第1話
高級感あふれる店。スーツを身にまとう男性が華麗に料理を運ぶ。客達は皆幸せそうだ。一人を除いて。その一人とはわたし。私はこのなかで一人ただ願っていた。
コワシタイ。
スベテコワレテシマエ。
スベテハカイシテシマイタイ。
「破壊したいですか?」
ハイ。
......。
?
「はじめまして。そしてこんにちは。僕はあなたの見方です。」
アナタハダレ。
「あなたの苦しみを共有しうるもの、とでもしておきましょう。」
私は辺を見渡した。
「みえないよ。」
その声はハハハと笑った。
ナニヨウダ?
「あなたのようなのはたくさんいるんです。ぜひ一度会いにきませんか?互いに傷をいやしましょうよ。」
ヒツヨウナイ。ミカタナドイラナイ。
ドウセ.....
「どうせ、裏切られるから、でしょう?私はあなたの気持ちがわかる。さぁ、私のもとへおいで。」
......。
「信じているぞ。では待ち合わせ場所を言おう。場所は新宿駅西口JRの改札の前。使いを送っておく。今すぐおいで。」
ワカッタ。
「待っている。」
私の頭の中に入ってきた"声"。危険な感じはした。だが理解者が欲しかった。だから私はコートも着ないでいそうで店を出た。出るとき両親が何かを言っていた。だがそんなものはどうでもよかった。
ハヤクアイタイ。ただそれだけだった。