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第71話

「・・・落ち着いた?葵」

「・・・・うん」

 

 胸の中で泣いていた葵に話しかける

 葵は一からどうしてこうなったのかを説明し出した

 

「ごめんね、輝・・・勝手に引っ越しちゃって・・・」

「いや、もうそれは・・・まぁ気にしないで・・・」

「うん・・・でね、この引っ越しが私のモコちゃんの代わりに・・・」

 

 葵の言っていることはよく分からないが、なんというか、俺と葵の賭け事

 負けた方が勝った方の言うことをなんでも聞くっていう賭け事で俺が負けたから葵( おばさん)の要求が俺が葵の家に引っ越すってことになったのだろう

 だから、葵の目的のペット(モコちゃん)が飼えないことになった

 

「とりあえず、おばさんに話聞こうよ」

「・・・うん」

 

 俺と葵は部屋から出て、リビングに向かうと来るのを待っていたのか、おばさんは椅子に座ってこっちを笑いながら見ていた

 

「どうぞ〜、一から説明してあげるよ」

「納得がいく説明をよろしくお願いします」

 

 そこから屁理屈も突き通せば理屈になるって感じで屁理屈をバシバシ言ってきて、こっちに何も言わせない

 

「それに〜葵だって私が輝ちゃんをこっちに住ませようって言ったら、うん!って言ったでしょ?」

「う、うん・・・言ったけど・・・」

 

 葵は完全に意気消沈していて、戦力にならない

 

「でも、それは葵の願いとは違いますよ、確か葵はペット飼いたって」

「ん〜それは〜・・・ちょっと葵、耳貸して」

 

 葵は俯いたままおばさんのところに言って、コソコソとおばさんが話すと葵はボンッ!?っと音が出たような勢いで顔が真っ赤になり、走ってリビングから出て行って階段を上って言った

 

「葵は納得してくれたわよ?輝ちゃん」

「あ・・・・・何言ったんですか?」

「聞きたい?」

「・・・・やっぱいいです」

 

 頭のどこからか聞いてはいけないと警告していて俺はその警告に従い、聞かないことにした

 

「それより、いいんですか?俺の引っ越しは・・・まぁあとで思いっきり聞きますけど、葵ペット飼うことすごい楽しみにしてたみたいでしたよ?

 帰りなんて歌まで歌ってましたし」

「でも、葵にはペット飼うなんて不可能だと思うのよ

 別に育てることはもうできると思うのよ?でもね、もしペットが死んだ時に葵が立ち直れない気がして・・・」

 

 おばさんは本当に心配している顔をしていた

 確かに葵がペットを飼っていて、そのペットが死んだとき立ち直れるかはわからない

 今だから言えるけど俺がここから引っ越しただけで相当凹んだらしいから、もしペットが死んで一生会えないってことになったら凹むどころじゃないかもしれない

 俺はペットとは違うけど似たような経験をしているからわかるけど、あれはかなり堪える・・・てゆうか堪えるってレベルじゃない・・・

正直、今思い出しても少しブルーになるし・・・


「確かに・・・それを考えると・・・」

「でしょ、だから飼うのはあまり賛成できないのよねぇ。でも動物を飼って勉強になることもあるから・・・微妙なところよね」

「まぁ勉強になることはなりますし、あんだけ楽しみにしててこのままってのも可哀そうだなぁって感じはしますけど・・・」

「それじゃ輝ちゃん買ってあげる?」

「嫌ですよ、結局俺が世話しなきゃいけないんですよね?」

「そうね〜初めて動物を飼う葵に最初育てさすのは怖いわね~」

「それだったら嫌です。わざわざ買ってまで育てる気は無いです」

「ん~それじゃ葵には諦めてもらうってことで」

「ですね」

 

 俺とおばさんは笑いあってコーヒーを飲み、次は俺がなぜこっちに引っ越すことになったのかを問いただそうとした時ピンポーンと呼び鈴がなった

 それを好都合に考えたおばさんは風のごとくダッシュで玄関に逃げる 


 おばさんが玄関に逃げて戻るまでコーヒーを飲みながら待っていると、玄関の方から俺を呼ぶ声が聞こえた

 どうしたのかと俺は玄関に向かうと空と岡村さんが立っている

 

「よっ、輝」

「何?どうしてこっちにいるってわかったんだ?」

「お前の部屋行ったら何もなくてこっちかなぁって思ったから」

「ふ〜ん、で?なんか用だった?」

「ああ、ちょっとな」

 

 そういうと横にいた岡村さんが少し大きめの籠を持って俺の方へ差し出してきた

 

「はい、ちょうど私のお姉ちゃんの犬が子供産んで引き取り先探してたの」

「え、いや、でも・・・」

「あっでも、トイプードルじゃなくて豆柴なの。ごめんね」

「いや、それはいいんだけど、でもこれ・・・」

「誰にでも譲るってわけじゃないんだよ、葵ちゃんと北谷君だから譲るの」

「受け取ってやってくれよ、信頼できる人に渡したいって由美もお姉さんも言ってるし俺もその方がいいと思うからさ」

「はい、北谷君。ちゃんと育ててあげてね」

 

 岡村さんから籠を受け取っておばさんの方を見ると嬉しそうにウンウンと頷いていて、断るに断れなくなってしまう

 とりあえず、空と岡村さんに礼を言って中を見ると毛布の中に小さく丸まって寝ている子犬が入っていて、それはもう可愛すぎるぐらいだった

 

「あ、そうそう。ワクチンはもう済んでるよ」

「うん」

「あとは〜よく遊ばせてあげてね。遊ぶのが好きな子だから。それじゃ私たちは帰るね」

「んじゃ輝、また今度な」

「ありがとう、岡村さん」

「いいよ〜。あ、何か聞きたいことあったらメールして」

 

 空と岡村さんはそう言って帰って行って、玄関には俺とおばさんが残る

 

「輝ちゃん、飼うの?」

「・・・飼いますよ」

「ふふふ、さっきまで世話はしないって言ってたのに?」

「っ・・・しょうがなくですよ」

「まぁそういうことにしといてあげるわ」

 

 おばさんは笑いながら餌などを買いに行くために準備をしてくると言ってリビングに戻った

 俺はもう一回もらった籠の中を見ると毛布に包まった子犬が起きていてこっちを見ていた

 

「これからよろしくな」

 

 子犬は俺の言ったことを理解したのかしてないのか小さな尻尾を1〜2回振って再び小さく丸まり寝てしまった

 

 



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