帰路のイブキは素敵(自画自賛)
ルンタッタ、ルンタッタとぼくちゃんは、スキップしていると、校門を出るとこで、つむじとミルクちゃんに出会った。
「やあ、お二人さん!いつも、仲良いですなぁ!」
「あら、イブキったら、そのスキップはなに?妙に、美しいにゃ」
「う、美しい……?」
キョトンとしてるつむじに、ウインクすると、くらくらしてるのですなぁ。
「よければ、小躍りする羊亭によりませんか?ニンジン八本分まで、ご馳走するよん」
「ニンジン八本分て、いくらよ!」
「お腹空いたのです!」
「ま、ともかく、イブキのこういなんて珍しいから、受けるにゃ」
ミルクちゃんたちを引き連れて、ぼくちゃんたちが歩いていると、明るいお化けが、空を飛んでいましたよん。
「あ、バケノジョーですよ」
「森のお化けと、遊んでますよん」
「ホントだわ。この寒空の上で、よくやるわ」
バケノジョーは、いつも明るくて、へこんでるとこを見たことがない。
森のお化けは、ぼくちゃんたちにとって、苦い思い出がありますよん。
去年の秋頃でしたなぁ、帰り道に影を踏んで帰れなんて、おかしな困ったちゃんなことを言って、ぼくちゃんたちを困らせるなんてねぇ?
「ま、ほっときましょ」
ぼくちゃんたちは、公園を横切って、ショートカットします……あれれん?あれは?
公園のぶらんこに揺られてるのは、葉っぱ族の少年がいます。
珍しいですなぁ。葉っぱ族が、森から出るなんて、昔よりはあるけれども、こんなとこで、たそがれてるなんて。
「ハータくん」
「…イブキさん?」
頭に大きなはを乗せた、独特の衣装のハータくんは、同じ迷いの森で暮らしてますよん。
「知り合い?」
「同じ村で、暮らしてますなぁ」
「どうも、ハータです、こんにちわ」
ぺこりと、頭を下げると、ミルクちゃんもぺこり。
「私、ミルク。こっちは、つむじ」
「こんにちわ。僕は
食べるのが大好きです」
「は、はあ。あ、イブキくん。僕の妹知りませんか?」
「おいも?」
「妹よ、つむじ」
「あの、ぼくちゃんの大ファンのキュートな妹ですか?」
「あはは、イブキくんは、冗談が上手いですね」
つむじが、あははと笑ってまぁ……。ぼくちゃんのこと、なんだと思ってるのでしょう?
「その妹さんが、どうかしたの?」
「久々に、森の外が見たいと言うので、遊びに来たのですが、途中ではぐれてしまったんです」
「それは、心配ね。一緒に探しましょ」
「そうね。ぼくちゃんのファンのことだからもしかして、学校でぼくちゃんの出待ち!?」
「それはないですよ」
「ないわ」
「ないのですよ」
「みんなして、ぼくちゃんのこと、どう思ってますのん!」
「どうも思ってないわ。それより早く探そ!」
そっけない女め。でも、確かに早く探さないとね。
手分けして探すことにします。ぼくちゃんは、ハータくんと、この区画の寂しげな場所へ。
寂しげな公園やら、シャッター商店街。全く、この街の領主は、やる気あるんですかね?
街の再生を図らずに、豪華な屋敷で、だらだらしてるのかな?
「あ!あれは!?」
おやん?おやおやおやん?あの屋敷は、紫の魔女の屋敷の跡地。
あの事件の後は、誰も住んでいないはずですなぁ?
しかし、ハータくんの妹が、紫の魔女の使い魔たちと、キックベースしてるでは、あーりませんか!
「ナノハ!」
ハータくんの慌てようは、分かります。あの使い魔たちが、いつ襲うかもしれないですなぁ。
「あ、お兄ちゃん!それと、エロウサギ!」
ぼくちゃん、がっくり。ナノハちゃんは、何故か、ぼくちゃんのことを、エロウサギと呼びます。
ちょっと、耳元で息を吹きかけるだけなのにね?
ともかく、ぼくちゃんは、背中のニンジンソードで、シッシッと追い払うと、遠巻きにこっちを見てますなぁ。
「乱暴は止めて、エロウサギ!使い魔たちは、悪い奴じゃないよ!」
ナノハちゃんは、ぼくちゃんの方が、悪いみたいな態度。
「ナノハ、危険だ!」
「お兄ちゃん、聞いて!使い魔さんたちは、私を助けてくれたのよ!」
「そんな訳ないよ!奴等のせいで、僕らの村も、迷惑かけられたんだ!」
「そうですよん!ぼくちゃんのモテ期が来ないのも、奴等のせいで………」
「それは、違う」
「それは、違うな」
「………………」
ありゃりゃ、息ぴったりですなぁ。紫の魔女のせいで、街に限らず、ぼくちゃんの住む森も、使い魔たちが来て、てんやわんやだったと後で、ドングリに聞いた話しでした。
「ま、ま、ハータくん。ナノハちゃんが無事だったんだし、反りましょ」
「しかし、使い魔はどうするの?凝らしめないと!」
ハータくんは、妹が心配なのですなぁ。シスコン?
でも、木の葉の使い魔たちは、何やら怯えてる感じですなぁ?
あの時は、苦しめられましたが、なんか、かわいそうに思えてきたので、そっとしときましょ。
「で、でも!」
「もう、どうして分かってくれないの!」
ハータくんの足を、ぎゅっと踏んづけてプンプン去って行くので、ハータくんは、慌てて追いかける。
ぼくちゃんも、使い魔たちに手を振って行こうとすると、声がした。
「ありがとう」
「?」
どこかで、聞き覚えのある声ですなぁ?使い魔たち以外いない?
空耳ですら、女の子の声なんて、ぼくちゃんてば、素敵!
つづく




