2月8日、始まり。
どうも、 私は浅井優芽と申す者です。
そんな私は、去年大学に入学したバリバリの一年生であります。
そして、念願の一人暮らしが!!!
叶わなかったわけでですね、、、
というか親と離れて暮らすことはできたわけなんですよ?
ですが、私の一人暮らしになぜか余分なものがくっ付いて来てですね?
意味分かりますか? 幼馴染が私と一緒に住んでいるのです!
だから、なぜか一人暮らしではなく、二人暮らしとなってしまってわけです。
わかりますか? この悲しい思いが。
だってですね?
幼馴染と言っても、学校が同じだったのは中学までで、そもそも遊んでいたのは小学生まで。
そして、中学では喋った記憶すらないという悲しい現実。
なのに、『大学では同棲始めろ』ですって?
私達の親は一体何を考えているのですか!?
何が、「いいよ?一人暮らしでしょ?離れて過ごしたいんでしょ?OK、OK!!」よ!
かあさんの言うことなんて簡単に信じなきゃよかった。
だって、一人暮らしじゃないじゃん? 一人暮らしじゃ!!
そもそも、かあさんは一人暮らしの意味をわかってるわけ??
一人暮らしというのは、“家事炊事洗濯をすべて一人でこなす”というわけでですね、決して誰かとの共同生活じゃあないんですよ!!
本当にもう!!
イライラするんだから!!!
とにかく、そんな感じで始まった大学生活の一年目も、もうすぐ終わるわけです!
だけどね? もうすぐ、2月14日が来るの。
それがどんな日だか世間一般の人・・・
強いて言うならば、幼馴染という肩書の彼は理解しているのだろうか?
私には、さっぱりわかんない。
そして、そもそも私は料理ができないという体質である。
え? そんな体質はないですって?
気のせいよ♪ 気・の・せ・い・よ♪
とにかく、私は2月14日のバレンタインという行事に何を作ろうか迷っているわけである。
だが、幼馴染である彼は、そんな私に何を作れというのだろうか?
当たり前のことだが、毎日の食事は女である私ではなく、彼がしてくれている。
だから、ここまできたら“私は料理ができない体質”という理由で、“彼と同じ部屋で大学生活の四年間を過ごすことになった”ということは言うまでもないだろう。
でも、なぜ彼は私と同じ大学なのだろうか?
普通、関わりもなくなった幼馴染と同じ大学になるかな?
ならないでしょ?普通は!!
だって、考えてみてよ。
別に仲良くもなんともない親が仲いいだけの無駄に幼馴染という肩書を持った二人の男女が、自分の実家から離れた同じ大学に通うことがあるだろうか?
普通はないよね?
でも、「君達の場合、あったんだから仕方がない☆」―――
どうせ、かあさんはそう言うんでしょうね。
だけど、私はそれを認めないわ。
確かに、家事は彼がやってくれるから楽でいい。
これは文句がない。
だけど、家に帰れば彼がいたり、彼が帰ってきたり。
なんで、同じ場所に向かって「ただいま」って言わなきゃいけないわけ?
別に、私達付き合ってるわけでもなんでもないんですけど?
確かに、彼はいい人だよ?
いい人過ぎて何も言うところがないくらいだ。
だって、誰もが振り返るくらい顔もスタイルもカッコいいし、テストとかも全然勝てないくらい頭もいいし、家事とかを文句も言わずにやってくれて性格もいいし、、、
なんで、そんな人が私と一緒に住んでるのよ!!
大学で「なんで一緒に住んでるの?」「彼女さんですか?」って何回言われたことやら。
一部の奴等なんか冷やかしで「ヒューヒュー」とか変な奇声発してくるし・・・。
マジで迷惑なんですけど??
私なんて、顔も成績も性格も中の中のような目立たない存在だからさ、一緒にいると釣り合わないんでどうにかしてほしいんですけどぉぉぉ!!!
だが、そんな心の叫びは誰にも届かない。
ただ、現実に残るのは後一週間でバレンタインということだけ。
だから、私は悩んでいるのである。
私「うーーーん」 っと―――――。
すると、机の向かい側に座っていた彼が言うのである。
彼「どうした?」
「俺の作った飯が不味かったか?」
「それか、どこか気分でも悪いのか?」
やはり、彼は優しく気遣ってくれるいい人だなぁ・・・。
だが、そう言われて初めて気が付く。
今が食事中だということに―――。
私「ごめん、ごめん、」
「ちょっと考えごとしてただけだよ!」
私は恥ずかしさを隠すため、にこやかに答えてみた。
だって、そうでもしない限り、新婚さんみたいに向かい側に座ってる彼に様子を探られてしまうからね。
っていうか、これ自体がおかしくないかな?
なんで互いに顔を見合って食事してるわけ?
テレビ見るにしても横目で見なきゃいけないから辛いんですけど!?
本当に、この家から出ていきたい・・・。
だけど、「出ていくなら学校やめてからね☆」とかあさんに言われているから、『どうしようもないんだよね~』と心で呟くことしか私にはできない。
とにかく、私のバレンタインまでの一週間はこうして始まった。