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第6話

瀬川 翔(男)


輝と小4まで一緒だった輝の親友

成績優秀、運動神経抜群の完璧人間。だが、彼女の優美には弱く、いつも振り回されている



 今日はGW直前、最後の学校 これが終わればしばらく学校に行かなくて済む

 そういうことで、俺はちょっと頑張って授業を受けていた


 6時間目の授業が終わり、担任の先生がHRを始める


「えーっと明日からGWだが、これは映画関係の人がつけたらしい。だからNHKでは大型連休って言っているらしいぞ。興味があるやつはGW中に調べておけ。 以上!」 

 相変わらず意味のわからんHRの終わり方だ・・・


 先生はそう言ってHRが終わった

 すると、葵がこっちにきて

 

「ねね 今日の夜に飛行機乗るんだっけ?」

「いや、飛行機に乗るのは明日の夕方。ここから空港まで遠いからっておじさんが明日の昼から送ってくれるんだろ」

「あっ そっか 忘れてた。楽しみだなぁ」

 

 こんなに浮かれている葵を見たのは初めてかもしてない

 今日の授業中も、こっちをチラチラ見てきた、が俺は気づかないふりをしていた

 

「あれ?ほんとに行くんだ 葵」

「おい そう仕向けたのはお前らだろ?」

「いや ほんとに親の許可が取れるとは思ってなかったよ」

 

 翔はニヤニヤしながら言った。たぶん翔はちゃんと許可が下りると解っててあんなこと言ったんだろうけど・・・

 

「それより結局どこか行くの?翔たちは」

「行くよ 大阪、兵庫、京都、に!」 

 

 優美が後ろから出てきながら言った。

「ふ〜ん 全部近畿だな。」

「輝 私ら食べ歩くのだよ!ねっ 翔」 

「そういうことになりました」

 

 翔はきっと優美に連れまわされて、俺以上に疲れるんだろうな・・・

 

「「おつかれさまです・・・」」

 

 俺と葵は同じことを考えていたのか、翔に同情しながら頭を下げた

 

 

 帰り道、優美と葵はお互いのお土産を何がいいか言い合っていた

 

「葵 ちゃんとパスポートとか確認しとけよ〜」

「わかってるよ〜 輝もね」

 

 そう言って俺らは自分の家に帰った

 家に帰って、海外に行く準備をして俺は寝た

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「今日はありがとうございます。おじさん」

「いいって それより、葵よろしくな」

 

 俺と葵は、葵のおじさんの車に乗って、空港へと向かった

 空港に向かっている間、葵はテンションが高かったらしいが、俺は寝ていた

 

「おきて〜」

「ん?あぁ おはよう」

「おはよう なんで寝てるのさ〜 輝着いたよ」

 

 葵に起こされて、外を見ると空港についていて、おじさんは荷物を降ろしていた

 

「あ、すみません ありがとうございます」

「いいよ それより頼むな 葵のこと」

「はい 頼まれました」

 

 俺はおじさんに敬礼をして、笑顔でこたえると、おじさんも「うむ よろしい」と言って敬礼してきた

 

「早く輝〜いこ〜飛行機行っちゃうよ〜」

 

 葵は自分の荷物を持って、今すぐに空港の中に行こうとしていた

 俺も行こうとすると、おじさんが小さな声で

 

「向こうで葵襲っちゃっていいからな!そうすれば輝くんは俺の息子になるから」

 

 と笑いながら言ってきた

 

「それ・・・葵聞いたらおじさんに口聞かなくなりますよ?」

「それは困るな・・・」

「それじゃ行ってきます」

 

 おじさんは少し困ったような顔をしたが、すぐに笑顔になり、「がんばってこい!」と言って親指を立てていた

 

 空港の中に入って、チェックインをして出国に必要なことを済まし、搭乗までしばらく時間がある

 

「うわ 輝と隣席だね」

「当たり前だろ・・・俺が窓際だな」

「えーずるいよ」

「んじゃ変わる?おれはどっちでもいいし」

「ほんと? やった」

 

 窓際の席を譲ると、とてもうれしそうに喜んでくれた。そして、免税店に行くと

 

「ねね 輝 免税店って安いね〜」

「あーそーだなぁ」

 

 葵は相変わらずテンションが高くとてもうれしそうなので、俺も素直に連れてきてよかったと思った

 免税店を見終わって、搭乗口の待合室でも葵はテンションが上がっていた

 

「うわ〜すごい すごい 見てみて輝!」

「そんなにはしゃぐなって」

 

 周りには、やはりGWと言うべきか、家族と思える人がたくさんいて、その子供と変わらない行動をしている葵を見て、思わず微笑んでしまった

 

