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意外とみんな落ち着いてるなぁ

古来より突然変異で発生した異能力者は、英雄や偉人として確認されていた。

そして、その異能力者は近年に近づくに連れて増加傾向にあった。

人々は異能力者をギフトホルダーと呼び、そして様々な政策を行った。

まぁ簡単に言えば差別であり区別であり迫害であった。

しかし、異能力者とそうでない者の比率が変化していくにつれ社会には歪みが生み出されていった。

そしてギフトホルダーによる蜂起活動が増加した結果、各国はギフトホルダーの人権を保障し管理することを決定した。


それが俺達が通う学園が出来た理由である。

そして俺達はこの学園で生活し、そして能力の使い方を学び、正しいことに使うことを期待されている。

主に、異能力による犯罪組織の取り締まりを目的とした警察や自衛隊の組織への就職だ。

なのに……


「これはどういうことだ?」


何の冗談か、俺達のクラスは森の中に転移していた。




鳥の鳴き声が聞こえる。

まるでジャングルですよと言わんばかりの声だ。

周りを見渡せば机と椅子と黒板と教室の姿がある。

窓の外と天井と廊下の部分が森でなければ普通の教室だ。


みんなポカンとしてから、チャイムがなったのでとりあえず全員が席に着いた。

日本人だからか、変なところ律儀である。

先生が出席簿を閉じて、俺達を見渡して言った。


「座ってる場合かー!」


うん、俺もそう思った。


一時限目は急遽変更して、ホームルームになった。

日直が先生の指示に従って、司会進行をしながらこの状況について考えることが決定した。


「え~、突然の事態にみんな困惑していると思う。そこで、この状況についてみんなで考えよう」

「はい!ヴィランによる襲撃だと思います!」

「はい、ヴィランの襲撃と……」


ヴィラン、漫画やアニメから呼び名が来ているギフトホルダーの犯罪組織を差す言葉だ。

人権をとか、無能な人類の管理をとか、取り合えず暴れるとか目的は様々だ。

俺達の学校がそんな彼らを取り締まる者達の育成機関だから十分考えられる説だ。


「他に意見はあるか?」

「やっぱあれじゃね?異世界だよ!」

「そこ、発言は挙手してからしなさい」


異世界転移、なるほどネット小説でよくある話だ。

とくに、クラス全員で召喚されるという話は聞いたことがある。

しかし、その場合はお姫様とか神官とか王様がいるものだから可能性は低いかもしれない。


「他には?」

「ふっ、恐らく高位の異能力者による幻術に掛けられているのだ、ぐばぁ!?」

「今、殴ったけど幻術が解けてないので田中君の意見は違うと思います」


田中君、高校生にもなって珍しい中二病、能力は手から炎が出る。

色は変幻自在、温度も自由自在、しかも火傷しない。

いろんな意味で凄いけど馬鹿だ。


「よし、取り合えず信じがたいが異世界転移のようだ」

「えっ、ヴィランによるテレポート説も違うんですか」

「あぁ、テレポート能力者はたくさんいるが、ここまで大規模な物は観測されていない。つまり、確認されていない異能力者だとしても不可能だ。ということは、異世界転移とやらになるのだろう」


