表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短歌2016  作者: 酒田青
2/2

七月から十二月までの短歌

 まぼろしの世界とこちらを行き来する子供たちなら信用しよう


 「あのころは場面緘黙だったのよ」母の言葉に「覚えているよ」


 陽炎の土の下より蝉の子の生じては消ゆ空蝉残し


 空蝉の収集箱や温めた無精卵など思春期に捨て


 頭上より蜘蛛の糸垂る引きちぎる助けむとする意思を感ぜず


 露草のちひさく青く群れ咲きぬ毒の花にも君にも似たり


 去年こぞの今ありしところに曼珠沙華なんぢわれをば覚へたらむや


 やっぱりねシオカラトンボだこの青さ少女が図鑑覗きうなずく


 きっと今熊もヤマネも冬籠もりぼくは毎朝起きなきゃダメだ


 目覚めたら冬は終わって春になりぼくも素敵な蝶になってて


 街路樹が舞い散らす葉は赤黄色掃く人並び連なる歩道


 思春期のわたしをあの子と呼ぶくらいわたしは曇り錆びてしまった


 思春期のぼくをあいつと呼ぶくらい過去は恥だし鍵をかけたい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