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【入学編 Ⅲ】





三日後、警察と政府から公式の発表があった。先刻の連合国の侵入騒ぎと技術高襲撃は同一犯によるものであったが、技術高の生徒と警察によって一先ず収集した、と。


しかし、御三家を通してきた通達は違った。


八つある技術高の内、望月、仙丈、如月の三家の後継者のいる三高へピンポイントでの襲撃。それは明らかに三人を狙ったものだった。

しかし、この結果は敵にとって予想外のものだっただろう。なんせ、『たった』三人の魔術士に壊滅させられたのだから。


他国にも『魔術士まほうぎじゅつし』を名乗る家系は存在するが、最初にその存在が確認されたのは日本だ。そして、EUにも同じような組織があるが、それは本物の『魔術師まほうつかい』だろう。学問としてその力を手に入れた魔術士とは違う。

そして御三家を通してきた通達はこうだ。「敵勢力の目的は後継者力量を測ること。そしてその成果は上々だった」と。

結果仙丈、如月の両後継者は一高へ転校。望月の後継者と共に国家の宝を守るようにと厳命が下った。


さて、今日はその二名が一高に転校してくる日だ。





「ねぇねぇ!今日転校生が二人も来るんだって!」

「聞いた聞いた!五高と八高でしょ!?しかも二人共次席だって!」

登校途中、電車の中で聞く会話は恐らくここ何十年も変化していないだろう。転校生の話題とはそういうもので情報源は謎だがその情報は確かだ。

しかし、一部の人間――彼のように転校生が誰か知っている者にとってはそれは憂鬱でしかなかった。

「来る……んだよなぁ…」

間もなく学校に到着する。定員制の技術高において、転校というシステムが取られること極々稀。三百二十人の生徒が三百二十二人になるということはそれなりの『何か』がなければ起こりえないことなのだから何も知らない生徒にとっては一大イベント。騒ぎたくなるのも分からなくはない。





教室に着くと、既に桔梗が席に座っていた。

「おはよう。今朝は早いのね」

「ああ。ちょっとな…」

「転校生の噂って本当だったんだ」

「…意外」

「何がよ」

「いや。お前もそういう噂信じるんだなぁって」

「なっ、私だって女なの!そういう噂も気になるの!」

「そこが意外なの。昔のお前ならそういうのは気にしなかっただろ?」

そんな会話をしていたら、教室のドアが開いた。

「えー、皆さん。今日はですね、えー転校生をね、えー紹介しようと思うんですがね、えー二人共入りなさい」

「(えー、が多い先生だこと。ってか……二人?)」

「失礼しまーす」

「失礼しますわ」

そこには薄い茶髪の少女と、黒々した短髪の少年が立っていた。

「えーじゃあね、二人とも挨拶を」

「三高から来ました。仙丈咲です、途中からなので心配ですがよろしくお願いします!」

「八高の如月隼人いいます。みんな、よろしゅうな」

掴みは上々だろう。男子の目は咲へ、女子の目は隼人へと注がれていた。

「えーとね、席は…そうだな、仙丈は美波の隣り、それから如月は望月の隣りが空いているな。そこに座りなさい」


「よろしくね!美波さん!」

「あ、桔梗でいいよ。美波さんって呼ばれるのあんまり好きじゃないから」

「そう?じゃあ、あたしも咲って呼んで!」

「分かった。よろしくね」

ひとつ前の席では新しい友人を歓迎する声が聞こえてくる。

「……俺らもああやってキャピキャピした方がええんやろか」

「止めてくれ。今更…」

「あー、こんなんやったら俺が美波さんの隣りがよかったなぁ…」

「それも止めとけ。お前の手に負える女じゃない」

「何か知っとるんか?」

「…別に。幼馴染なだけ」

「……ホンマか?せやかて……じゃあ」

「おいそこ、転校早々うるさいぞ」

「あ、すんまへん!」

「多分その通りだよ。ま、詳しいことは後で話すわ。どうせうち来るんだろ?」

「おう。よろしゅうな」





こうして、小さな再会と新たな仲間を迎えた学園生活の始まりとともに、新たな戦いが幕を開ける―――










Ep&Npr



「それで?みすみす負け帰ってきたわけではないだろう?」

「ハッ。この混乱に乗じて我々のスパイを技術高に潜入させることに成功しました」

「そうか。それは良くやった」

「ありがたきお言葉」

「しかしそれだけではないかね」


この場には、十人と一人。身分は……明らかに違う。


「も、申し訳ありません」

「良いではないか。廉仆れんたお将軍。君にはもう少し動いてもらう。いいね」

「ハッ」


あまり内容のないように見える文で申し訳ありません。

ターニングになっていくはずの章ですのでご了承の程を。



あしからず

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