由香の過去
部屋ー
ということで、2人(1人)で宿題中。
「何これ。意外と難しい…。」
「だから、言ったじゃん。自分でやるよ。わかるし。」
「由香頭いいなー。」 「お兄ちゃんが、忘れただけじゃない?」
「うー。年取ったのを、思い知るとわ!」
すごい悔しがってて、可愛いw
「ちょっと傷付いたから、お仕置きな。」
といきなり言い出した。
こういう時だけ兄弟の特権使うなんて。
「ふっ。(耳に息吹きかける」
「ひゃっ//いくらお兄ちゃんでも、許さないよ!」
「由香は、耳弱いんだねーw(耳元で囁く)好きだよ//」
一瞬お兄ちゃんを、異性として、意識してしまった。
家族だし、アイドルなんだよ!?
何ときめいちゃってんのよ。
お風呂ー
「ふー。疲れが、とれるー。」
くつろいでいたら、物音が聞こえた。
お母さんが、タオル持って来たなら、言うはずだし・・・。
まさか、お兄ちゃん?
「由香。一緒に入っていい?」 「だめ!絶対だめ!!」
「いいじゃん。昔みたいにさ?」
遊んでないけど、節約もあって、お風呂だけは
一緒に入っていた。
といっても、話してないけど。
「もう子供じゃないの。」 「まだまだ、子供だよ。」
「昔みたいに、出来る訳ないじゃん。お兄ちゃんに…、
私の気持ちなんかわかんないよ!」
「由香…?」 「出てって。」
「…うん。」
とぼとぼ出て行った。
お兄ちゃんには、わからない。
私の寂しさなんか。
お兄ちゃんとは、8歳差があって
遊んだことが、なかった。
それだけなら、よかった。
小さい頃2人で、写っている写真がない。
何だか急に、他人に思えてきて。
だから、遊んでもらえないとか、思い込んで。
でも、どこか信じてた。
だけど・・・。
ある日お兄ちゃんに、このことを聞いた。
そしたら「知らない。」って。
忙しいし、疲れてるからって思って
他の時だって、聞いた。
だけど、答えは変わらなかった。
だから、どんどん不安になって・・・。
優しかったら、少しは信じられたのにな・・・。
そこから、自然と避けるようになった。
多分気付いて欲しかったんだと思う。
だけど、レッスンレッスンで。
私になど、振り向いてくれなかった。
それから、後戻りできないほどの距離が、出来て。
もう何もかもが、わからなかった。
それで、お兄ちゃんを嫌いになって。
そして、気まずく長い時が、過ぎていった。
ついに、お兄ちゃんがデビューした。
そこから、少しずつ距離が、縮まっていった。
サインのこともあって。
そしたら、今までなんかバカみたいでさ。
何が何だかもうわからなくなった。
ただ、お兄ちゃんが嫌いなのは、変わってないはず…。