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今宵、白くて綺麗な箱の中で。

神様は、まず始めにキリンを世界に産み落としたんだよ。


そーなんだ。


何でだと思う?


え?・・・しらなーい。


考えてごらん。きっと君は、答えを知ってる。


うーん。なんで?


君は、世界の真理を知っている。君は全てを知っているんだ。


そっかぁ。じゃぁ、1ついいことを教えてあげるよ。


なんだい?


君は、ここで死ぬ。



――歪んだ銃声が鳴り響く。







「ただい・・・・・・ま?」

玄関に入ると、謎の物体が目に入った。

謎の物体は、白くて、四角い、綺麗で素敵な箱のような形をした物体だった。

「なぜこんな綺麗で素敵な、四角い、白い箱のような形をしたものが玄関においてあるんだ?ってか・・・此れじゃ、家の中に入れないし出れないし・・・もー」

困ってしまった、悠斗は取り敢えず其の箱を叩いて見た。


とんとんとん。


すると如何でしょう。箱の向こうから声が聞こえてきました。

「あら、悠斗君。何してるの?」

義母さんだった。

「あの、何なんですかこの白くて綺麗な四角い箱のようなものは」

「それが、良くわからなくて。外にも出れなくて困っちゃった」

箱の向こうから義母さんの、笑い声が聞こえる。

取り敢えず、どうにかしなければならない。


壊す・・・破壊する。


うん。いい響きだ。


「ちょっと、箱から離れててください」

それだけ言うと、悠斗は学生服を脱ぎ捨て、シャツの袖をまくり。

肩をまわして、首を捻る。

「ドリャーーツ!!」


パッキーーン。


「ありえない、何て硬さだ」

だいじょーぶー悠斗君?。いま、すごい鈍い音が・・・。

箱の向こうから、心配そうな声が聞こえてくる。


ここで・・・こんなところで、諦めるわけにはいかないんだ!!

でも、右手は使えない。ダッテ、痛インダモン。


(見た感じ、周期表に載っているような物質では無さそうだが・・・。だとするなら、此れはいったい。そして誰が、なぜ?そういえば、今日の晩御飯は何だろう。聞いてみようか、ハヤシライスだったらやる気がでるかもしr・・・・いや無い(反語)。っていうか、僕は何を考えているのだろう・・・あぁーもー、如何しようかなぁ、やばいなー)

「悠斗くーん」

「ハイッ!?」

突然、現実世界に引き戻された。

「ちょっとぐらい、燃やしちゃっても大丈夫かな?それともやっぱりタウンページ?」

「無理だと思います。此れは多分・・・ッ」

結界。


いえなかった。言えるはずも無い。

妖怪が見えるとか。自分に妖力が在るとか。


悠斗は、鞄からノートを取り出すと、ノートを1ページ破り、更に半分に、それを更に半分に破く。

悠斗は、4枚になった紙を指に挟んで目を瞑る。

「離れてください」


玄関に、突然の突風が吹く。

悠斗は、其の風に乗せるように紙を放つ。


放たれた紙は、白くて綺麗な四角い素敵な箱のようなものにぶつかると、ぴったりと張り付き、周りの結界を融解していく。

悠斗は、気だるそうに目を開き、口を小さく開く。

結界は、一線の糸のように束ねられ、徐々に悠斗の口から体内に取り込まれていった。

全てを飲み込んだ悠斗は、何事も無かったかのように鞄と学生服を拾い上げると、無事帰宅を果たした。


刹那――。



さーてーと。


疲れ気味だな。


そぉ?君のほうこそ。


いや、私は大丈夫だ。


そっかー。次は誰を殺そーかなー。



並べられた名前、写真。

其の中の一枚に引かれるものがあった。


「こいつ・・・っ!?」


静止しした青紫せいしの瞳。

写真に写った、黒髪で長身の青年十三逆と手を繋いで並んで歩く少年。


市橋 悠斗 その人であった。




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