 しばらくして、俺らの乗る飛行機の搭乗アナウンスが鳴り、ほかの人は続々と入っていった

 

「おいっ葵行くぞ ほら」

「あっうん まって」

 

 飛行機に見とれていたのか、ぼーっとしていた葵を呼んで飛行機の中に入っていった

 

「えーっとここだな ほら葵、窓際だろ」

「うん 手荷物はどこに?」

「あー貸して」

 

 葵と荷物と俺の荷物を上の載せ、席についた

 

 

 飛行機がそろそろ飛び立とうと、滑走路に行く

 

「うわわ こんな大きいのが飛ぶんだ。今から。」

 

 葵は窓から外を見て、感動していた

 

「ほら 葵シートベルトして」

 

 俺は何か葵の親みたいになっている自分が面白くもあったが「なんで」という気持ちもあった

 

「ほらっ飛ぶよ うわっ浮いた うわっうわっ」

 

 子供以上にテンションが上がっていた葵をとりあえず落ち着かせて、シートベルトを外せるサインが出ると、俺はトイレに向かった

 

「ふぅ・・・嬉しそうなのは俺としても嬉しいんだけど、あそこまでテンションが高いとは・・・」

 

 トイレの中で独り言を言い、自分の席に戻った

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 飛行機に乗って、しばらく葵の話し相手をしていると、眠くなってしまって、いつの間にか俺は寝ていたらしい

 俺が起きて、席の前にある時間を見ると、日本時間でAM4時だった

 

「あっ起きた?」

 

 隣で映画を見ていた葵がこっちに気づいて、声をかけてきた

 

「輝の寝顔かわいいね」

「うっさい・・・葵、寝てないの?」

「うん 映画いっぱい見れるんだもん でも眠くなってきた ふぁぁぁ」

 

 そう言いながら葵は、大きな欠伸をして今にも寝そうな感じだ

 

「おい もうそろそろ着くから寝るなよ・・・ってもう寝てるし・・・」

 

 スゥスゥと寝息を立てて、寝ている葵を起こすのも可哀想だと思い、少しの間でも寝かすことにして、俺が使っていた毛布をかけてあげた

 

「葵〜起きろ〜」

 

 そろそろ着陸するころになり葵のほっぺを引っ張ったりして起こした。

 女の子のほっぺって柔らかいね・・・って何考えてるんだろ・・・俺・・

 

「ふぁ?どぉこぉ?あれぇ?輝ぅなんでぇ?」

 

 葵は寝起きが悪い。とてつもなく

 しょうがなく、俺が葵にシートベルトをつけて、寝そうな葵を辛うじて、起こしておく

 

 着陸後も寝起きの悪い葵は、多少フラフラしながら入国手続きを済ました

 よく葵は無事に手続きできたなぁと思うよ・・・・ちょっとフラフラしてるのに・・・

 

 空港のロビーで俺の両親を待っている間、葵はまたもやスゥスゥと寝息を立て、俺にもたれかかって寝ていた

 

 しばらく待っていると、俺の母さんが迎えにきて、「わっ」と驚いた風に言った

 

「葵ちゃんとあんた もうそんな仲なの?」

「違うわ」

「なーんだ・・・」

 

 葵の親もそうだが、俺の親もどうなんだ・・・このリアクションは・・・

 

 葵に母さんが来たから、起こしても、相変わらず

 

「んぁ?ん?あー・・・」

「あんた葵ちゃんにお酒でも飲ませた?」

「んなわけあるか・・・。葵移動するぞ ほら」

 

 手を伸ばして、起きあがらせようとすると駄々を言い始めた

 

「無理ぃ・・・・だっこしてぇ・・・」

「はぁ?いいから ほら行くぞ」

「無理ぃ・・・輝ぅだっこぉ・・」

 

 周りの旅行客もこっちを見てクスクス笑っているのを感じると恥ずかしくなった

 

「しょうがないじゃない、日本じゃまだ朝の5時よ? あんた 葵ちゃん抱っこしてあげなさい 荷物は私が持つから」

 

 母さんはニヤニヤしながら、俺と葵から荷物を奪い取った

 

「はぁ・・・しょうがない・・・」

「輝は幸せ者ね〜 年頃の、それも超可愛い葵ちゃんを抱っこしてる」

 

 母さんがニヤニヤして、携帯をこっちに向けて撮ろうとする。

 それを俺は睨みつけた。

「チッ・・・あー怖〜 冗談なのに〜」


 母さん…嘘はいけない…目が本気だったよ…


 そのころ葵は俺の背中で、スゥスゥと寝息を立てていた


 

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