表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/87

第69話

 やっと葵たちがいなくなって俺も十分に体力が戻ったので木から下りて体育館に向かうと、なんとなく予想はしていたがやっぱり目にすると落胆する風景があった

 

 体育館の中には守る側の残り人数ほとんどが集まっていて、約30人ぐらいだろうか?

 あとの人数はたぶん体育館の周りを見回っているのだろう

 30人の中には葵、翔、優美もいる

 

 しかし、周りを見ると仲間がそこら中にいるのも確かで、陸上部とかサッカー部とかの連中も残っていて、ふと見覚えのある小さな体を見つけた

 

「芽衣ちゃん残ってたんだ」

 

 近くまで行くとビクっと震えて恐る恐るこっちを向き、俺の姿を確認すると凄く安心したような顔になった

 

「ごめん、驚かせちゃったかな」

「大丈夫です、私ここにずっといたから誰にも見つからなかったんです」

「すごいね、それじゃ最後ぐらい突撃してみる?葵もいるよ」

 

 体育館の中が見えるぐらいの場所に移動してバレないように見せる

 

「ほんとだ、葵さんがいる」

「あの人数だから突撃するしかないんだよね・・・だから戦力は1人でも多いほうがいいんだ」

「・・・・わかりました。私頑張ります」

 

 芽衣ちゃんはグッと気合を入れて今すぐにでも突撃しそうな感じだ

 とりあえず、合図を待ってくれるようにと頼んで俺は陸上部とサッカー部の方にも同じことを伝えるために移動する

 

 伝え終わるとサッカー部の1人が飛び出すのを合図に今いる仲間20人ちょいが一斉に飛び出す

 さすがの翔も全方向から一斉に飛び出すのをビックリしているだろうと思っていたら、翔は手を振る

 すると、どこから出てきたのかわからないが15人近くの人が出てきて、次々と捕まっていく

 翔は翔で何人か捕まえていき、俺を見つけると笑いながら追いかけてきた

 

「なんで追いかけてくんだよ!」

「だって俺と輝は敵だろ?ほら、捕まってよ」

 

 俺は体育館から逃げて第1校舎の方に走っていくと翔も走ってきた

 

「お前、缶だけ守れよ」

「別に缶なら葵たちに任せておけば大丈夫だし、一番危険な輝をつぶすのが重要かなって思ってさ」

「俺は全然危険じゃないっての!よっと!」

「ちょ!輝!」

 

 第1校舎の2階まで一気に上がり、2階に着くと階段近くの窓から飛び降りて渡り廊下の屋根に乗り、そしてそこから降りて体育館に走る

 さすがの翔も俺が2階から飛び降りることは想定できなかったのか、驚いた顔でこっちを見ていた

 

 俺は一直線に体育館の中に入って敵をよけながら缶へと向かう

 しかし缶まであと数センチってところで葵が前に笑いながら立ち塞がり、俺をギュッと抱きしめてた

 

「輝、つーかまーえた!」

「・・・・・」

 

 まさか葵に捕まるとは思ってなかったし、それも賭けごとをしていたからショックが大きくしばらくの間、放心状態になってしまった

 

 気がついた頃には閉会式がされており、前では守る側が見事勝利したことを発表していた

 右には葵がニコニコしていて、ペットを飼えることを心の底から楽しみにしているようだった

 左には翔たちが居て、まだ俺が第2校舎の2階から飛び降りたことを話していて、バカだとか猿とか人間じゃないとか色々言っていた



 

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