2月12日、デコレーション。
“さて、今日こそは成功するぞ!”と祈りつつ始まった、2月12日。
今日も彼はサークルの方に出かけるようだね。
っというわけで、私は秘密のバレンタイン計画を進めることができるというものである。
だが、昨日話していた話であるが、、、
“私でも焦がさずにできるバレンタインのプレゼント”
これを、キミは一体何だと思う―――――?
その答えは、私が先程してきた買い物の中にあるのである。
その買ってきたモノとは、【チョコペンの桃色と青色と黒色と白色の四色セット】を一つと、【バタークッキー】を二袋と、【チョコクッキー】を一袋である。
そう、、、なにも始めから無理してクッキーやケーキなんてものは焼かずに、デコレーションだけで終わっておけばよかったのだよ。
そうすれば、クッキーもケーキも焦がさすことなく、さらにはそれを食べる必要もなかったのだからね。
っというわけで、私は最終手段である“デコレーション計画”を実行することにした。
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さて、ここでキミが考えているであろう“なぜバタークッキーだけが2袋なのか?”という疑問について、私が丁寧に答えを差し上げようではないか。
それはだね。
『バレンタイン当日の朝早くから作ればいい』と思ったからだよ。
ん? 何??
詳しく説明しろだって?
はぁん? メンドウだね!!
だが、私は天才でキミは凡人だから仕方あるまいか。
さて、詳しく説明するならば、まず私はクッキーに飽きてしまった。
それは2日前、食べに食べてしまったからね。
だって、一人で食べるには多すぎたんだよ?
え? 何?
じゃあ、“そんなに作らなければよかった”だって?
それは、その通り!
だが、作ってしまったモノは仕方がない。
っというわけで、捨てるわけにはいかないし、彼に見せるわけには余計にいかないし、私一人で食べるしかなかったわけなんだ。
そして、飽きてしまったというわけ☆
だから、私はチョコクッキーよりはまだ食べやすいであろうバタークッキーをチョイスしたのである。
そして、プレゼントを今日作って取っておいても、湿気てしまうからね。
私が作れるか試しに作ってみて、味見してみるのである。
それが今日までのクッキーとケーキの事件の始まりの考えであった。
だが、今日は失敗するはずはない。
だって、今日の作業はデコレーションだけだからね☆
クッキーやケーキのように、焦げるなんて失敗がないんだよ★
だから、さっさとデコって食べるだけというわけさ☆★
っというわけで、私は二袋ある内の一つを手に取って封を開けてみた。
そして、バレンタイン当日に使わない予定である青色のチョコペンを手にして文字を書き始める。
私「神田真也君へ」
「いつもありがとう☆」
私は頭に浮かんだ文字を言葉にしながら書き進めた。
そして、気付くのである。
私「やっ、やばい!!」
「こんな汚い字で渡せるわけない!!」
それもそのはずである。
だって、クッキーの上には、なんだかミミズでもいるかのようなムニョムニョの字。
汚いと言うか、むしろ読めない。
私「くっそ!」
「この計画も不発なのか!!」
私は、自分の心の叫びを声にしてみた。
だが、それで何も変えることができないのは明白である。
だって、私の今までの失敗も、字を綺麗にするという試練も、叫びだけでどうにかなるのならば努力なんてものはいらないのだからね☆
そんなこんなで、私は書きにくいチョコペンも使い切ったことだし、諦めることにした。
だが、別にバレンタインにあげるプレゼントそのものがなくなったわけではない。
だって、私にはとっておきの最終計画が存在するのだから―――――。