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あいに溢るる  作者: 手石
共愛を求め狭隘な心を持った狂愛な少年
13/107

1.13 尊敬する人との再開

因みに、こんなタイトルですがルルちゃんではありません。

いつ出てくんだよこの子。あらすじの「焦れったい恋に飽き飽きなあなたへ」って謳い文句一体何だったんだよ。

 僕は神界で授かった妖精の力を使ったことがある。

 一歳になった時、水の祈りをした後から、それまで使い方が全く分からなかった妖精の力を使えた。簡単だった。念じるだけだった。


 僕はみることができる。


 だから僕は、この力をなるべく使わないようにと決めた。







 八時過ぎ。

 二つ並ぶ扉のうちの右側を開けて中に入る。だだっ広い部屋になっていた。

 広い、といっても行動可能な範囲はそこまで広くない。扉を入ってすぐに二つの柱が置いてある。一定の間隔で左右に広がり、まるで道を作っているかのように奥に伸びている。さらに部屋の半分を謎の湖が占めている。

 ……何だろ。何でかは分からないけど、プールっぽい雰囲気がある……


 中で待っていた召喚士さんによると、この湖の中から出てくるらしい。

 ……溺れたりしないかな? 大丈夫かな? 心配しかない……というか本当に大丈夫かな? 相手の許可も得ずに連れてくるのかな? 女神さん云々の前に普通に誘拐じゃないのかなこれ?


 ……はっ! ダメだ、落ち着かないと! 落ち着け、落ち着け。考えすぎは良くないって昨日ハヤタさんに言われたばっかりなんだし……! でも本当に大丈夫なのかな……?


「レンさん! 召喚の準備、できました!」


 そうこうしているうちに、準備が完了してたみたいだ。


「わ、分かりました! 僕もいつでもいけます!」


 まるで覚悟を決めたかのようにそう言った僕なのだが、僕自身に何の準備が必要なのかは全くもって分からなかった。でもちょっと興奮してきたから心は落ち着かせておかないと。


「承知しました。それでは始めます」


 召喚士さんはそんな僕を気にせずに作業を始めた。

 召喚士さんは全部で十人ほど。その十人全員が、湖に向けて、両手を突き出した。


「ドドドドドド」


「フワフワフワ」


「ふゅういふゅういふゅうい」


 そしてみんなが口を揃え、何かを唱え始めた。言葉……というより、謎の呪文みたいな。まぁ何かって言っても、この状況から召喚するための呪文だとは思うけども。








 召喚士さんの、客観的に見て解読不能な念仏を唱える姿を五時間ほど眺めていると……


 いやちょっと待って。長くない? 流石に長くない? ちょっととかのレベルじゃないよこれ? 五分とか十分とかだと思ってたんだけど? ねえ? まだかなぁ、まだかなぁ、って思いながらワクワクドキドキして召喚士さんを眺めてる僕の姿はさぞ滑稽だっただろうね! 五時間もかかるなら先に言っておいて欲しかったです……!


 ザバァッ


 勢いよく音を立てながら、湖の中からピンク色の花の蕾のようなものが浮かんできた。幻想的で、綺麗な印象がある。

 蕾って事は、閉じられてるって事……? あ、なるほど。多分この中に人が入ってるんだ。これなら溺れる心配もないね。考えた人天才じゃん。


 そして、


 ザバァッ

 ザバァッ

 ザバァッ


 と何本もの蕾が次々と浮かび、最終的には四十本ほどの蕾が湖に現れた。

 今僕は、すごくドキドキしている……この蕾の中に……人が入っているんだと思うと、すごい興奮する!


「ふぅ……ではレンさん。すぐに蕾が開きますので、前へ」


「は、はい! 分かりました!」


 少し疲れ気味の召喚士さんがそう言い、後ろへと下がって行った。それと入れ替わるように僕が前へと歩く。

 僕が前に出てすぐに。綺麗な蕾が静かに開いた。中には予想通り、人が入っていた。体育座りや女の子座り、瞑想ポーズや普通に寝ている人など様々なポーズをしていた。僕はゆっくりと、その中にいた人達一人一人に目を向ける。

 ……いない……いや、当たり前か。仮に同じ世界の人だったとしても、ルルちゃんが連れて来られる確率なんて低いとかそんな次元の話じゃない。


「……な、なんだ、ここは?」


 軈て静かだったその空間で、一人の男が動揺混じりにそう言った。


「初めまして。それと、いきなり呼び出してしまい、申し訳ありません」


 僕は一歩前に出て、彼らに向けて話しかける。もちろん、少しでも安心させるために、穏やかに、かつ笑顔で。


「混乱しているかもしれ――


「な、何だ! いきなり俺たちをこんなところに連れてきて、何をさせるつもりだ!」


 が、説明をしている途中で、大きな声で、そして勢いよく遮られた。

 やっぱり混乱している。その気持ちはよく分かっているつもりだ。だからこそ、優しく話しかけなければ。


「ご、御安心ください。私た――


「何言ってんだよ! こういうのはお決まりの魔王討伐に決まってるだろ! よし! 良いぜ、やってやろうぜ!」


「いえ、勝手――


「よしきた! オッケーだぜ!」


「俺はいつでもやる気満々だぜ姫様!」


「あの僕まだ謝罪しかしてないのですが!?」


 それと誰? 僕のことを姫って呼んだの?

 受け入れるの早過ぎない? 誘拐まがいなことをしたとはいえ、何でこの人たちこんなに勝手に話を進めるの?


