第64話
椅子に座って、周りを見ると見なれた顔がたくさんあり右には葵、左には翔、翔の前の席が優美だった
「葵とは同じクラスってのは聞いてたけど、おまえらと同じか・・・」
「そんな辛気臭いこというなよ」
「翔はいいけど、優美はなぁ・・・はぁ・・・」
「何よ!もう絶対宿題見せてやんないからね!」
「見させてもらったことない」
「きー!!翔!輝をどうにかしてよ!」
「どうにかって言われても・・・そういえばなんで昨日来なかったんだ?」
「葵の持ってきたプリン食べたら当たった」
正直に言うと翔たちは少しビックリしたようだったけど、すぐに笑いだした
「あははははは」
「て、輝・・・くるしい・・・」
「そこ!北谷!瀬川!奥!うるさいぞ!!」
「「「すみませ〜ん」」」
先生は前の黒板に何か書いていた
内容は、新入生歓迎会みたいなこと
「懐かしいなぁ、俺たちも入ったとき3年生にされたんだよ」
「へ〜、どんなことするんだ?」
「ん〜確か俺たちの時は鬼ごっこだったかな〜」
「なんだその子供遊び・・・」
「やってみると本気になって面白くなるんだ。それに優勝賞品が温泉だったけなぁ」
「なんだそれ・・・それじゃ今回は何やるんだろ?」
そんなことを翔と話していると前で黒板に書いていた担任がこっちを向いた
「恒例の新入生歓迎会だが・・・今回は缶ケリだ
学校中を使って缶けりをしてもらう。
攻めるほうと守る方は1クラス2:3の割合に別れて、1年と3年合わせて150人だから60:90になる
あとお前らが一番気になっている賞品だが、攻める方が北海道旅行券、守る方が遊園地の年間パスだ。
一応攻める方が不利だからいいのになってるが、確実に賞品がほしかったら守った方が良いかもな。
まぁ考えて決めてくれ、以上」
前で先生が話し終わると教室の中がザワザワと騒ぎ出して、どっちにするのか?といろんなところから声が聞こえる
「どうするんだ?輝」
「ん〜俺は攻める方かな、翔はどっちにするんだ?」
「俺は・・・」
「翔!一緒に遊園地いこ〜ね〜」
「守る方になった」
「おつかれさまです、翔」
優美に笑顔で言われると翔は苦笑いしながら答えた
なんというか、彼氏彼女に弱しって感じだなぁ・・・
まぁ人の事言えないんだけど・・・
「葵はどっちにするんだ?」
「・・・・・・・」
「翔、葵固まってる」
「教室に入ったときのあの刺激が強かったみたいだな」
結局、葵は次の休み時間まで固まったままで、動き出したと思うと急に顔が赤くなり、しばらく話しかけても無視されてしまった
最近、会話文が多くなってきてる気がします・・・が気にせず読んでいただけるとありがたいです(笑)