十一月二十三日
混沌とした異能バトル物を書きたいと思い立ち、設定などを詰めていたら四日が過ぎていた。後はジャンプを読んで新人賞の受賞者が二十代前半ばかりで衝撃を受けていた。いや、新人賞だから若い人ばかりなのは当然なのかも知れないが、それでも驚きだ。
こうして時間に置いていかれるのだろう。
とは思いつつ、ジャンプルーキーに投稿する作品に手をつけていないのだから救えない。こうして気ままに創作をしていると仮に連載が通ろうと作品を投稿し続けている自分の姿が思い浮かばない。
創作を始めた頃は何の枷もなく書いていた。ただ書いているだけでは読まれないから、何で読まれないのかを考えて、どうすれば読み易くなるかを考えて、物語を考えると視点が増えるのが楽しくて、物語よりも設定を考える方が楽しいのだと気がついた。
やはり、俺は他者よりも。
その先を求めてしまうのだ。
先へ先へと進もうとして、足下に落ちてゆく物を気にしないから俺は足りないのだろう。どこまで行こうと物語の中心は世界で人ではないから。俺の物語はつまらないのだ。もしかしたら俺が不必要だとしか感じない倫理や葛藤と呼ばれる物こそ物語として必要な物なのかも知れない。なるほどなぁ。
みんな面倒だからとか悪役になりたくないとか下らない事を理由にしていると考えていたけど、正しくありたいとか優しい人になりたいとか俺が捨てた物をまだ大切にしているのかも知れない。捨てれば楽なのに捨てれない。価値がないと思いつつ捨ててはいけないと意地になる感覚は何となくわかる。
何で学校に通い続けていたんだろう。
全部が、なあなあで良くて夢もなく。
ただ卒業したという実績の為の日々。
その先がこれか。
……何か。
気分が楽だ。
そうだ、そうだよ。
何で気分が落ち込んでいたんだろう。
何もストレスに感じる物などないのだ。
いいじゃん、ニート。何であんなに何かやらなくてはとか考えていたんだろう。制限されるような事もする事もないのに閉塞感に包まれていたのだろう。何か憑き物が落ちた気分だ。よし、明日からがんばろう。




