2月14日、バレンタイン当日・後半戦・
彼「何だよ!これ!!」
彼は何故か急に怒った口調に変える。
彼「これは何だって聞いてるんだよ!」
私は彼の怒っている姿を生れて初めて見た。
仲の良かった小学校の頃だって、話もしなかった中学校の頃だって、、、
それに、一緒に棲み始めた後も、彼の怒った姿なんて一度も見たことがなかった。
そんな彼が、今私の前で本気で怒っている。
ん? いや、本気ではないのだろうか?
なぜなら、今私のいる部屋では妙な音が聞こえる。
“クククッ”だとか、“アハハ”だとか・・・?
あれ? おかしいな?
ふと私は『何かがおかしい』と思い、音の出どころを辿ってみたのである。
するとすると、音の出どころはなんと彼。
『おかしな話だな?』 私はもちろんそう思ったわけだ。
だが、そんな疑問も彼の言葉により解けるのである。
彼「あ~ぁ、チキショウ!!」
「どうせなら、俺から告白したかったのに!!」
「あ~あ!先越されちまったな!!」
彼はそう言ったのである。
まず、この言葉の意味が分からないかもしれないであろうキミのために、最初の言葉から天才である私が訳し始めようではないか。
まず、彼が言った言葉。
「あ~ぁ」についてであるが、これはもちろんため息のようなモノ。
で、次に発した「チキショウ!!」であるが、これはムカついている時によく使う「畜生」という言葉と同じであるね?
そして、その次に発した「どうせなら、俺から告白したかったのに!!」・・・これがキミはわからないはずだ。
だが、その疑問の答えを先に言うのならば、包装紙でチョコと一緒に〈好きです。付き合って下さい。〉という紙を包んでおいたのである。
要するに、私は彼に告白をしたというわけ。
それも、口ではなく手紙でね☆
だって、言葉で伝えるなんて恥ずかしいんだもん!
メールとかじゃなく、顔を見て自分の言葉で伝えたんだから大目に見てよね★
まぁ、とにかくそんな私の告白文を見て彼はそう答え、それに「あ~あ!先越されちまったな!!」と付け加えたのである。
っということは?
っということは、彼は“私のことが好き”だということ。
っということは、私達は両想いだったということ。
ん? 待てよ??
私は彼のことが好きだが、彼は私のことが大好きかもしれない。
いいや、むしろ大好きに違いない!
だって、男と女が一つ屋根の下で暮らしていて、男が女のことを大好きにならないわけがない!!
うん、 絶対そうだよ☆
そういうことにしておこう♪
そうして、彼にはもう一つの肩書が増えた。
それが、今までの《幼馴染》と《イケメン》と《エロス》と《変態さん》と《つまらない人》に付け加えられた《私の彼氏》という肩書・・・。
私はこんな肩書も悪くないと思う。
エロスとか変態とかの肩書を持つそんな人が、私の彼氏であり、優しい人だと知っているから―――。
そして、私は次に彼氏に向かって、口に出して言ったのである。
私「全く料理ができない未熟者の女ですが、、、」
「ううん、それ以外にもダメなところはたくさんあるけれど、もしよかったら付き合ってくれませんか?」っとね―――★
~ F I N ~
そうやって、私の青春は始まった。
いいや、そもそも私達の愛は青くなんてなく、もっと桜が咲いたようにピンク色なんだから、選ぶ言葉を間違えたのかもしれない。
正しく言い直すならば、青春ではなく桜春というべきなのかもしれない。
いいや、もっと言い直すならば、私の青春ではなく、私達の桜春なのかもしれない。
桜春、、、
それは、〔人を愛す〕ことで生まれるモノ。
そして、〔愛から生まれた恋〕は〔終わりなき永遠〕へと繋がるモノ・・・。
でも、時には〔終わりがある別れ〕にも繋がることを人は忘れてはならない。
だから、私は初心を忘れずに神田真也君を愛し続けたいと思う。