第51話
次の日の昼、俺たちはスキー場からバスに乗り、観光地へと戻る
バスの中では俺の横に彼女の葵がいて、ぐっすりと寝ていた
葵が眠る前に昨日、翔たちに言われたことを簡単に説明したが、葵は「輝が守ってくれるんでしょ?それに輝がそばにいてくれればそれでいい」ということを言ってくれた
それからは俺も寝てしまい、いつの間にか目的地についていた
目的地に着くとまず泊まる旅館に入り、荷物を置いてから葵・翔・優美と外に遊びに行く
「やっぱラーメンは味噌だろ」
「違いよ!塩だよ」
「いいや、味噌だね」
「塩だよ」
「味噌!」
「塩!」
ラーメン屋の前で俺と葵が言い合う
俺的にはラーメン=味噌なのだが、葵は塩だと言い張り、数分店の前で言い合っていた
「まぁまぁお2人さん。まずは中に入ろうよ」
翔は俺を、優美は葵を押すように店の中に入っていく
「いらっしゃいませ〜」
中に入ると元気よく店員の声がして、4人席に案内された
席に座っても俺と葵はまだ味噌か塩かで言い合っていたが、翔たちは無視してメニューを見ていた
「メニューどうぞ」
店員は俺たちにも渡してくれて、その中身を見る
それを葵にも見せてから店員に注文を言う
「私、味噌」
「俺、しょうゆ」
「「俺(私)とんこつで!」
俺と葵が同時に店員に言った
店員は少しびっくりしていたが、繰り返し確認して厨房に入っていく
「輝と葵は、さっきまで味噌とか塩とか言ってたのになんでとんこつなんだよ」
「メニューの写真見てたら食いたくなったんだ」
「うん。私も同じ」
「お似合いですこと」
まさか翔と優美に言われると思わなかった
それに、2人の目が昔の翔と優美を見ていた俺の目にそっくりな気がした
正直、そんな目で見られても悪い気はしない
でもなんだか自分が人としてなんか落ちていく気がした
少しの間悩んでいたが、前を見るとそんなことは吹っ飛ぶ
さっきまで俺を呆れたように見ていた翔と優美はイチャイチャしていた
そのイチャイチャを見ながら俺は頼んだラーメンを待つ
「お待たせしました」
店員さんが頼んだラーメンを持ってきてくれて、頼んだ物を置いていく
そして、置き終わると忙しそうに他の場所に注文を取りにいった
俺たちは自分の頼んだものを取って、食っていく
すると、なんだか俺のラーメンの中にチャーシューが横から追加されていく
「葵、チャーシュー食わないの?」
「うん。あげる」
「んじゃメンマあげる」
「うん」
その光景を見ていた翔たちはため息をついて、さっきと同じ目で見ていた
ラーメンを食べたあと、いろんなところに行って夕飯の時間になると旅館に戻る
それから、旅館の夕食を食べて、自分たちの部屋に戻った
俺たちの部屋はスキーのときのホテルとは違い、5人部屋で翔と俺と他クラスメイトだった
「なぁ女風呂、覗きにいかね?」
同じ部屋のクラスメイトが1人立ち上がって問題発言を言う
その発言に俺と翔以外の奴は「行く行くー」と盛り上がった
「北谷と瀬川はどうする?」
「ん〜俺は行かない。バレたら洒落になんない」
「瀬川には奥がいるもんな。キレたら怖そうだな。んじゃ北谷はどうする?来るだろ?」
「んー・・・俺もいいや。だって・・・」
「だって?」
「・・・・なんとなくヤバそうだから」
「あはは、へタレだなぁ」
“葵がいるからやめておく”と言いそうになって言うのをやめた
なんだか、問い詰められそうだし、それにバスの中で翔たちが言っていたことがあったから
覗きに行くバカ達はテンション高く部屋を出て行く
そして、奴らが部屋に帰ってくることはなかった