表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あいに溢るる  作者: 手石
共愛を求め狭隘な心を持った狂愛な少年
14/107

1.14 幸先不安だね笑

猫の日。しかしレン君は狐耳。

20220222って書くとなんか面白ごめんなさい何でもないです。

 マユカ会長。


 今の僕よりは短いが、うなじは隠れるほどの長さの髪の毛、何もかもを見透かしているのではと思うほど大きく、キラキラしている目。そして赤い眼鏡をかけている。後身長が百七十cmあるって言ってたっけ。縮んでほしい。


 マユカ会長……ハヤタさんとややこしくなりそう……マユカさんは僕が生前通っていた高校の生徒会の会長だ。ライフル射撃部に所属しており、その容姿と生徒会長に見合う優秀さから、男女問わずほとんどの生徒が彼女を慕い、敬っていた。もちろん、僕もマユカさんのことを尊敬していた。


 そして、ハヤタさんのことを誰よりも愛している人だった。これこそ僕がハヤタさんのことを一方的に知っている理由だ。

 マユカさんは時々、僕にハヤタさんのことで相談をした。僕はアドバイスをしたり、なんなら影から見守っていたりとしていたのだ。だからハヤタさんは僕のことを知らない、と思ったのだ。










「僕はレンと申します。皆さんと同じ、ただの、男子高校生です。以後、よろしくお願いします」


 今更だが自己紹介をする。「ただの」を強調して。最初の方はわちゃわちゃしてて言うタイミング逃しちゃったからね。


「男子高校生?」


「はい。申し訳ありませんが、僕はお姫様ではございません」


 姫……そういえばセルント王の家族ってどこにいるんだろ? 全く見かけないけども。


「……男なの?」


「はい。男です」


「……マジで?」


「マジです」


「……ちょっと脱いで」


「マ……え、脱ぐ? それぐら――


「ダメに決まってるでしょ! 何言ってんのよあんた!」


 なんでだろう。僕が男だって言ったことにえらく困惑している。そんなに僕ってかっこよくないのかな……もしや髪型か? この馬の尾がダメなのかな?


「なんだよそれ……おかしいだろ……」


「やばい……やばすぎる……」


「どうしよう、やっぱ俺……」


 みんなボソボソと何か言ってる。

 不安がってるのかな? まぁ、見知らぬ世界でよく分からない人と話すとか、普通は不安になるよね。うん。今はそうだと思っておこう。


「それでは全員が残る、という前提で説明をしますが、よろしいでしょうか?」


 実質最後の確認だ。ここで誰も声をあげなかったら話を続けるつもりだ。

 静かになる。これはつまり、全員が残るということなのだろう。凄い覚悟だ。


「ではまず、戦う術に関する説明を行います」


 向こうと違って激しい世界だから、まずはそこから説明を始めよう。


「まずは、皆さんにとって聞いたことはあるけど馴染みが薄いであろう「職業」というものについて、説明しましょう」


「おぉついに! 興奮する!」


「んー?」


 何故に? 職業のどこに興奮する要素があったの? というかこっちの世界での職業の意味なんて知らないよね?


「えと、職業とは――


「戦うための力だろ? そんなのいいから、ステ確認の方教えてよ」


「え、ね、な、何で知ってるんですか!?」


 僕の目の前に座っていた男子が、説明を始めようとする僕の声を遮り、短く説明した。

 何でさも当たり前のように……!? っ! もしかして逆転記的な事をしたのこの人!?……まさかこっちの世界出身!? 流石に無いか。


「えと、で、では次に、どんな職業に就いたのか。それを各々調べていただきたいと思います」


「どうやって調べるんですか?」


「それを今から説明します……」


 せっかちな性格だな。うん。少しの間でいいから静かに聞いててほしいよ。


「まず、皆さんの真下にある湖の上で両手を組んでください」


 そう言うと皆下を向き、湖があることを確認してから両手を組んだ。


「次に目を閉じ、心を落ち着かせます」


 そこで一度切る。全員が目を閉じ、静かになったことを確認し、続ける。


「そして、「私に与えられし加護、今一度お教えください」と、心の中で唱えます」


 僕も両手を組み、同じようにポーズをとる。


「すると派手な演出とともに、自分の職業を教えてくれます」


「なぁなぁ、派手な演出ってどんな?」


 ごめん、できれば尋ねないで欲しかったかな。心を落ち着かせるのって、地味に大変だから。

 それと落ち着きを崩してまで聞くことなのかなそれ? 百聞は一見にしかずって言葉知らないの?


