第5話
中村 葵(女)
趣味は絵描き
輝と葵の両親が仲が良く、小学4年生まで、輝と一緒に育った
学校では、アイドルとしてみんなから注目を浴びる
が、本人は目立つことが苦手
葵の家に来たのは久しぶりだけど、相変わらず大きい家に驚いていた
「あの〜輝ですけど〜・・・」
「あ〜ちょっと待ってて今行く」
葵の声がして、ちょっと経ってから玄関のドアが開いた
「今夕飯の支度してるから、そこらへんで待ってて」
「えっいいよ 説明して帰るだけだし」
「あら 輝ちゃんは私の手料理が食べれないっていうの・・・うぅ・・・悲しいなぁ・・・」
「え、いや、・・・食べさせてもらいます」
葵のおばさんがキッチンから出てきて、嘘泣きをしながら言ってきた
嘘泣きとはわかっていても、俺は焦ってしまう・・・
しばらく俺の部屋のTVとは比べ物にならないくらい大きいTVを見ながら待っていると、葵のおじさんが帰ってきた
「おっ玄関に男のくつがあると思えば輝くんじゃないか 久しぶりだなぁ」
「あっ 久しぶりです おじさん」
「大きくなったなぁ どうだ娘の婿にならないか?」
「ちょ、ちょっとお父さん!何言ってるの!」
料理の手伝いをしていた葵が急に出てきて、おじさんに怒っていた
「さぁさぁ できたわよ〜」
机の上に鍋が置かれ、蓋を開けると、中はすき焼きだった
「遠慮せずに食べてね 輝ちゃん」
「そーだ 成長期の男が遠慮したらダメだぞ」
「はい、いただきます」
おばさん・おじさんの言う通り遠慮なく、すき焼きを食べさせてもらった
食事中も「昔はあーだった」とか昔話をして、盛り上がる
食事が終わり、片づけも終わったころに葵が両親を呼んだ
「なんだ?2人して改まって?」
おばさんとおじさんは不思議そうな表情をしながら机に座っていたが、おじさんは少しお酒が入っていたのか
「お?なんだ?この雰囲気は・・・娘はやらん!」
「あなた それはまだ早いですよ」
「あっそっか 早く言いたいもんだな」
ミニコントが前で行われ、2人だけ笑っていた
「お母さん、お父さん GWに海外に行くんだけどいい?」
葵が勇気を出して両親に言うと、おばさんたちは真剣な顔をして
「そう いつまで?」
「えっとGWの最後の日には帰ってくるんだけど、輝のご両親に会いに行くの」
葵がそう言うと2人は「おぉ!」と歓喜の声が出たが
「もちろん、俺だけで行く予定でしたけど、葵が無理についてくるだけですよ」
と俺が言葉を加えて2人の考えている間違いを訂正させた
「なーんだ・・・おもしろくないなぁ」
「せっかく息子ができると・・・」
2人して落胆していた
「いい?お母さん、お父さん」
「あ?ああ いいぞ 行って来い」
「えぇ 行ってきなさい」
「えっ!?許しちゃうの!ダメでしょ普通は。おじさん」
「だって、輝くんと一緒だし。ねぇ?母さん」
「そうそう 輝ちゃんが一緒なら許す 輝ちゃんのお父さんに迷惑かけないようにね 葵」
「お金は? 今からじゃ無理でしょ?」
俺はまだ、諦めない
「お金?・・・葵自分で行くんだから、あなたのお金で行きなさい」
「うん 最初っからそのつもり」
「・・・・・・・」
俺は忘れていたが、葵は一応お金持ちの娘
お金面は心配いらないんだった・・・
そして、俺は諦めて、葵と海外に行くことになった。
「何持っていけばいいだろう?ねぇ輝何持っていけばいい?」
「てか、まだ時間あるんだしそんな今日準備しなくても・・・」
適当に答えて葵の部屋にある少女漫画をベッドに寝転びながら読んでいた
「だって・・・私、初めての海外なんだし・・・あとベッドに勝手に寝転ばないで」
葵は海外が初めてだったらしい
初めての海外は俺も不安だらけだったから、ちょっと優しく言ってあげた
「はぁ・・・んじゃ服と下着と携帯とぉ・・・・あはっ この漫画意外と面白いな」
「もう 真剣に考えてよ!」
「ごめんごめん 服と下着とちょっとお金ぐらいでいいよ。足りなかったら向こうで買えばいいし」
「わかった」
そう言って葵は初海外旅行の準備を楽しんでいた
「んじゃそろそろ帰るかなぁ。明日も学校あるし」
「うん」
玄関まで行き、おばさんとおじさんに
「今日はありがとうございました 料理うまかったっす」
「いいのよ〜毎日食べにきても」
「そうだぞ もう息子のようなものだし、そのうち本当の息子になるんだからな」
「あははは・・・」
一応笑ってごまかしたが、葵は顔を赤くしておじさんに怒っていた
「それじゃおやすみなさい」
「「「おやすみ〜」」」
外に出て、家まで戻ると、ぐっすりと寝た
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