「その通りです。みなさんには魔王を倒していただきたいと思い、お呼びしました」


 逆に困惑してしまった僕の後ろで、召喚者さんの一人が両手を広げながら彼らに言った。

 え、何それ? そんなの聞いてないんだけど!?


(この世界の未来は、諸君らにかかっている。その気持ちで頑張ってくれ)


 いや待てよ。そういえばセルント王がそんなこと言ってたような……もしかして、あれってそういうことだったのかな? そのまんまの意味だったのかな?


「断る理由もない。俺たちがその悪の根源を、魔王をバラバラにしてやりますよ! なぁ! みんな!」


「うぉー! やってやるぜ!」


「ふひゃはは! やる気が出きたゾイ!」


「……わぁお……」


 まぁ、うん……ネガティブになるよりは良いよね? それとバラバラはやりすぎだと思う。怖い。


「で、では、まず初――


「ステータス!」


「オープンザステータス!」


「開け、ステータス!」


「……えっと……?」


 説明を始めようとした僕を無視し、謎の言葉を叫んだ。

 なに、何で急に叫んだの? ステータス? 身分がどうしたの?


「……あれ、何も出ないぞ?」


「なんだ何が起こってるんだ?」


「あれか、こういう展開か。つまり俺はこの後……」


 そして案の定困惑した。

 いや職業でもスキルでも、そのセリフで発動するものなんて少なくても聞いたことがないんだけども。


「……何を期待しているかは分かりませんが、それ以前に『ステータス』と詠唱するものは存在しないはずですが……」


「はい?」


 僕の言葉を聞き、叫んでいた人達が困惑しながら僕の方を見た。

 逆になんで「身分!」って叫ぶスキルがあると思ってたんだろう……ダサくない?


「申し訳ありません。こちらの世界では、そのような制度はございませんので……」


「え……?」


「本当に申し訳ありません……」


 と言い、頭を下げる全召喚士さん。

 あ、これ僕も頭下げとかないとダメなやつだ。一応下げないと。というか召喚士さんが言った制度って何? 「身分!」って叫ぶ制度って何? やらなくてもダサいって分かると思うのになんでやったんだろう……あ、さっきから全然喋っていない人達がすごい笑いを堪えてる。叫んだ人たちは皆顔を真っ赤にしている。ダサいって自覚なかったのかな?

 僕は頭を上げ、彼らにこう言った。


「ええっと、ど、落ち着きましたか……?」


 僕の言葉を聞いて尚、無言のまま顔を赤くしている人達。

 静かになったからいいけども……大丈夫かな……?


「えっと……それではまず、皆さんに決めていただきたい事がございます」


 一旦区切り、無音になるのを待つ。静かになったのを確認し続ける。


「それは、この世界に残るか、元の世界に戻るかです」


 昨日、セルント王は「元の世界へ帰る方法はちゃんとある」と言っていた。元の世界が恋しい人もいるだろうからと。


「すぐに決めろとは言いません。ただ、皆さんにはやっていただきたい事が幾つもございますので……」


 街へ行って散歩や娯楽を楽しんだり、訓練についていけるか判断したり、少なくてもすぐには決められないようなことばかりだ……


「……だいたい二週間ほどで決めていただければ幸いなのですが……」


「……」


「……」


「えっと……?」


 沈黙。

 ……あれ? 僕そんなに変なこと言ったかな?

 すると、一人の男性が近づいてきた。僕とは真逆で短髪、黒い前髪を上げておでこを出している。小さな鼻とキリッとしたつり目をしていて、何だろう、色々分けてほしい顔をしている。


「安心してください、姫」


 誰が姫じゃい。いや、今のこの髪型じゃ説得力あんまりないかもしれないけどさ。


「俺たちは帰りません。絶対に」


「……は?」


 待って。何言ってんのこの人? 何で相談もしてないのに全員残るって言えるのこの人? 以心伝心?


「安心してください。俺は、あなたの側からは絶対に離れません。俺はあなたを、守り続けてみせます」


「え……いえ、その……できれば僕以外も守って欲しいんですけども……」


 それと、そのセリフはカッコいいけど、こっちに来たばっかりだから少なくても僕よりはまだ弱いと思う。守られる方だと思う。


「はい! もちろんです!」


「えっと、その……が、頑張ってください」


 困惑する僕。

 え、何この人。怖いんだけど。悪寒が走ったんだけど。


「精一杯、貴女をお守りします!」


「あの僕の話聞いてましたか!?」


 魔王を倒すのが目的だって思ってるはずだよね? 何で僕だけを守ろうとしてるのこの人。

 これ以上どう対応すればいいか分からなくなった僕は、何の気なしに召喚された人を見渡した。良い顔のヤツらばっかだなこんちくしょうとか思っていたが、ふと視線が止まる。


「っ!?」


「っ……」


 一人の少女と目があった。向こうは僕と目が合った瞬間、目を逸らした。

 あぁ……なるほど。ここってハヤタさんのクラスだったんだ。

 僕は目のあった少女、マユカ会長から目線を外し、そう思った。


実際、急に異世界連れてこられても困るよね。普通は帰りたいってなるよね。

よく良く考えると、今のレン君ってドレス着てるとか豪華な髪型とか、そんな見た目してないんだよね……パッと見ただのJSなのに姫ってなんか変……衣装ぐらいはどうにかすれば良かったかな……(予約投稿してる人の言葉)(この後書きを書いてる時はまだ第一話すら投稿されてません)(どうでもいいけど何で小説情報の文字数は予約投稿分までカウントするんだよ)(予約投稿内に書き溜めしまくってるのがバレて恥ずかしいんだけど)(後予約投稿は分刻みでしたい)(レン君可愛い)

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