「派手な演出です。それはもうそれ以外に表現のしようがないような、そんな演出です」


「雑だわ……」


 しょうがないじゃん。僕だってどう表現すればいいのか分からないし。

 僕は助けを求めるように、無言で後ろに待機していた召喚士さんに顔を向けた。瞬間、全員が目を逸らした。薄情者。


「神に語りかける……まさかこれは、神聖なる水……? 飲めば強くなるとか?」


「……多分そんな超性能は持ってないと思います。この世界のあらゆる水が、神と意思疎通ができる唯一無二の代物ですので」


「水やばっ!?」


 分かった。この世界に留まる覚悟を決めた訳じゃないなこれ。多分これ舐めているってやつだ。平和気分が抜けてない。


「……」


「無言の圧力!? ちょ、お前ら一回黙って取り掛かれ!」


 この人たちと一緒にいると疲れる……無理矢理にでも帰らせたい……


 この世界の人たちも、今の彼らと同じように祈りを捧げ、初めてメインの職業を知ることができる。僕も一歳半の時に初めて行った時はその派手な演出に派手に驚いた。

 懐かしいな。あの時の尻もち……

 そしてその時知った僕の職業……眠り人。

 普通に考えたら職業ではないと思うんだけども。ただのサボり魔じゃん。


 皆が両手を組み、ようやく静かに祈りを捧げてくれた。

 これは僕も空気を読んで静かにしておいた方がいいかもね。

 と不意に、


「レンさん、レンさん」


 と後ろから誰かが、声を殺しながら僕に話しかけてきた。

 僕は振り返り、声の主を確認する。そこには王の側近がいた。

 確か……ドウルさんって名前だったはず。


「はい、どうかしましたか?」


「実はセルント王が――


「うぉぉ! 何だこれ!」


「ひぇっ!?」


 ドウルさんが何かを伝えようとした時、祈りを捧げていた皆が急に大声を響かせた。


「急に何か浮かんできたぞ!」


「うわっと! へぇ! よく分かんないけど強そう!」


「うし、早速試してみようぜ!」


「お、いいな! 付き合うぜ!」


 まぁ、興奮する気持ちはわからないとまでは言わないけども……


「我々が声を小さくした意味、ありませんでしたね……」


「あ、あははは……」


 呆れるドウルさんと苦笑いを浮かべる僕。

 正直まだ祈り中の人もいたから、声は我慢してほしかったな……急に大きな声なんか出したらビックリするじゃん。










 ――と、申しておりました」


「了解しました。ご報告、ありがとうございます」


 僕はお礼を言い、敬礼をする。それに答えるように、困惑しながらもぎこちない感じでドウルさんも敬礼をする。

 返してくれた! 嬉しい! なにこれ、こんなに嬉しいものなのこれって!


「えっと……こ、これが私の仕事ですので」


 もしかして敬礼ってあんまりやらない文化だったのかな……? でも返してくれたから知らないわけではない……よね?

 そう考えながら、僕は未だ興奮が冷めきってない彼らの方を見る。


「ふぅ……よし……では皆さん。僕に注目っ! してください」


 未だ敬礼による興奮が冷めていない僕は、大きな声で注目を集める。興奮していた皆は黙って僕の方を向いた。


「……はい、ありがとうございます」


 皆が僕に注目をしてくれたのを確認し、話を続ける。


「職業のお試しは、また別の機会でお願いします」


 とりあえず先にこれを言っておく。試すとか以前に扱い方も分からないと思うけども。


「先程、セルント王……この国の王より伝言を頂きました」


 一旦区切り、咳払いをする。

 こうすれば、こっから先はセルント王の言葉だって分かるはず。だよね?


