドウルさんと別れ、僕は男子を案内する。部屋は螺旋階段を登ってすぐ左側。そこには計十個ほどの扉がある。

 僕はその十個ほどある部屋を手で示しながら説明しようとした時、一人の男子が手を上げた。


「はい。どうかしましたか?」


「レ……レンさん……俺は、俺は今、まともでしょうか?」


 なかなか答えにくい質問だ。何故なら彼は今、髪の毛がボサボサになり、汗が恐ろしいほど流れているのだから。


 重症だこれ。彼だけずっと登っても登っても全然進まない階段でも登っていたのかな? 軽く恐怖映像だよ!


「目を回したのですか……?」


「あ、あぁ……」


 耐性なさ過ぎじゃないこの人。目を回したじゃなくて、疲れてるとかそういうレベルじゃない? いや、もう少し頑張って。不安しか残らないから。


「あ、大丈夫ですよ。こいつはこういう体質なので。こんなの日常茶飯事です」


「日常……え、じゃあいつも……?」


「はい。いつもです」


「そ、うですか……? なら大丈夫……ですかね?」


「そ、そう? よかったぁ」


 ごめんなさい。ちゃっと怖い。汗の量が尋常じゃないんだもの。脱水症状になりそう。常日頃から水分摂りまくってるのかな?


「ええっと、それでは皆さんはここにある部屋をお使いください」


 気を取り直し、僕は再び手を部屋の方に向けながら説明する。


「中は広く、五人程でしたら同じ部屋でも過ごせると思います」


「おぅら! 俺はここの部屋にする! 何か良さそう!」


「じゃあ、僕達はこっちの部屋行こっか」


「おっけー」


「俺は……この部屋にいるから」


「うん、おやすー」


 簡単な説明のみを終えた瞬間、各々好きな部屋に入っていった。

 楽しそうな雰囲気だなぁ……


 今日は疲れた……体を使ったとかってわけじゃないけども。明日は顔合わせ……ハヤタさんには一応言っておいたほうがいいかな。前髪上げておいてって。











 僕は階段で再び下の階に行く。セルント王の部屋の前に来た時、フルキさんとミチルちゃんの二人が反対側の螺旋階段の奥にある扉から出てきた。


「おぉ、レンです」


「ん。おぉ。そっちは終わったの?」


 二人が僕の存在に気づき、話しかけてきた。僕は二人にゆっくりと近づいた。


「うんまぁ。結構疲れたけどもね……」


 そして近づきながら言う。

 何故こんなに疲れたのか自分でも分からないほど、今の僕は疲労中だ。

 そして何の毛なしに僕は二人の後ろにいる集団に目をやった。


「ん? どうしたのです?」


「え、あー、どんな人がいるのかなって」


「セルント王ですらやらないよそんなこと」


 地味かつサラッと酷いこと言ったね今。

 ……まぁそりゃ、いるわけ――


「っ!?」


 僕は驚きと同様で固まってしまった。

 ……何で、何でいるの……!?


「ん。どうした? 大丈夫か?」


「だ、大丈夫、だよ」


 声をかけられ、視線を二人に戻してから、そう返した。


「そうは見えないのです! まるで大好きな人の浮気現場に遭遇して裏切られて絶望している男の子みたいです」


「やけに具体的」


「今の僕、そんなに酷い顔してるの?」


 全く考えていなかった……というより、忘れていた。まさかあの女がいるなんて、思ってなかった。


「本当に何かあったんですか? 何なら相談を聞くだけならしてやりますよ」


「聞くだけって」


「今案内してる途中ですので」


「あ、それは失礼」


 二人は召喚された人を案内している途中なのに、僕は引き止めたのを忘れてた。

 忘れ過ぎだな僕。歳かな?


「えっと……そ、それじゃ、僕は先に」


「です」


「り」


「二人合わせてたったの三文字」


 そのまま螺旋階段を登っていた。あの女は登る直前、こっちを一瞥してきた。


 二人とそのグループを見送り、僕はセルント王の部屋の前に立ち、


 コンコンッ


 小さくノックをする。そして、


「案内人のレンです。案内がひと段落したので王室に参りました」


「ほう来たか。良いぞ。入れ」


 一言断りを入れ、僕は部屋へと入っていった。まぁ、やることは残りの三人を待って、後は明日の予定を確認することだけだけども。













「おかえり」


 部屋に戻ると、ハヤタさんが「お出迎え」してくれた。そう「お出迎え」したのだ。


「ただいま……ん? いや、おかしくないですか?」


「ん? 何がかな?」


 一緒に帰ってきたはずなのに、先に部屋に入っただけなのに、おかえりはおかしくない?


「おやおや? かなり疲れているご様子ですね。僭越ながらこのハヤタ、レン君の肩をモミモミして差し上げましょう」


「いや……もう……というか何なんですかその話し方は」


 こういうのは今に始まったわけじゃないって分かっていても、唐突にやりだすからちょっと怖い……

 するとハヤタさんはベッドに腰掛け、


「ささ、ベッドに寝転がりくださいな」


 自分の太腿をポンポンと叩きながら、謎の発言をした。


「肩揉みのはずなのにベッドに寝転がるって変だと思うんですが」


 される側が寝転がったらやりづらくない? 肩をほぐすためにやるんだよね?


「そんなこと言わないでくださいな。ささ、僕の膝にダイブしてくださいな」


「そもそも、肩もみのはずなのに膝枕するのって変だと思うんですが」


 どこを何するつもりなの? 少なくても肩もみの選択肢はその時点で消えると思うよ?


「ほら、恥ずかしがらないでくださいよ。モミモミタイムですぞ」


「というかモミモミって言うのやめてくださいよ! なんか恥ずかしいです!」


 多分肩以外のところも揉まれそう。

 そう思いつつも、僕はハヤタさんの右隣に座る。


「ム。ほうほう……今日はやけに積極的ですな旦那」


「隣に座っただけで積極的って言われるんですね」


「of course」


「ええぇ……」


 無駄に発音良くもちろんと言ってきた……そこまで消極的だった記憶はないんだけども……いや、ハヤタさんにはそう見えたのかな?


「まぁ実際、疲れたのは事実ですし。少しで良いので肩を借りたいなって思っただけですよ」


「ほぉ。僕の肩を借りたいと。ちょっと待っててね取り外すから」


「取り外し可能な肩って何でしょうか?」


 ちょっとそれは怖いかな。

 僕はハヤタさんに寄りかかる。肩というよりほぼ腕に。ちくしょう。よくよく考えたら相手は先輩だから寄りかかるって失礼かな? まぁ、ハヤタさんなら大丈夫か。


「で、どうだった?」


 僕の頭を左手で撫でながら、優しくそう聞いてきた。

 何故そんな自然な流れで僕の頭を触りやがるんですか?


「どうだった……? あ、えっと、召喚された方々は、その……個性的な方ばかりでしたよ」


 というより、美男子の巣窟だったなぁ……試練かな?


「ほう。レン君にここまで言わすとは。どんな人達か見てみたいものだね」


「ハヤタさんがそれを言っちゃいますか!?」


 というかハヤタさんの元クラスメイトなんだけども……まぁどうせ明日会うし、言わなくてもいいや。面倒だし。


「んで、どうだったの?」


「え、いや、ですから――


「召喚された人の中にさ、知ってる人っていたのかな?」


「……え……?」


 顔だけをこちらに向け聞いてきた。いつものようにゆるい声色で、なのに真剣にも聞こえる声色で。

自分でも何か無理矢理感ある展開かなって思ってます。やべぇな。

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