ざわざわ、と教室が一気に騒ぎ立つ。

当たり前だ、そんな荒唐無稽な話を信じろというほうが難しい。

女の子の中には異世界転移?と首を傾げている子もいる。

言葉のままなのに理解力がないのだろうか。


「じゃあ、取り合えずみんなで話し合おうぜ」

「賛成!」


みんな状況が分かってきたのか、席を移動して各自で話し始める。

好きなグループごとに集まって、状況について考察するのだ。

事後承諾ながら、先生も後で発表しろよと言ってスマホを弄りだす。

凄い余裕だな、でも圏外だと思う。


俺も仲の良い、というかいつも一緒にいる幼馴染の二人に合流する。

筋肉モリモリマッチョマンの松田と胡散臭せぇ笑みを浮かべたモヤシの江戸川だ。

そして常にダルそうで正直地味だよねと女子に定評のある、俺こと加賀を合わせてチート三人組である。

どうしてチート三人組と呼ばれているかというと、俺達は漫画で言うところの主人公クラスの異能力を持っているのだ。


「よし集合したまえよ、諸君」

「江戸川、お前の能力で犯人は分かるんじゃないか?」

「そこに気付くとは天才か」


松田の提案に、案の定クラス公式チートの江戸川がドヤ顔してきた。

まぁ、江戸川の能力なら犯人は特定可能だからな。

江戸川は、ポーズしながら小声で能力を発動した。


「異能力、探偵!」

「いちいち口に出さなくていいのにな」

「松田、様式美だよ」

「おー、様式美か」


俺達の会話に、江戸川の顔がピクピクしていたが事実だからしょうがない。

別に口に出したりしないと発動できない訳じゃないしな。


「で、分かったのか?」

「犯人はエステリア王国の魔法使い、動機は国家事業で魔王を倒すため、しかしどうやら失敗に終わったみたいだな。原因は、松田のせいでバグったみたいだ」

「何、俺のせいだと?」

「そう、真犯人はお前だ!」


ビシッと江戸川が指を差す。

松田は真顔で指を折りに掛かった、痛そうである。


さて、江戸川の異能力『探偵』とはズバリ探偵になる能力である。

犯人の特定、動機、過程、様々なことが瞬時に分かる。

だが、その本質は別にある。

それは、殺意を抱いた相手が死亡フラグを建てると死ぬという副次的な効果だ。

殺意を抱いた瞬間、相手はモブ扱いとなり、そんなモブが迂闊にもこんな殺人犯がいるかもしれない部屋にいられるかなんて死亡フラグを建てたら最後、漫画の如くどっかで死体となって発見されるのだ。


そして、松田。

彼の能力は無効化である。

異能力や空気抵抗は勿論、瀕死の重傷を負おうがダメージを無効化することで全快する。

出来ると思ったことは何でも無効化できるらしい。まさに主人公級のチート野朗である。

まぁ、脳筋なので説教とかしない。


最後に俺、能力は吸収。

異能力者や物体の一部を吸収すると、能力や性質をコピーすることが出来るのだ。

まさにラスボス級の噛ませ犬である。大抵、コピー能力者はやられるからね。


そんな俺達はみんなにチート三人組と言われている。

ラノベでいたら萎える能力者ベストスリーとも言われている。

もう物語が破綻するくらいのバランスブレイカーだと思ってくれて良い。


「よーし、そろそろいいだろう。みんな発表してくれ」


みんなで色々なことを発表する。

ところで、何の話し合いだったのだろうか謎だ。

様々な意見が賛否両論ながら発表される。

やれ世界征服だとか、帰還方法を探すとか、定住するとか、自由行動にしようとか。

俺達以外は方針を話し合っていたようだ。

状況の考察するんだと思ってたんだがな。


「後は、お前達か」

「先生、犯人はエステリア王国にいる!」

「エステリア王国?」


こらこら江戸川さん、説明不足ですよ。

仕方ないので俺がフォローすることにした。


「先生、どうやら俺達はエステリア王国の魔法使いによって魔王を倒すために召喚された挙句、事故って山の中ってことらしいです」

「魔王とか召喚とかテンプレだなぁ……」


そうなんだー、とみんなが口々に言う。

いや、今の状況を方針を決める前に気にしようよ。


「よし、それでは先生の独断によりクラス目標を決定する。クラス目標は元の世界の帰還だ!」

「先生、どうやって帰るんですか?」

「そのエステリア王国とやらを探すところから始めよう。いいか、最終目標を決めてからそれに至る過程を考えるのは大事だぞ。椅子を武器にして探索を開始するぞ。みんな椅子を持ったか?」


取り合えず、椅子は必須らしかった。

まぁ、丸太じゃないだけましだろう。

高山先生    能力???

 

生徒一覧

1相沢達也   能力???

2安部裕也   能力???

3伊藤香織   能力???

4飯塚綾子   能力???

5一之瀬菜緒  能力???

6江戸川啓   能力 探偵 探偵になる。

7加賀満    能力 吸収 吸収した物の性質を得る。

8菊池順子   能力???

9倉橋香奈   能力???

10佐々木次郎  能力???

11佐藤玲央   能力???

12佐野桃子   能力???

13清水葵    能力???

14鈴木亮太   能力???

15鈴木玲子   能力???

16田中龍之介  能力 炎操作 炎を操る

17長島秀雄   能力???

18長野真    能力???

19葉山幸彦   能力???

20樋口秋帆   能力???

21藤俊介    能力???

22保坂真由   能力???

23細内京子   能力???

24松下芽衣   能力???

25松田英雄   能力 無効化 対象を無効化する。

26松永清    能力???

27三浦和子   能力???

28水谷凜    能力???

29皆本和馬   能力???

30宮野茜    能力???

31毛利友則   能力???

32最上可憐   能力???

33森蘭子    能力???

34薬師幸太郎  能力???

35矢口美緒   能力???

36八雲響    能力???

37安田正弘   能力???

38和田翔    能力???

39若林隼人   能力???

40渡辺咲    能力???


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