「「これからの詳しい方針を決めたい。召喚者から代表で一人ずつ、現地人の案内のもと私の部屋に集まって欲しい」とのことです」


 ドウルさんの言葉をほぼそのまま伝える。多分、僕に経由して言った意味ないよね。ドウルさんもまだ隣にいるし。


「王直々の招集……やだなぁ……むさ苦しそうなおっさんと対面って……」


「たとえそう思ってても言わないでくれるとありがたいですね」


 処されるよ? 特に別世界の人は忌み嫌われているし。問答無用で処されるよ?


「あれ? あの、何で一人なんですか?」


「……何故でしょうか……? あ。多分セルント王の自室が狭いからですかね」


「王なのに部屋が狭いって……」


 そういえば挨拶に行った時、机と本棚と玉座しかなかったな……いじめられてるのかな?


「代表で一人ずつ……その言い方だと私たち以外の人も来るみたいに聞こえるけど……」


 と、そこへ今まで一言も喋っていなかったマユカさんが僕を見ながらそう言った。


「もしかして、私たち以外にも召喚された人がいるんですか?」


 よく気がつきましたね。

 さすがです。

 尊敬します。

 めっちゃ。

 嘘です。ただ単に説明してなかっただけです。試したかったわけじゃないです。


「その通りです。今回の召喚は別々の場所で、同時に行いました。皆さんと同じ別世界の方はは、あと二グループおります」


「はぁ!? 俺たち以外にも別世界の人があと二グループもいるっていうのかよ!?」


「え……ええ、はい……」


 言ったことをそのままオウム返ししてきた。

 何故リピートしたんだろう。


「右も左も分からない私たちを打ち遣るのは言語道断。だからこそ、私たちの中から代表を一人選び、赴くってことですね」


 おおぉ……! さ、流石マユカさん……! 頭の回転が速く、かつかっこいい言葉をつらつら言ってのけてる! 凄い。僕にはそんなかっこいいこと、絶対にできない!

 この流れならマユカさんが代表に選ばれそうかな。生徒会長だし。


「ま、そういうことなら、俺が適任かな?」


 何故!?

 今の流れだとマユカさんの方が代表に向いてると思ったんだけど! 聞いてた今のマユカさんの力説! 「打ち遣るのは言語道断」だよ! 「置いていくのはもってのほか」をこんなにかっこよく言い換えてるんだよ! くぅぁ! かっこよすぎる!


「えー。いや……まぁ、別にいいけどよ」


「確かに、特に異議なし」


「おう! やったれソウヘイ!」


「フスゥー! フスゥー!」


 なんか皆が盛り上がってる……というか最後の人、指笛が全くできてないじゃん。まぁ、満場一致なら別に良いけどもさ……


「分かりました。それでは――


「私がご案内いたします」


「へ? あ、なるほど。じゃあ、お願いします」


 ドウルさんが案内を申し出てくれた。多分、召喚された人の見守りは僕の方が適任だからドウルさんが案内するのだろう。

 ドウルさんはソウヘイさんまで近づき、右手を胸に当て、敬礼のポーズをした。


「では参ります。私について来てください」


 そう言うと優雅に身を翻し、スッスッと歩を進めた。

 ……何この人……


「何でそんなにかっこいいことをスっとできるんだ……」


「……え、そんなに意外なことですか?」


 僕でもやりたいとは思うけど、やったから何じゃいって思うから……あ……やっぱりあれか、良い感じの顔をお持ちの方はなんの躊躇もなく出来るってか?


「それでは皆の者、俺は行ってくる!」


 ……逆にこの人はテンション高いな。テンション上がりまくってるじゃん。あ、こういう人をテンションアゲ〜っていうのか。あ、この人さっき僕だけを守るっていう衝撃発言した人じゃん。衝撃発言……衝撃さんって呼ぼうかな。ダメかな? 流石に酷いかな?

職業はこの世界だと扱いにくすぎる力という認識で、大雑把に三種類あります。

・古のジョブ(昔ながらの仕事スタイル)

RPGとかに出てきそうなやつ


・輓近のジョブ(今時の働き方)

警官とか消防士とか、異世界っぽくないやつ


・神より授かれしジョブ(頂き物の力)

それ以外


そこまで重要じゃないし、何なら本編でも説明しないかもしれないので覚えなくても良い奴ですね。


にゃおーにゃんにゃん年にゃん月にゃんにゃん日に何無駄なこと説明してるんだろ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