由香の過去2
けど、お兄ちゃんのせいで、また嫌な目にもあって。(小6)
「有理くんの妹だから
って、調子乗るんじゃねぇ。」
ある日話し合いで、意見していた時言われた。
私の意見は、不真面目な人達には、
都合が悪いからだ。
意見は取り下げず、結局承認された。
その代わりその日を境に、いじめられた。
どうして、好きで持った訳でもない。
てか、嫌なお兄ちゃんのせいで、いじめられなきゃいけないの?
お兄ちゃんのせいで、こんな苦しまなきゃ、
いけないの?
どうして、お兄ちゃんばっか。
憎んでも、憎みきれないよ。
泣きじゃくり、夜は更けていった。
翌日-
「おはよー!あっ…、由香。」
私を見た途端静かになった。
無理はない。
昨日あんな事を、言われたし。
といっても、意味わかってないだろうけど。
このまま、こう過ごせたら、楽なのに…。
どうしてだろう。
口が勝手に動いて
「昨日は、ごめん。」
なんて、言って。
もう自分が、わからなかった。
「ああ。俺こそ、ごめんさすがに、変態行為だったよな。」
そういう意味じゃないのに…。
でも、このままの方が楽に暮らしていけるか…。
「もうほんとだよー!今度あんな事したら、承知しないよ?」
明るく振る舞った。
お兄ちゃんは、わからないもん。
「はい、気を付けます。てか、俺勉強始める。」
「え。アイドルの勉強が、先でしょ?」
ちょっとした苛立ちから、言ってみた。
そしたら
「俺頭いいキャラ作るの。」
負けずと言い返してきた
が、そんなのに、負ける訳がない。
「それは、たっくんが、受け持ってるから、
いいの。」
と言うと、頬膨らましをし、
「由香のケチ。」と言った。
ダンス練とボイストレーニングが、余程嫌だったのだろう。
「和くんしっかり物だし、ひろくん…元気だしねー。
今の天然キャラで、いいんじゃない?」
「じゃあ、練習サボれるようにしてよ。」
なんて事を。
私が、そんなの思い付く訳ない。
てか、サボる前提に、するな。
そう思ったが、どうもそこは改善できそうにない。
しょうがない。やる気出させるか。
「私は、頑張ってるお兄ちゃん好きだけど。」
「ほんと?」
食い気味に、聞いてきた。
これなら、やる気出す…かな?
「ほんとだよ。」
「じゃあ、頑張る!」
単純だな、おい!
この時心底軽いと思ったのは、言わないでおこう。
「じゃ、今度レッスン連れてってね。見てみたいから。」
一応様子見しておかないと。
口だけな部分が、あるから。
「うん!じゃ、明日土曜だし、行こっか。」
「そうだね。」
部活ないし。
お兄ちゃんの隣歩くからには、おしゃれしないとね。
有理-
うぉーーー!
明日由香と一緒に、レッスン行くぞー!
かっこいい姿見せないと!
あっ、先生に言わないと
「あっ、雅先生。明日妹見に来るんで
よろしくお願いします。かっこいいとこ見せたいんで。」
「はいはい、わかりましたよー。じゃあ、明日な。」
「はい、失礼しまーす。」
よっしゃー!
あとは、明日の準備しないとな。
就寝-
あぁ、眠れねぇ。
わくわくドキドキしすぎて。
とにかく、明日はかっこよく決めねぇとな!
由香-
ちょっと眠れないな。
明日から、レッスン頑張るかが、かかってるし。
お兄ちゃんとどっか行けるし!…って、何考えてんの?
私お兄ちゃん嫌いじゃなかったっけ?
だって、あんな目に、あったんだよ?
ーー
来る日も来る日も、いじめは、続いた。
みんな見て見ぬふり。
先生に言ったって、対策を打たない。
だから、どんどんエスカレートしていって。
もちろんいじめてるのは、反論してきた人のグループ。
5人ぐらいいる。
小6のことだった。
中学受験をするため、問題を起こせる訳ないので、
ただ我慢した。
そんなある日
1人の救世主が、現れた。
私の友達でもクラスメイトでもない。誰かが
「そんな事して恥ずかしくないの?あんた達みじめだよ。」
いきなり、響いた声。
「いきなり、何だよ!」
いじめっ子が動揺しながら、言う言葉を無視し、
いじめっ子まで、近づいた。
「気に入らないからって、集団でいじめて。1人じゃ、
何も出来ないんでしょ?だから、そうやってる。違う?」
場は、その子によって制された。
それからいじめはなくなった。
私を救ってくれた人が、誰なのか。
それを、知らないまま高校へ進んでしまった。
ゴメン。