表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

~終焉~

タイトルが終わりっぽいですが、終わりません。何故か、続いたりします(笑)



「で、こう言うのもなんですが・・・。何なのですか? 僕は君の手品を見る観客だったのですか? 悪いのですが他の人相手にがんばってくれませんか? 僕としてはですね、独りで煙草を吹かしたいのですがね。」

僕は少し自分を取り戻すために女の人に毒を少し吐いてみた。これが効果的になるかは分からないけど。こう考えてみると、自分が少し好戦的になっている。珍しい気がする。僕は人と争うのがキライだ。キライと言うよりも拒否、拒絶している。争いを拒否、拒絶しても次を考えておくのが打算人間というモノだ。次に逃げられる手を用意しておくこれは打算人間としては必須である。諺でいうと「日々是決戦」かな。少し違う気がするが、まぁ良いだろ。この打算が打算人間の由来であろう。

 「では、貴方から私への共有は出来ました。次は私から貴方への共有をしたいと思います」

僕の考えを読んでいるのか、読んでいないか分からない言葉を女の人は言った。女の人の顔は少し笑っていた。共有というモノはそんなに面白く、楽しい事なのだろうか? そんな事を考えてもしょうがないのは分かっているので僕は考える事を止めた。少なくとも僕は楽しくないのだからね。ようやく僕らしさが出てきたな。ここから盛り返すとするか・・・。

 「まずは煙草を吸わせていただきますよ」

僕はさっきから吸いたかった煙草に火を点けた。女の人は何も言わなかったので勢い良く僕は煙草の煙を吐いた。女の人からはさっきの笑顔が消えていた。さて、ここまでの事を整理しますか。

 「ところで、何で君は僕にそこまで世話を焼くのですか?」

 「何故、そんな事を気にするのです?」

女の人は即答で僕に切り替えしてきた。ここは普通に返した方が良いのだろうか? この女の人に合った答えを言えば良いのだろうか? いや、まて。何故、僕が答えなくてはいけないのだ。僕が質問したのではないか。

 「僕が質問をしているのですよ。まずは僕の質問に答えてくれませんか?」

 「・・・。」

女の人は急に黙ってしまった。どうしたのだろう? 僕はそんなにいけない事を言ったのだろうか? それともそんなに難しい質問をしたのだろうか? そういえばさっきから僕は考え過ぎな気がするな。ま、打算人間としては当然の事なのだろうけど。

 「どうしました? いきなり黙って。」

 「・・・。」

女の人が突然、ニコっと笑ってこう言った。

 「すいません。貴方の質問を忘れてしまったわ。もう一度、言ってくださいませんか?」

僕は煙草を勢い良く吸い、短くなった煙草を床に落として足で踏み消した。いわゆるポイ捨てというやつだ。だって、そんな気分になるでしょ。こんな事をやられたら。これ以上の喧嘩文句があるだろうか? 売価いくらだ? 相場はいくらだ? てか、なんなんだ? まて、ここで冷静にならないと僕の負けではないか? 女の人に勝負を挑まれた。ところで僕はこの喧嘩を買うべきなのか? それとも・・・・?

 「いや、別にただの独り言です」

相手の出方を見る為に、いつも一歩引いている姿勢を忘れない。さっき出会ったばっかりで、奇妙奇天烈な行動や現象を見せられているから余計だ。一歩では足りないかもしれない。百歩以上離れないと危険かもしれない。ここから落ちてしまうな・・・。いや、待てよ。俺は帰って良いんじゃないか? 余計な事には、巻き込まれない。これは、生きていく上で大変重要な事だと経験上、身に染みている。

よし、帰るか。

 「じゃ、帰ります」

煙草も吸い終わったことだし、今のところ、この会話の時間だけを損しただけだし。さっきの奇術みたいなものが損か、どうかは怪しいところだが。まぁ、良いんじゃないかな。それなりの気分転換というか、興味は満たされたことだしね。お尻についているだろう、汚れをパンパンと叩きながら立ち上がった。

 「では、急ぎましょうか」

いたっ・・・。

その声が聞こえた時に、首筋に痛みを感じた。

痛みがする方に振り向くと、そこには、さらさらとした黒髪があった。驚いて、両手を動かそうとするが、動かない。どうやら、少女が両手を押さえているらしい。僕の両目が風に乗って飛んでいく大きな白い帽子を捉えた。少女の髪の毛で視界が覆われる。僕の首筋から暖かいモノが離れ、代わりに冷たい風が僕の首筋を撫でる。最後に、暖かく湿った柔らかいモノが僕の首筋を這った。

 「おいしい」

悪寒が走る。

 「じゃ、帰ってください」

トン、と前に押される。

夜景の町並みが下にスクロールする。

そうだ。

ここは、ビルの屋上。

その縁だと気付く。

落ちる。

落ちた。

落とされた。

こりゃ。

ダメだ。

死ぬ。


意識だけが昇り。

夜が明け。

全てが白に孵る。


おーちた。おちた。何がおちた?


人は、環境で、環境は、人で。運命は、意志で、意志は運命なのでしょうか?


もう、はちゃめちゃですが、次からは、もっと、はちゃめちゃな展開になると思います!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